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8話 リッチ戦

この話はいつもより少し長いです。(^ω^)


 モンスターの群れにロイドが突っ走ってしまった。


(これだとこの前話していた連携が......)


 ロイドが前衛で戦ってくれるのは良い。だけど勝手に行動されてしまうと全員の行動が制限されてしまう。俺やシャーロットのように後衛組ならいいが、ソフィーやジャックなど中衛組はどのように行動していいかわからなくなってしまう。


「みんな! ロイドのカバーを頼む! 俺たち後衛組も前衛のカバーに入る」


「「「「了解」」」」


 銀色の風全員が返答し、サルットとイワルも頷く。真っ先にソフィーがロイドの近くに駆け寄ろうとした時、木の陰から数体のゴブリンが攻撃を仕掛けようとしていた。


「え?」


 驚きながらもソフィーがゴブリンの攻撃を避けたところで俺が風切エア・カッターを使い、ゴブリンの首を落とす。ソフィーと一瞬目が合ったが、すぐさまソフィーは背を向けてロイドのところに向かう。それへ続くようにジャックやサルットたちも後を追いかけ始める。


 今回、中衛組が前衛組の援護に向かってしまっているため、後衛組3人はできる限り援護に行った仲間たちにモンスターが攻撃しないようにカバーをする。そしてカバーした甲斐があり、ロイドのところにみんなが付くことができた。


(よかった)


 でも今回一番俺たちが重要なことは、この場所を死守すること。この場所がモンスターたちに占拠されてしまうと前衛、中衛組の帰ってくる場所が無くなってしまう。そうしたら前衛、中衛組は死が待っている。だからこそ俺たちがいるところは事実上、生命線である。


 そこから後衛組は、可能な限りソフィーたちをカバーしつつ俺たちがいる場所に来たモンスターを倒して少しの時間が経った。


(どれぐらい倒しただろう......)


 もう倒したモンスターを数えるのを辞めた。なんせ倒しても倒しても見えている敵が減らない。それなのに倒したモンスターを数える余力なんてなかった。そんな時、先程までゴブリンたちだけだったのに、モンスターの大群の後ろの方からリッチが見えた。


(やばい)


 リッチを倒すには、聖属性を使えるソフィーかシャーロットしかいない。でも現状前衛にはソフィーしかいない。


(どうしよう......)


 本当なら今すぐ、俺とシャーロットが前衛に行くのがベストだ。でも俺たち二人が前衛に行ってしまったら、後衛に残るのはミルシェのみになってしまう。そしたらミルシェをカバーする役がいなくなる。でもこのままだと必ずと言っていいほど、ソフィーの負担が大きくなってしまい、均衡が破れてしまう。


 そう考えていたところで、ミルシェが言う。


「リッチよね?」


「あぁ」


 ミルシェも気づいていたのか......。


「レオンにシャーロット、前衛に行っていいよ」


「そしたらミルシェが!」


 ミルシェに行けと言われても、そんなことできるわけがない。仲間を見捨てることなんてできない。そんなことをする奴なんて仲間なんて言えないだろ。


「大丈夫。方法ならあるわ」


 そう言ってミルシェは頭上に矢を放つのと同時に風魔法を使った。


「みんな! 後少しでリッチが来るわ! だからジャックとサルットさんは後衛に戻って!」


 二人は頷きながら徐々に後退し始めた。


(こんな使い方もあるのか!)


 矢の音で、モンスター及び仲間全員をこちらに視線を集めながら、風魔法で遠くまで聞かせていたのか。


「行っていいよ!」


「「ありがとう!!」」


 ジャックとサルットがミルシェをカバーできる範囲に入ったところで、俺とシャーロットがスイッチするように場所を交代する。ジャックとサルットができる限りモンスターを倒してくれていたので、前衛に到着するまで数体のモンスターと戦闘をするだけで済んだ。それもミルシェの援護があったので、そこまで苦戦することもなかった。


 そして前衛についたところで、全員に伝える。


「これからリッチが来るから、盾職のイワルが気を引きつつソフィーとシャーロットで倒してくれ。俺とロイドで全体的にカバーをするから」


「「「了解」」」


 3人が了承したところで、ロイドが言う。


「俺は好きに動くぜ」


「ロイド! 流石に指示に従ってくれ!」


 ここにいる全員が力を合わせない限り、リッチ及びゴブリンやオーク、オーガを倒すことは困難になる。ソフィーがリッチに専念する以上、オークなどを倒すのは俺やロイドの仕事になる。


「は? なんで指図されなくちゃいけないんだよ。それに倒せばいいだけだろ?」


「だったらオークやオーガ、ゴブリンを優先的に倒してほしい」


 すると舌打ちをしながら言われる。


「わかったよ」


(よかった)


 ここで、リッチを倒しに行くと言われても困るだけだ。ロイドがリッチを倒すには、リッチが死体を召喚したやつらを倒してからになる。それだと効率が悪い。


 だからこそソフィーやシャーロットに頼むんだ。死体には聖属性が有効だし、リッチにも聖属性は決定打になる。


 そうこう話している間にリッチが徐々に近づいてきて、先程倒したゴブリンなどを蘇らせ始めようとした。そこで俺が魔法無効化キャンセリングを使い、リッチの魔法を無効化する。


「ソフィーにシャーロット、頼む!」


「「うん!!」」


 俺の合図で二人がリッチに聖属性の魔法を使い、倒す。その時、オークやオーガがこちらに攻撃を仕掛けてくる。それをイワルが盾で防ぎつつロイドが倒す。


 その後もリッチが数体死体を蘇らせようとし始めた。俺はすぐさま魔法無効化キャンセリングを使って、無効化したところで二人がリッチを倒す。その攻防を何度かしているところで、ロイドがリッチに向かって攻撃を仕掛けた。


(あいつ......)


 その時、先程まで使わなかった火玉ファイアーボールをリッチがロイドに放った。


「!?」


 思いもよらなかったことにロイドが驚きつつギリギリのところで避ける。だが次は避けられない状況で、他のリッチもロイドに火玉ファイアーボールを放った。


(やばい!)


 俺はそう思い、魔法無効化キャンセリングを使った。

読んでいただきありがとうございました。

明日まで(12時、15時、19時)の3話更新をして、1章完結いたします!


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