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3話 全体会議


「まずここに集まってくれてありがとう。受付嬢たちに聞いていると思うが、およそ1週間後にスタンピードがこの街周辺にやってくる」


 ギルドマスターが言った言葉で先程までの異様な雰囲気が無くなり、全員が真剣な表情で頷いていた。それは俺たちも同様で、ロイドと話していた時の嫌な表情が無くなっていた。


「話を進めるが、ここにいるみんなにはスタンピードで最前線に戦ってもらいたい。現在参加しているのは計8パーティだから、各2パーティずつに分かれて4つのチームに分かれて戦ってもらう方針にする」


 するとロイドがギルドマスターに質問する。


「パーティの分け方とかはどうするのですか?」


「今回集まってもらった冒険者は、ここを合わせて3つの街から来てくれている。だから各街に滞在しているパーティと組んでもらう。もし2パーティ以上いる場合は、こちらが指示をして組んでもらう」


 その問いに対して、ロイドがこちらを睨んで来た。


(まあそうなるよな)


 俺たちが滞在している街にはAランク以上の上位冒険者は3つしかない。でもそのうち1つは遠出するクエストに出て行っているため、今回参加しているのは俺たち銀色の風と、ロイドたちのパーティしかいないから、必然的に銀色の風と元パーティが組むことが決まってしまう。


 はっきり言って俺たちと、ロイドたちのパーティは仲が悪い。そんなパーティをくっつけるなんておかしなことだ。でも今回はスタンピード。そんなことを言っていられない。それに仲が悪くなって、お互い知っているで共闘パーティの方が見ず知らずのパーティと組むより生存率は高いだろう。


 普通なら誰かしら文句を言うのだが、今回に関してはロイド以外の全員が俺が何をしようとしているのかを知っている。だから何も言わなかったのだが、案の定ロイドが口を出して来た。


「ギルドマスター! 銀色の風と組むのは嫌です。他のパーティと組むように考え直してくれませんか?」


「悪いがそれはできない。決定事項だから。それにロイド以外の全員はそうは思っていないようだぞ?」


 ロイドが俺たち全員を見てきた。するとなぜか嫌そうな顔をしながら話しかけてきた。


「俺たちと組むのはレオンも嫌だろ? 俺だって嫌さ。だからお前からも言ってくれ」


「俺は別にいいよ」


 ロイドはなぜか驚いた顔で俺を見てきた。その次にソフィーやシャーロットたちを見た後、サルットやイワルを見て言う。


「シャーロット様や、サルットたちは嫌じゃないのかよ!」


「あぁ」


「えぇ。私たちの私情で他のパーティに迷惑をかけるわけにもいきませんもの」


「あぁそうかよ」


 そう言って、黙りこんでしまった。


(俺たちだってお前たちと組むのは嫌さ)


 でもサルットたちに頼まれた以上、役目をこなさなくてはいけない。それにシャーロットが言う通り、他のパーティに迷惑をかけるわけにもいかないし、俺とロイドたちは元パーティメンバーだ。他のパーティより確実にお互いを知っているし、戦い方はわかっているはずだ。だったら好き嫌いで駄々をこねていられない。


「では各自どのパーティと組むか決まったら私に報告してほしい。後、何か欲しいものがあったら私に言ってくれ。可能な限り支援するつもりだ」


 俺たち含め、全員の冒険者が頷いた。


「今後の情報は受付嬢経由で聞いてくれ」


ギルドマスターがそう言って会議が終わった。ロイドがギルドから出ようとしたところを、全員で止める。


「今から銀色の風とあなたたちでどのように戦うか話し合いましょ?」


「は? そんなのいらねーよ。Aランクパーティがしゃしゃり出るな」


 そう言ってこの場を去ってしまった。


(流石に私情を持ち込みすぎなんじゃないか?)


 それはみんなも思っていたようで、シャーロットが言う。


「まああんな奴はほおっといて、私たちだけで話し合いましょう。その後あなたたちがロイドに言ってくれればいいわ」


「わかりました」

 

 銀色の風と元パーティメンバーで軽く会話できる場所に移動し始めた。

読んでいただきありがとうございました。


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