2話 全体会議まで
できる限り1章完結まで毎日投稿していく予定です。
1話あたり1000~2000をめどに書いています。
はらわたが煮えくり返りそうな感情を抑え、平然を装いつつ答える。
「久しぶりだなロイド」
「お前みたいな無能が呼ばれるってことは、本当にやばいんだな」
「......」
流石にこの場で言う発言じゃない。それはここにいる誰もが感じていたので、異様な雰囲気になっていた。そりゃあそうだ。普通、私情を仕事に持ち込むなんてやってはいけないこと。それに加えて今回起ころうとしているのはスタンピード。いつも通りのクエストとはわけが違う。そんな中でロイドがこのような発言をしているのは、今回参加している冒険者の雰囲気を悪くするのは分かり切っていた。
(はぁ~)
目を覚まさせる気すら失せてくる。でもあの時約束してしまったし、今までの恩もあるしな......。
「まあせいぜい死なないように頑張れよ」
「あぁ」
ロイドはイワルとサルットを連れてこの場を去って行ったら、周りからの視線も消えてホッとする。
(流石に風評被害はごめんだ)
そう思いつつみんなの方を向くと、全員が怪訝そうな顔をしていた。そしてソフィーとシャーロットが同時に話し始めた。
「「ねえ、本当に助けるの?」」
「あぁ。まあ約束しちゃったからな」
するとシャーロットが呆れたような顔をしながら言う。
「まあやるのはレオンだから文句はないけど、そこまでする意味はあるの? 約束だって破っちゃえばいいじゃない」
「まぁシャーロットが言う通りだな。でもロイドに感謝していた時もあったから、1回ぐらい助けてやってもいいかなって思ってる」
シャーロットの言う通り、口約束である以上破ってしまっても問題ない。多分ロイド自体も俺に目を覚まさせられるのは望んでいないと思うし。でもあいつに助けられたところもたくさんある。俺が無名だったころ仲間に入れてくれたところ。戦闘時、なんやかんや文句を言いながらも助けてくれたところ。
それこそあいつらには命を助けてもらったこともある。まあ俺も何度も助けていたけどさ。だからこそ、パーティを追放されたからって恩を返さないわけではない。
「だったら!」
「そうよ!」
「それでもだよ。もう決めたことだからさ」
すると二人は俺の顔を見て、呆れたような表情をして言ってくる。
「だったら一つだけ約束してよ。絶対にロイドのために無茶はしないって」
「シャーロットの言う通り、レオはすぐに無茶するからそれだけは約束して」
二人の真剣な顔を真にしながら軽く頷いた。二人の表情を見て、どれだけ自分が大切にされていたのかが実感した。
そうこうしていると、ギルドマスターとその他数人が来賓室の中に入ってきて、会議が始まった。
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