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2話 受付嬢の謝罪


 次受けるクエストをカナンさんとチャイザさんさんに聞こうとした時、頭を下げられた。


「この前は本当に申し訳ございませんでした」


「本当に申し訳ございません」


「え?」


 俺も含めて全員が驚いた。なんで謝られているかわからなかった。


「なんで謝っているのですか?」


 ソフィーがそう尋ねた。するとカナンさんが言う。


「この前紹介したクエストがSランク指定されました。それを見抜けなかったのは私たちのミスです」


「でもそれはこの前謝ってくれたじゃないですか」


「それでもです。私たちの仕事は冒険者に適切なクエストを紹介することです。それなのにSランククエストなんて物を紹介してしまいましたので」


 そんなこと言ってったって、あの時はまだSランククエスト何てわかっていなかったんだから、謝る必要がないじゃないか。だから


「別に謝る必要はありませんよ。それに誰一人かけていないので結果オーライじゃないですか」


「それでも......」


「それでもですよ! 別に怒っているわけではないですし、私たちの力不足だったことも確かです。なのでお二人が悪いわけじゃないですよ!」


 ソフィーの言う通りだ。カナンさんたちは悪くない。それよりも俺たちが達成できると思われていたことに対して応えられなかった。だから俺たちの方が謝るのが筋だと思った。でも今の状況だと謝っても逆効果にしかならないし。するとカナンさんが


「後もう一つあります。私たちはロイドさんたちがあのダンジョンに行っていたことを知っていました。なのでそれに関しても謝らなくてはいけません。本当にごめんなさい」


「ごめんなさい」


「そうなんですね......。でも謝らなくていいですよ。ロイドたちに関しては私たちの問題です。カナンさんたちがそこまで考えるのは仕事以上のことをしていますし」


「そうですよ。でも気遣いありがとうございます」


 ここまで考えてくれているとは思ってもいなかった。受付をしてくれる人にもさまざまな人が居る。それこそクエストを渡すだけの人だっている。だからカナンさんたちは本当によくやってくれていると思っている。それこそここまでしてくれているカナンさんたちに感謝してもしきれない。


「それも含めて受付嬢です。でもそう言っていただけて本当に助かります」


「はい!」


 よかった。一応は納得してくれた。でもここまで俺たちに尽くしてくれるなら、俺だってこの人たちに応えたい。そう思っているのは俺だけじゃないはず。そう思ってみんなを見ると、案の定いつも以上に張り切っているように見れた。


 そしてカナンさんたちにクエストのことを相談し始めた。


読んでいただきありがとうございました。


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