9話 ダンジョン攻略 回復魔法の発揮
万全な準備をしてダンジョンに入る。俺を含めて全員がダンジョンの内装に驚いた。
(どうなっているんだ!)
あたり一面迷路になっていた。壁をよじ登ることもできないほどの高さがあり、通路の大きさは数十人は入れるほどの横幅があった。
「これがダンジョンなのね......」
「私も初めてきたから言葉に表せないわ」
「そうだね。レオはダンジョンに入ったことがある?」
「いや、俺も今回が初めてだから内装を見て驚いてるよ」
「だな。でもここまで広いなら戦闘とかしやすいだろうな」
「あぁ」
壁と壁の横幅がかなりあるため、戦闘をするとき困ることは無いだろう。
「じゃあ戦闘も楽そうだな! 敵が奇襲を仕掛けてくることもないしな!」
ジャックがそう言うのに対して、ソフィーやシャーロット、ミルシェが頷く。
(メリットはある。でも......)
「ジャックの言う通り奇襲を受けないのはいいことだけど、それ以上にデメリットがある」
そう言うと全員が首を傾げた。
「俺たちも奇襲をすることができないし、何より逃げることがほぼできない」
どの場所においても奇襲を受けないことはメリットである。なんせ先手を取られないから。でもそれは俺たちにも言えている。キメラ戦の時のような奇襲は通用しない。それに加えて通路での戦闘になるのが予想されるため、逃げるにしても来た場所を戻るしかできない。だが逃げる時敵がそうやすやすと逃がしてくれるわけがない。
「そう言われればそうだね......」
俺が言ったのが分かったのか、さっきみたいな雰囲気が無くなった。
「まあある程度、逃げることより戦うことを意識して進んでいこう」
「そうね」
ここで立ち話をしていても埒が明かないので、みんなでダンジョンを進み始める。マッピング担当はミルシェが担当しているため、俺がミルシェとシャーロットの護衛というポジションで歩く。
最初こそ一本道だったが徐々に道が複雑になっていったため、しらみつぶしに道を進んでいく。そこまでにC.Dランクモンスターと戦闘があったが、難なく倒すことができた。
(でも1階層でC.Dランクモンスターってことは......)
昔本で読んだ限り、序盤は低級モンスター、中盤で中級モンスター、そして後半で上級モンスターがでると書いてあった。でも今回は1階層から中級モンスターが出ている。
(もしかしてこのダンジョンって......)
そう思いつつ、1階層のマッピングが終わり、2階層に降りる。2階層も1階層と同じ構造をしていて、同じように道をしらみつぶしに進んでいきマッピングをしていった。その時、前方から火玉が飛んできた。
「魔法無効化!」
俺はすぐさま火玉をかき消す。魔法無効化には2つ種類があって、1つは魔法を使う前に無効化すること。そして2つ目はすでに発動している魔法をかき消す能力。後者に関してはほぼ使ったことがなかったため、成功するかわからなかったが成功できてホッとした。
「モンスターいなくない?」
「ね」
そう言ってみんなが徐々に前へ進もうとしたので止める。
「ちょっと待ってくれ」
「え? わかった」
全員がまだ戦闘態勢をとっている中、俺は前方を凝視する。すると壁側に空間の歪みを発見した。
「あそこ!」
俺はそう言いつつ、歪みに向かって風切を使う。すると死霊らしきモンスターが出てきた。
「あれって」
「え? 知っているのか?」
シャーロットが知っていそうだったので尋ねる。
「本でしか読んだことないけど、確かハーガルって言うの。AランクよりのBランクモンスターだったはず」
「......」
俺も冒険者であるため、ある程度モンスターの知識があったはずだけど、このモンスターのことは知らなかった。
「どんなやつなんだ?」
「うろ覚えだけど、ダンジョンにしか出てこないモンスターで、魔法を得意としたはず。それに加えて物理攻撃が効かなかったはず」
「え? じゃあどうやって倒すの?」
ソフィーがそう尋ねた。
「確か聖魔法。人族で言う回復魔法で倒せるはず。だからここは一旦任せて」
そう言ってハーガルに対して全方位回復を使う。するとハーガルが徐々に薄くなっていき、もう一度シャーロットが回復魔法を使い倒すことができた。
「あんな奴がいるなんて......。私たちじゃ何もできないってこと?」
「そうだな。戦えるのはシャーロットとソフィー、そして一応はレオンぐらいじゃないか?」
「あぁ。でも俺は魔法を無効化するだけで、倒すことはできない。だからソフィーとシャーロットの負担が大きい」
するとシャーロットとソフィーがお互いを見つつ
「大丈夫! シャーロットと一緒に倒して行くから!」
「えぇ」
「頼む」
一応は戦い方が分かったから、マッピングを再開する。幸い2階層にはハーガルが出てこなかったため、すぐさま3階層に行くことができた。ハーガルが出てくる3.4階層も2人のおかげで突破することができて、5階層まで来ることができたが、その時シャーロットの膝が崩れた。
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