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5話 護衛任務、本当の目的


(それにしても見返すなんてどうすればいいんだ? あいつらに実力を示せばいいのか?) 


 そう思ってすぐに思いついたのは決闘。でも決闘なんて普通の冒険者はやらない。ましてやAランクやSランクなどの高ランクなんてもってのほかだ。俺が悩んでいるとシャーロット様がはなしはじめた。


「ちょっと話は変わるのだけど、あなたたち、今有名な噂知ってる?」


 その問いに対して全員が話し始めた。


「Sランクパーティがファイアーボールを使うモンスターに負けたって話ですか?」


「そうよ! それってもしかしてレオンの元パーティだったりしてね」


 シャーロット様が笑いながら言った。


(いや、そんなこと流石にないだろ。一応はSランクパーティだぞ)


「でも噂は噂ですし、本当か分かりませんしね」


「そうね。でもこんな噂が流れているってことは、もしかしたら本当の可能性もあるってことよ」

 

 そうだ。普通噂なんて町一つで回るのがせいぜいなのに対して、今回の噂は俺たちにまで届いているぐらい大きく広がっている。


「そうですね」


 ソフィーもミルシェも頷く。


(それにしてもあいつらがもし負けたとしたら......)


 そう思って仕方がなかった。そこから数時間交代交代で運転する役を変わっていく。そして夜になった時ソフィーが言う。


「シャーロット様! いつ頃着くのですか?」


「もうすぐよ? 明日には着くんじゃないかしら? 今回は上級モンスターと戦わなかったから時間ロスも少なくて助かってるわ」


 そう言えばそうだな。前に護衛したときは何度かAランクモンスターと戦ったな。そう言えばあの時、1回だけシャーロット様の身が危険になったのを思い出す。


「明日ですか!」


「はい」


「それにしても前みたいにならなくてよかったわ。ねぇレオン?」


「そうですね」


 あの時は確か、ロイドが無茶をして馬車が手薄になって俺がギリギリのところでシャーロット様を助けたんだったな。


(ここ最近いろいろありすぎて忘れていた)


「それにしてもあの時は本当にありがとね? だから今回の頼んだのよ」


「いえいえ。それが仕事ですので」


「あら? 頼んだことに対してのお礼は無いの?」


 え? そっち!? 


「本当に依頼をしてくれて感謝しています」


 するとニヤニヤしながら俺に身を寄せてきた。


「思い出したら怖くなってきちゃったわ」


 それに対してソフィーが言う。


「だからレオにくっつかないでください! くっつくなら私にしてください!」


「あら? 別にいいじゃない。それに今回依頼した内容の本題は明日わかるのだからね」


「え?」


 その言葉に俺たち全員が驚いた。


「それって何ですか?」


「それは明日になってからのお楽しみよ」


 そう言ってシャーロット様は馬車に入ってしまった。みんな言葉にはせず、顔を見合わせる。


「ねえ。本題ってなんのことかしら?」


「わかんね。でもレオンがかかわっているのは確実だろ」


「え? なんで?」


 ジャックがそう言ったが、俺にはわからない。なぜ俺が関係しているのか見当もつかなかった。


「カナンさんが言ってなかったっけ? レオンに指名依頼が来たってさ。だったらレオンに対して本題があるのは間違いないだろ」


「「「あぁ~」」」


 そう言われてみればそうだ。


「まあ明日になったらわかるし、今日はいつも通り野営しようぜ」


「「「了解」」」


 一旦俺とミルシェは仮眠をとって、数時間後に交代する。そして日の出がでてきて、出発し始める。本当に今回の護衛クエストは何もなく、午後になってエクセスト王国に到着した。


「ここがエクセスト王国!」


「ようこそ。エクセスト王国へ」


 ソフィーがそう言いながら周りを見渡していた。それはみんなも同様で辺り一面を見ていた。


 山々の中に大きな王国があるのだから初めて見たら誰だって驚く。そして王国内に入って少しすると、湖の近くに王宮があった。


「では中に入りましょうか」


 シャーロット様の言われるがまま、俺たちは中に入って王室に案内される。


「お父様。ただいま戻りました」


「おぉ~。よくぞ戻ったぞ。それで今回の目標は達成したのか?」


「はい! こちらがこの前話していたレオンです」


 そう言われてシャーロット様が俺に指をさした。


(え? 俺?)


 ジャックに言われて予想はしていたが、国王にまでそんな話をしていたなんて思いもしなかった。それに目標ってなんだ?


「まず自己紹介をしよう。この国---エクセスト王国国王、パリード・エクセストだ。よろしく」


「「「よろしくお願いいたします」」」


 シャーロット様以外全員が膝をついて話した。


「それでだけど、シャーロットから話は聞いているか?」


「いえ。何も聞いていません」


 俺はシャーロット様の方を向くとなぜか顔を赤くしていた。


「シャーロット! なぜ伝えなかったのだ! まあよい。私から伝える。レオンくん、君にはシャーロットの婚約者になってもらいたいんだ」


「え?」


 国王から言われたのに対して、俺を含めて全員が固まってしまった。


(俺とシャーロット様が婚約者になる?)

読んでいただきありがとうございました!


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