2話 デート?
皆さんのおかげでジャンル別8位になることができました。
今の目標はジャンル別表紙や日間総合表紙なので、もし少しでも面白いと感じましたら【ブクマや評価】で応援していただけたら嬉しいです!
各自クエストが始まるまで自由時間になった。
(はぁ~。何するか......)
この3日間、部屋でゴロゴロして終わってしまった。なんて言えばいいんだろう......。罪悪感? そんな感じがした。
「でも行くところとかないしな......」
今までクエストばかりやっていたため、遊べる友達が少ない。それに加えて今すぐ遊ぼうと言って遊んでくれる暇人なんていない。そんな時、ノックされた。
(ん? 誰だ?)
そう思いながら外に出るとソフィーがいた。
「あれ? どうした?」
「えっと......。レオって今日暇?」
「あぁ。暇だけど。クエストのことか?」
俺の問いに対してソフィーが首を横に振る。そして少し不安そうに言われる。
「違うの。もし暇なら一緒にお出かけでもどうかなって思って。嫌かな?」
「そう言うことならいいぞ! 俺もソフィーと遊びたいな」
すると先ほど不安そうにしていた表情が一瞬で変わり、嬉しそうな表情に変わった。
「じゃあ30分後に宿前に集合ね!」
「了解!」
ソフィーがそう言って部屋を出ていった。
(それにしてもソフィーと遊ぶなんていつぶりだろ?)
いろいろと考えながら身支度をしているとあっという間に30分が過ぎる。
「やばい!」
勢いよく部屋を出て宿の前に向かう。するといつもとは違う光景が見えた。
(あれってソフィーだよな?)
黒いワンピースに足首まであるスカート。それに加えて化粧をしているのか、いつも以上に美人に見えた。
「ごめん!」
一応時間内には間に合ったが、待たせてしまい申し訳なく感じる。
「んん! 大丈夫! それよりも行こっか!」
「あぁ」
ソフィーが背を向けて歩き始めた。
(なんでこんなにドキドキしてるんだ? 相手は幼馴染だぞ)
そう思いつつ、ソフィーの隣で歩き始める。行先など決めていなかったが、ソフィーがどんどん先に進んでくれる。
「どこか行く場所は決まってるのか?」
「うん! レオは行きたい場所とかあった?」
「いや、ソフィーとならどこでもいいよ」
別に行きたいところとか無い。ぶっちゃけソフィーがいるならどこでもよかった。ソフィーと久々のお出かけ。
(やっぱり幼馴染と遊ぶのはワクワクするな)
ソフィーの方を向くと顔が赤くなっていた。
「どうした?」
「何でもない!」
なぜか少し大声をあげながら先程よりスピードを上げて歩き出してしまった。
(あれ? 何かまずいことでも言ったか?)
その後、市場に行って食べ歩きなどをする。それにしてもやっぱり注目されるよな。そりゃあソフィーは美人で俺は普通の顔。そんな分不相応なペアが歩いていたら注目されて当然だ。
「あれ? レオどうしたの?」
「いや、やっぱりソフィーってかわいいなって思ってさ」
「っ~~~!!」
「どうした?」
また顔を赤くしていた。
「さっきからずるい」
「え? 何が?」
「何でもない!」
どうしたんだろう。絶対に何でもないわけがない。そう思い、繰り返し尋ねてしまう。
「そうか?」
「そうなの!」
まあそう言うならいいけど。でも来週あるクエストに支障が起きるといけないと思い、一応は釘を刺しておく。
「体調が悪いとかなら早く言えよ?」
「......。バーカ!」
なぜかニコニコしながら歩き始めてしまった。
「レオ早く!」
「あぁ」
その後、動物などを見ながらカルカードを散策しているとあっという間に夕方になってしまい、宿に戻り始めた。お互い無言の状態で歩いていたが、ソフィーが話し始めた。
「こんな感じで遊ぶなんていつぶりだろうね」
「だな。本当にここ最近遊んでなかったもんな」
「うん」
俺たちはお互い別々のパーティに入ったため、遊ぶ機会なんてなかった。いや、作れなかった。俺はSランクパーティになるまでほぼ毎日クエスト三昧であり、ソフィーはパーティリーダーとして大変だった。
「でもこんなふうに遊べるってことはまた、次も遊べるよね?」
「あぁ。何なら明日も明後日も遊べるぞ!」
冗談で言うとソフィーが少し考えながら言う。
「それは楽しそうだね! でも明日も明後日も遊んだら今の感情は感じられなかったと思う。だから適度に遊ぼ?」
「そうだな。パーティも一緒だから時間も合いやすいし、また少し時間をおいて遊ぼうな」
「うん!」
その後、雑談を少ししていたら、あっという間に宿へ着いてしまった。
「じゃあ次はクエストの時だね」
「あぁ。ちゃんと準備しろよ!」
昔みたいに荷物などを忘れる癖があったため、からかう。
「わかってるよ! 私だってもうAランク冒険者なんだよ! それにこの前話した覚悟って言うのもちゃんと考える。もう昔みたいに忘れ物とかしないもん!」
「わかってるって! じゃあな!」
「うん! またね」
俺は部屋に入ってソフィーと別れた。
(それにしてもソフィーってあんなに可愛かったっけ?)
なぜかその後の数日間、ソフィーのことが頭から離れず、クエスト当日になった。
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