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1話 Sランクパーティになるには

本日より1.2章開始です。



 翌日、全員でギルドに集まり今後について話し合いが始まる。


「ねえレオ。どうやってSランクパーティになったの?」


 ソフィーの問いにミルシェやジャックも興味のあるような目でこちらを向いてきた。


「まずみんなはSランクパーティってなんだと思う?」


「ギルド最強のパーティ?」


「そうそう!」


「あぁ」


 みんなが言っていることが間違っているわけではないが、きちんと理解しているわけではない。

 

「間違ってはいないね。でもそれだけじゃないんだよ」


 俺がそう言うと全員が不思議そうな顔をした。

 

 先程みんなが言った通り、Sランクパーティとはギルドの看板冒険者である。だけど強ければ良いというわけではない。Sランクパーティは国が危険な状況になったら、まず助けを求めるのは冒険者ギルド。そしてギルドにとってSランクパーティとは最強パーティということ。そのためSランクパーティは各国にとっても重要な位置づけである。だから今まで通りクエストを達成してSランクパーティになることができない。


「ギルドって言うのは国と中立を保っているよな?」


「うん」


「でも国が危険な状況になった時、自国以外で助けを求める場所はどこだと思う?」


 すると全員がハッとした顔をする。


「そう、みんなもわかっていると思うけど冒険者ギルドに頼る。ギルドにとって看板であるのはSランクパーティだ。そんなパーティを国はむげにはできないよな? だからSランクパーティとはギルドを超えて国にも影響を与えるんだ」


「そっか。じゃあレオも国に頼られたことがあるの?」


「いや、俺はまだないよ。でもその覚悟はできてる」


 覚悟がない奴がSランクパーティになる資格はない。そしてSランクパーティとはギルドの見本にならなくてはいけない存在。そう言うすべての覚悟が必要だ。


「私たちには覚悟がないってこと?」


「まあはっきり言えばそういうことだな。なんでもそうだろ? 国王やギルド長のようなトップの存在になるってことは、それ相応の覚悟が必要なんだ。みんなはその覚悟がある?」


 みんなにも覚悟はあると思う。でもAランクパーティとSランクパーティでは覚悟が違う。そこをまずはわかってほしかった。


 するとジャックが言う。


「そう言われてみればそうだよな。まだ俺たちはギルドという小さなくくりの中にいるって考えだ。でもSランクパーティになったらそう言う考えではいけないってことだよな」


「あぁ。だからみんなにはまず今まで以上の覚悟を持ってほしいなって思ってる。まだこのパーティに入って間もない俺が言うのもどうかと思うけど」


 嫌な奴だと思われただろうか。でも覚悟もなくSランクパーティになってしまうと今後が大変になるのは目に見える。


「わかったわ。でもそれは今すぐにはできることじゃないわよね? だから覚悟については今後ゆっくりと身に付けていくとして、具体的にどうすればSランクパーティになれるか教えて」


「わかった。まずSランクパーティになるには一定の実力を示す必要がある。簡単に言えばB、Aランクのクエストをこなすことだな」


「ええ」


「でもそれだけじゃSランクパーティにはなれない。もう一つ必要なこととして、ギルド、そしてどこか1つの国から推薦状が必要になるんだ」 


「じゃあまずできることはクエストを達成することね」


「あぁ」


 みんなが今の会話の内容で納得してくれて少しホッとした。するとミルシェが尋ねてくる。


「それで一つ質問なんだけど、レオンみたいにパーティを脱退してもSランク冒険者から降格されるわけではないんだよね?」


「そうだね。国とギルドが認めた時点でパーティから脱退しても降格されることはない。でも結果を出さなかったら降格はされるよ」


「そっか。ありがとね」


 ミルシェがお礼を言ってくるのと同時に、2人もお礼を言ってきた。


「うん。でも今の話で嫌な感じにさせたと思う。ごめん」


「嫌な気持ちに何てなっていないわ。それよりもちゃんとした知識を身に付けられてよかったと思ってるわ」


「うん!」


「あぁ。サンキューな」


「そう言ってくれると助かるよ。それでだけど今後どうする?」


 みんなに尋ねるとソフィーが提案してくれる。


「さっき話した通り、当面は今まで通りクエストを達成しよ!」


「「「了解」」」


「じゃあ今からどんなクエストがあるか聞きに行こ!」


 ソフィーがそう言うと受付嬢であるカナンさんとチャイザさんのところに向かい始めた。それに続くように俺たちも向かう。


「お疲れ様です。本日からクエストを受けるのですか? Aランクになって1日も経っていないのに」


「はい! B、Aランクのクエストでオススメってありますか?」


「少し確認してきますね」


「よろしくお願いします」


 カナンさんたちは一旦この場から席を外したが、すぐ戻ってきた。


「今まで受けたことが無いと思いますけど、護衛任務のクエストがあります。日時は1週間後です。一応は他のAランククエストに比べて危険性も少ないのでオススメです」


「ではそれにします!」


「了解です。護衛任務といってもAランククエストです。十分に気を付けてくださいね」


「「「「はい」」」」


 カナンさんがクエストを受注して、次のクエストが決まった。


「では行ってらっしゃいませ」


 カナンさんたちと別れてギルドを出る。


(それにしてもAランククエストの護衛任務ってなんだ?)


 そう思いつつ、護衛任務が始まるまで休暇ができた。

読んでいただきありがとうございました。

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