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10話 キメラ討伐


 ソフィーとジャックが左右に分かれつつ時間差で攻撃をする。それをカバーするように俺とミルシェで攻撃する。案の定キメラの尻尾を斬ることができた。


(よし!)


 だがキメラはほんの一瞬怯むだけでジャックに炎玉かえんだんを仕掛けた。俺が魔法無効化キャンセリングで無効化するが、キメラがジャックに向かって切り裂こうとしていく。それをソフィーがギリギリのところで受け流して態勢を立て直す。


「レオ、ソフィー助かった」


「お礼は後だ。今はキメラを倒そう」


「そうね」


「あぁ」


 次の一手としてミルシェがキメラの目を狙って放つ。だがキメラが放つ咆哮で矢が壊される。その後、ソフィーとジャックがキメラの足と腕を狙って攻撃をするが、素早い動きで避けられる。


(速い)


 ロックちょうに比べて一段下がるとは言え、それでも速い。こんな攻防を数分間続けているが、ある意味ロックちょう戦よりじり貧だった。なんせ決め手がない。ロックちょうの時は俺がうまく地上に落とすことができたから勝てたが、キメラは大抵地上にいるため何かしらきっかけが欲しかった。


 今俺が一番重要な役を担っている。だが、魔力が無限にあるわけじゃない。このまま戦っても俺の魔力が尽きて負けるかもしれないと思った。だから


「ソフィー、ジャック、ミルシェ! 3人で隙をついて攻撃してくれ! 俺がヘイトを買う」


 全員が少し驚くが、すぐ反応してくれた。


「わかった!」


「おう」


「わかったわ」


 ロックちょうの時はうまく行ったが、結局は俺と3人での連携は付け焼き刃だ。なら俺がヘイトを稼ぎながらソフィーとジャック、ミルシェが連携を組んだ方がいいと思った。


 キメラに対して風切エア・カッター氷床アイス・フロアを使って動きを鈍くする。それを見計らってソフィーとジャックが翼を斬り落とす。


「ギャァァァ」


 暴れだしたキメラにたしてミルシェが冷静に矢を目に当てて視界をふさぐ。だがその時、キメラがソフィーに炎息アトミックブレスを放つ。


(間に合えっ!)


 ソフィーの近くに行きつつ炎息アトミックブレスを無効化した。でもキメラの攻撃はそれで終わらずソフィー対して噛みちぎろうとした。ソフィーに対して大声で叫ぶ。


「スイッチ!」


 ソフィーは驚きながらも一歩下がって俺と場所を変わる。そしてキメラの攻撃を受け流しながら位置を変えて、首を火魔法を剣に組み合わせて斬り落とす。これでやっと3つの内の1つが切り落とせた。するとキメラが叫びだす。


 その瞬間、ジャックがうまくキメラの背後をとってもう一つの首を斬り落とした。


(ナイス!)


 キメラが逃げようとした時、ミルシェが放つ矢が足に当たり怯む。そこでソフィーが聖剣斬エクスカリバーを使い最後の首を斬り落とした。


(使えたのか......)


 全員が膝を落とそうとしたが俺がみんなに言う。


「みんな! 平地であって逃げる場所も少ない。それに加えて今の戦闘でモンスターがこっちに寄ってきてるかもしれない。急いでここを出よう」


 案の定、モンスターの叫び声が近寄ってくるのが分かった。素早くキメラの翼を採取してこの場を後にした。平地から少し離れた場所に移動してみんなで腰を下ろす。


「勝ったのよね?」


「あぁ」


「あんなのがAランクってことはSランクってどれだけ強いの?」


「わからないけど、今の私たちじゃ無理よね」


「だな」


 ミルシェが言う通り、今の俺たちじゃ勝てない。いや、元パーティメンバーでもSランクモンスターには勝てないだろう。なんせギルドのランクが完全にモンスターのランクと一緒とは限らない。

 

「まあ軽く休んで早く帰ろう」


「「「うん、あぁ」」」


 そこから1時間ほど休んで、漆黒の森を後にしようとした時、まがまがしい感じがした。みんなを見渡すが何も感じていない様子だった。


(なんで気付かないんだ?)


 森の奥の方からまがまがしい魔力が感じる。あれはなんなんだ。わからないが、この持ち主と今の俺たちが戦っても勝てない。そう感じたためみんなに言う。


「早く出よう」


「わかったわ」


 全員素早く動き、漆黒の森入り口に着く。


(それにしてもあれは何だったんだ?)


 漆黒の森入り口に止めていた馬車に乗り、俺が馬車を引きながらカルカードに向かう。少しして馬車の中で声が聞こえ始めた。


「私たちこれでAランクってことだよね?」


「だな! やっとだ!」


「ギルドに報告するまでがクエストですよ?」


 ミルシェが釘を刺すとソフィーとジャックが


「少しは喜ぼうぜ!」


「ね~」


「そう言ってこの前もゴブリンに負けかけたじゃない! 少しは学習しなさい!」


「「......。ごめんなさい」」


 その後笑いが起きた。


(前のパーティより楽しいな)


 前なら馬車内でこんな会話が起きなかった。だからこんな会話があるだけでもこのパーティに入れてよかったと思った。


 帰り道では何事もなくカルカードへ到着した。

読んでいただきありがとうございました。

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