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マイナーゲーム世界で人生を切り拓く〜気がつけばそこは、誰も知らないドマイナーソシャゲの世界でした〜  作者: 潟湖
ドラリシオの悲劇

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第965話 思いもよらぬ奇跡

 ドラリシオ・マザーからの報奨を得たレオニス。

 礼を言いつつ、そろそろ帰る旨をマザーに伝える。


「……さ、俺達の仕事も終わったことだし。帰るとするか」

『あら、もう帰ってしまうの?』

「だってよぅ、ドラ子。俺達ここにいるだけで喧嘩売られまくりなんだぜ? 早いとこマザーからもらった蔓で装飾品作らんと」

『それはー……って、だから私はもう『ドラ子』じゃないんだってば……』


 レオニスの帰宅宣言に、カティアが残念そうに声をかける。

 だが、彼女のことを相変わらず『ドラ子』と呼ぶレオニスに、カティアががっくりと脱力している。

 そんなカティアの落胆などお構いなしに、レオニスがキョロキョロと周囲を見回し始めた。


「つーか、そういやドラ恵やドラ代はどうしたよ? お前とほぼ同世代だったろ、あいつらも名有りになったんか?」

『ええ、あの子達もちゃんと母様からそれぞれ名を賜ったわ』

「そっか、そりゃ良かったな!何て名前になったんだ?」

『……ああ、それならちょうど良いわ。どうせなら帰る前に、あの子達にもついでに会っていかない? せっかくならあの子達の口から、直接新しい名前を聞いた方がいいと思うし』

「ぁー……どうするかなぁ」


 レオニスが周囲をキョロキョロと見回していたのは、どうやらカティア以外の顔見知りのドラリシオを探していたようだ。

 レオニスが口にした『ドラ恵』『ドラ代』も、『ドラ子』同様名無し時代のレオニス流愛称なのだろう。


 名付けのセンスがどれも微ッ妙ーーーなのはさて置き。

 実際ドラリシオは、人族(レオニス)の目から見たら外見的にはほぼ同じ。

 明らかに背丈が違えば区別もつきやすいが、同じような身長の者が並ぶとパッと見ではなかなかすぐに判別しにくいのだ。

 故にこうした呼び分けは必須かつ有効なのだ。


 とはいえ、よく観察すれば些細な相違点は見つけられることができる。

 例えば『ドラ子は花の手の外側先端が薄紅色』『ドラ恵は腰のドレスの葉脈模様が超細かい』『ドラ代はヘソの下に赤紫色の斑点?がある』等々。

 レオニスはそれらの個別の特徴を見て『これはドラ子』『こいつはドラ恵』『あっちにいるのはドラ代』という風に、それぞれを判断していた。


 そして、せっかくだから他の知己のドラリシオにも会っていくよう勧めたカティアに、レオニスが少し悩んでいる。

 自分達の使命は果たし終えたし、後はブルーム達も疲れてて休みたいだろうし、マザー達とももっと積もる話もあるだろう……という様々な要因を考え、カティアの誘いを断ろうとした、その瞬間。

 マザーがレオニスに声をかけた。


『まぁ、それはいいわね。レオニス、ちょうどいいからこの子達をブルームの住む北の里に、皆で連れていってあげてくれるとありがたいのだけど』

「ン? そりゃ別に構わんが……マザーの方はまだこいつらと話をしたりしないのか?」

『それはまたいつでも、後でゆっくりとできることよ。それよりも今は、この子達に北の里ですぐにしてほしいことがあるの』

「「「「???」」」」


 レオニスの気遣いをやんわりと否定したマザー。

 そのマザーに、してほしいことがあると言われた四体のブルーム達が、不思議そうな顔をしている。

 やっと母のもとに辿り着いた自分達にしてほしいこととは、一体何だろう? 自分達にできることなんて、あるのかしら? といった感じの表情だ。

 そんな彼女達に、マザーが穏やかな語り口で話しかける。


『貴女達が連れてきてくれた、他の子達……その一部が入っている篭、その蓋を開けてご覧なさい』

「「「???…………!?!?!?」」」


 マザーの言う通りに、仲間達の遺骸の一部が詰め込まれたバスケットの蓋を姉がそっと開ける。

 するとそこには、ほぼ干からびていたはずの蔓や花びらが水分を吸収して大きく膨らんでいた。



 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 ブルーム達がやっとの思いで持ち帰ってきた、仲間達の遺骸の一部。その全てに大きな変化が起きていた。

 しかもそれは、ただ単に水を含んで膨らんだだけではない。色艶も見違える程に良くなっていて、まるでたった今切り取ったばかりのような瑞々しさを湛えている。

 全く思いもよらない事態に、ブルーム達は驚きを隠せない。

 そんなブルーム達に、マザーがその理由を解説していく。


『その篭は、先程私の涙で水に浸かるくらいに濡れたでしょう。それにより、篭の中にあったブルーム達の欠片に新たな活力が生まれたのよ』

「……それハ、一体、どういうこト……?」

『その欠片を北の里に植えれば、再び芽を出す、ということよ』

「「「「!!!!!」」」」


 マザーの答えに、ブルーム四姉妹の目は極限まで大きく見開かれる。

 マザーが言っているのは、砂漠で死した彼女達の姉妹がこの地で蘇る、ということを示唆していたからだ。


 このバスケットの中に入っていたのは、全てノーヴェ砂漠で固有魔物達に倒された他のドラリシオ・ブルームの遺骸の一部。異郷の地で儚く散っていった姉妹達、その無念は如何ばかりか。

 哀れな姉妹達を母のもとで静かに眠らせてあげることで、少しでもその無念を晴らしてやりたい―――その一心で、ブルーム達はここまでその欠片達を運んできた。

 よもやそれが、姉妹の復活という奇跡に繋がるとは夢にも思っていなかった。


「それは……私達の姉妹が……生きて戻ってきてくれる、ということですか?」

『ええ、そうよ。ただ、そこまで小さな欠片だと、元の姿になるまで……いいえ、新たに根付くことすらかなりの月日がかかると思うけれど……』

「それでモ、いいでス……」

「オ姉チャン達ガ、帰ってきテ、くれるなラ……」

「いつまでモ……いつまででモ、待ちまス……!」

「母様……このような奇跡をもたらしてくれて……本当に、本当にありがとうございます……!」


 正真正銘の奇跡に、四体のブルーム達の涙がまたも止まらない。

 マザーに感謝するブルーム達に、マザーは優しく微笑みかける。


『礼など要りませんよ。この奇跡を起こしたのは、他ならぬ貴女達自身なのですから』

「でも……あの子達が蘇ることができるのは、母様の御力があってこそで……」

『そうね……私の涙を直接浴びるからこそ、起きた奇跡でもあるわね。でも……倒れた子達全ての、何かしらの欠片を掻き集めてここに持ってきたのは、貴女達の決死の努力あってこそでしょう?』

「「「「………………」」」」


 マザーの言葉に、ブルーム達も反論できずに無言になる。

 マザーに言わせれば、ただ単に他の水をブルーム達の遺骸にかけて含ませても新芽は出ないらしい。

 そして、切り刻まれたドラリシオを復活させるにも、マザーのお膝元であるこの群生地でなければならないという。もし他の土地で運良く芽吹いたとしても、それ以上成長せず完全復活には至らないのだとか。

 つまり、四体のブルーム達がその足でこの群生地に辿り着き、他の姉妹の欠片とともにマザーと直接対面したことでこの奇跡は成し得たのだ。


 その奇跡的な組み合わせの実現に、思わずレオニスが感嘆の声を上げる。


「へーーー、マザーにそんな力があったとはなぁ……そんなん全く知らずに、ただブルーム達の願いを叶えるためにここに連れてきたが。結果として最善だったってことなんだな」

『そうね……私の涙には、天寿以外で死を迎えてしまった子達の復活を促す効果があるの。だから私の娘達は、私がここにいる限り決して不遇の死を迎えることはないわ』

「それは…………何とも羨ましい話だな」


 マザーの話に、レオニスが一瞬だけ言葉に詰まり寂しげな笑みを浮かべる。

 その寂しげな笑顔の裏には、若くして死んでしまったライトの実親―――グランとレミが仲睦まじく寄り添う姿があった。


 確かにマザーの話は、短命な人族からしたらものすごく羨ましいことだ。

 人族の命など、事件や事故、病気など様々な外的要因ですぐに損なわれてしまう。

 そんな脆く儚い人族からしたら、ほぼ必ずと言っていい程天寿を迎えられるドラリシオは羨望の的でしかない。

 だがそれも、マザーに限っては若干違うようだ。


『貴方達人族から見れば、羨ましいかもしれませんね……ですが、私にとっては良い事ばかりでもないのですよ』

「ン? そうなのか?」

『ええ。だって……何をどう足掻いても、天に定められし寿命だけは決して延ばせないのだから』

「……ああ……そういうことか」


 寂しげに微笑みながら語るマザーの言葉に、レオニスは早々にその真意を汲み取る。

 マザー以外のレディーやチルドレン、ブルーム達の寿命の長さはどれ程のものなのかは知らないが、それでもマザーより長生きすることはないのだろう。それは、先程ブルーム達の源流である原始の四姉妹、エミリィが既にこの世にいないと言っていたことからも分かる。


 ということは、マザーは全ての我が子達が天寿を迎えるまで見守ってきた、ということだ。

 自らが生んだ子達に先立たれる―――これがどれ程辛いことであるか、独り身であるレオニスにも容易に想像がつく。

 しかもそれは一体二体の話ではない。一体の例外なく、全ての子孫達をマザーは見送らねばならないのだ。

 その悲しみ、心の痛みは如何程ばかりか―――マザーが『良い事ばかりでもない』というのも無理からぬことであった。


 その気持ちを思うと、何とも胸が締めつけられる思いがする。

 しんみりとしてしまった空気に、マザーが気を取り直したように努めて明るい声でレオニスに話しかける。


『でも、我が子達が遺した子孫……数多の娘達の成長を見るのは、とても楽しくて嬉しいことなのよ? しかも今日は新たな娘達が四体も来てくれて、さらには休眠中の娘達が百体も増えるんですもの!これ程喜ばしいことは、長く生きてきた私でも近年なかったことだわ!』

「……そっか、そりゃ良かった。マザーもまだまだ隠居には程遠いようで何よりだ。少なくとも俺が生きてカタポレンの森に住んでいるうちは、マザーには元気でいてもらわなきゃならんからな」


 思いの外喜びに満ちているマザーに、レオニスも安堵したように喜んでいる。

 マザーが健在なうちは、このドラリシオの群生地の安泰が約束されている。逆に言えば、もし万が一マザーがいなくなるようなことがあれば、それこそカタポレンの一大事となるだろう。

 だがしかし、それもきっと何百年何千年後かのこと。その頃にはレオニスも生きてはいないので、そこまで心配する必要もない。

 自分より長生きしてくれ、というレオニスに対し、マザーは心外そうな声で答える。


『あら、私はもうとっくに隠居生活してるわよ? ここでゴロ寝をし始めてから幾年(いくとせ)経ってると思ってるの?』

「ぃゃ、俺はマザーが今何歳なのか知らんのだが……もう千歳は超えてんのか?」

『ンーーー……多分、五千歳くらい?』

「じゃあ、あと五千年くらいはイケるんじゃね?」

『レオニス、貴方ね……私に一万歳まで生きろと言うの?』

「そんなん余裕余裕!マザーならできるって!」


 平気な顔してマザーに年齢を尋ねるレオニスに、ライトは内心気が気でない。

 もしこの問いを人里の、妙齢を過ぎたご婦人方にしようものなら、如何にレオニスと言えどもただでは済まないだろう。

 だが、ここはカタポレンの森の中。しかも女性型しかいないドラリシオに年齢云々のタブーなどない。

 その証拠に、マザーもレオニスの問いに特に怒るようなこともなく、その年齢=約五千歳であることを明かしている。


 五千歳と言えば、ライト達が仲良くしている神樹ユグドラツィよりもはるかに年上だ。

 ユグドラツィがもうすぐ千歳になるので、マザーはその五倍は長生きしていることになる。

 五千年とは途方もない歳月だが、レオニスに言わせればマザーは一万歳まで余裕で生きられる!となるらしい。

 カラカラと笑いながら、何とも無責任な軽口を叩くレオニスにマザーが呆れ返ったようにため息をつく。


『はぁ……この人の子は、本当に他人事だと思って……いくら私でも、さすがに一万歳まで生きられる気はしないわ』

「そんなこと言うなよ。今だってあんたは、こんなに美しくて綺麗なんだから」

『また、そんなことを言って……どんなに褒めても、これ以上何も出てきませんからね?』

「そりゃそうだ。俺だって、マザーからまた何かを出してもらうために言ってるんじゃねぇんだから」


 どことなく照れ臭そうにぼやくマザー。

 娘達からその威容を褒め称えられることはあっても、外部の者から『美しい』などと称賛されること自体が滅多にないのだろう。

 そしてレオニスの方も、何かの褒美を期待してマザーを褒め称えている訳ではない。本当に心からそう思っているのだ。


「俺があんたに初めて会ったのは……今から七年か八年くらい前になるか?」

『そうですね……それくらいはなりますかね』

「あんたと初めて会った時の衝撃は、俺にとって忘れられん出来事だ。そして、それから八年経ってもあんたは相変わらず優美で偉大だ」

『…………』

「これからも、ずっとここに居て……全てのドラリシオの母として、この森と世界を見守っていてくれ。それが俺の、あんたに対する唯一の願いだ」


 他の者が吐いたら確実にクサい台詞を、レオニスは屈託ない笑顔とともに言い切る。

 五千年も生きてきたマザーには、レオニスの言葉に一片の嘘偽りも含まれていないことが手に取るように分かる。

 人懐っこいレオニスの笑顔は、マザーの目にはまるで太陽のように眩しく映っていた。


『フフフ……いいでしょう。それが貴方の願いだというのなら、とりあえず私も七千歳辺りを目指してみるとしましょう』

「俺自身がそれを見届けることはできんが、よろしく頼んだぜ!」

『では、私がより長生きするためにも、貴方にはここに時折来てもらいましょう。まずは仮死状態から目覚めようとしている百体の私の娘達を、北の里に連れていってあげてくれますか?』

「おお、いいとも。ここの土に根を下ろすことで復活できるなら、すぐにでも連れていってやらなきゃな!」

『よろしくお願いしますね』


 改めてレオニスにブルーム達の移動を託すマザー。

 彼女は間を置かずに、すぐに傍に控えていたカティアにも言葉をかけた。


『カティア、恩人達の北の里への案内を頼みましたよ』

『畏まりました』

「母様!私達もついていっていいですか!?」


 マザーの命を受けたカティアが、恭しく頭を下げて拝命している。

 そしてその後ろで、チルドレン達がマザーにその同行を求めた。

 彼女達としても、先程ブルーム達に『良いお姉ちゃんになる!』と宣言したばかり。自分達にも何かできることがないか、同行して探したいのだろう。

 彼女達の思いを汲んだマザーが、静かな声で頷く。


『いいでしょう。これは貴女達チルドレンにとっても、大きな成長のきっかけとなるはずです』

「「「母様、ありがとうございます!」」」

『ただし……もう二度と、先程のような醜態を晒すことは許しませんよ』

「もちろんです!」

「母様の命がなくとも、私達はもう心を入れ替えました!」

「新しい妹達のために、私達にもできることをしたいんです!」


 マザーの注意に、チルドレン達は怯むことなく笑顔で答える。

 実際そんなに上手い具合に切り替えることができるのかどうか、甚だ疑問ではある。

 だが、チルドレン達自身がやる気に満ちているのだから、そこにわざわざこれ以上水を差すこともあるまい。

 マザーも小さく微笑みながら、レオニス達に向けて改めて声をかける。


『では……我が娘達をよろしく頼むわね』

「おう、任せとけ」

『他の客人達も、今日は本当にありがとう。遠い地で生まれた我が娘達を救ってくれたこと、心より感謝しています』

「何、俺は俺にできる当たり前のことをしただけだ」

「そうですよ!それに、ぼくもマザーさんに会えてすっごく嬉しかったです!」


 マザーからの感謝の言葉に、真っ先に反応するラウルとライト。

 クールに返す万能執事と無邪気に喜ぶ子供の横で、八咫烏三兄弟達もマザーの声に答える。


「僕もです!八咫烏の里の近くに、こんなにも偉大な御方がいたなんて、今まで知りませんでした!」

「お恥ずかしい話、私も貴女様のことを存じ上げませんでした。本当に、己の無知を恥じ入るばかりです……」

「俺も、マザーっていうからどんなに怖ぇ御方なのかと思ってたんですが……とても素晴らしい御方で、感動しました!」


 八咫烏三兄弟が、それぞれの口でマザーを絶賛する。

 若干最後の一名だけ本音がダダ漏れだが、誰の発言かは明かさないでおこう。


 そしてマザーの視線は、アクアに移る。

 マザーの澄み切った黄金色の瞳が、じっとアクアを見つめていた。


『若き水神よ……不躾ではありますが、貴方様に一つお願いがございます』

『ン? 何かな?』

『もしよろしければ、今から北の里に向かう娘達が持つ、他の子達の欠片に……どうか貴方様の生みし水を、直接かけてあげてくださいませんか』


 マザーがアクアに願ったことは、仮死状態のブルーム達の欠片にアクア直々に生んだ水をかけてやってほしい、ということだった。

 確かに水神アープが生み出した清浄かつ高魔力の水を与えてやれば、それらが根付いて再び芽吹く日もより早くなるだろう。

 実際に天空島に作った新たな水源である『アクアの泉』で育つ野菜類は、日々ぐんぐんと大きく育っている。

 そうした実績から見ても、マザーの申し出は理に適っていた。


『いいよー。それくらいならお安い御用だ』

『ありがとう。此度の御恩、一生忘れません』

『僕もあの子達の力になれるなら、それはとても嬉しいことだからね』


 改めてアクアに深々と頭を下げるマザーに、アクアもニコニコ笑顔で応える。

 そしてアクアはライト達の方を振り返り、皆に向かって声をかけた。


『そしたら早速行こうか』

「「おう」」

「うん!」

「「「はい!」」」

『じゃ、ドラ子ちゃん。北の里までの案内、よろしくね♪』

『………………水神様の仰せのままに』


 最後の最後に、アクアからドラ子ちゃん呼びされてしまったカティア。

 しばし愕然としていたものの、すぐに気を取り直し恭しく頭を下げる。

 その後すぐに顔を90°横に向けて、レオニスをギロリ!と睨んでいたような気がするが。多分気のせいだろう。キニシナイ!


 こうしてライト達はマザーのもとを離れ、カティアの案内で北の里に向かっていった。

 ノーヴェ砂漠で倒れていったブルーム達の、奇跡の復活です。

 ブルーム達の遺骸のことを、今回初めて『仮死状態』と明かしたのは、これを先に言っちゃうと結末バレする確率が非常に高そうだったからです。

 でもって今回の奇跡、作者のイメージ的には『挿し木』に近いですね(゜ω゜)


 挿し木って、本当に不思議ですよねぇ。

 植物の枝や茎、葉などの一部を切り取って他の場所に挿すことで、上手くいけば根付いて親株と同じ種を増やすことができる。ホンット不思議。

 成功率や難易度の高低はあれど、大抵の植物は何らかの方法で挿し木できるのだそうで(挿し木関連のggrks途中で『竹だけは挿し木不可』とかいう意見も、いくつか見かけましたが。そこまで深追いする必要もないので早急に撤退)。

 兎にも角にも、動物とはまた全く違う増殖の手法はまさに生命の神秘としか言いようがありません。

 道路に敷き固められたアスファルトをも食い破る、植物の生命力の底力よ。その強さは、伊達ではないのです。


 そして今回、この挿し木という方法が通用したのはドラリシオ達が植物系魔物だったからこそ。

 ブルーム達が息絶えた仲間達の欠片を懸命に拾い続け、守り抜いてきたことがようやく今日、本当の意味で報われました。

 作者としても、ブルーム達の頑張りが見事に実りを迎えたことがとても嬉しいです( ´ω` )

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― 新着の感想 ―
[一言] ドラ恵にドラ代、という名ですが、もしも後一人いたら○ラミちゃんになっていたかも(かなり危ない···)。 サイサクス世界が日本で作られたゲームの世界なので、レオニスにもドラ○もんの影響が多少と…
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