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マイナーゲーム世界で人生を切り拓く〜気がつけばそこは、誰も知らないドマイナーソシャゲの世界でした〜  作者: 潟湖
新しい生活

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第889話 素材採取と地点登録

 ひとまず転職神殿の外に出たライト達。

 ルディの背に乗ったライトが、ルディに向かって声をかけた。


「ルディ、ここから少し離れた場所に移動したいから、とりあえず人目につかないくらいにうんと高く飛んでくれる?」

『分かりました!』


 ライトの頼みを聞いたルディが、どんどんその高度を上げていく。

 山の麓のディーノ村の家々が豆粒くらいになるまで、あっという間に空高く上昇した。

 そこまで高く上がれば、黄金色に輝くルディの身体も青空に紛れて見えなくなるだろう。

 そしてライトは南西の方向を指差した。


「ルディ、あっちの方向に飛んでくれる? しばらく進むと荒野が出てくるから、そこで魔物狩りをしたいんだ」

『了解です!』


 ライトが発した『魔物狩り』という言葉に、常にライトの横についてきているミーナが敏感に反応する。


『主様、私達も魔物狩りのお手伝いをしてもいいですか?』

「もちろんだよ!ミーナもルディも、ぼくに力を貸してね!」

『『はいッ!』』


 ミーナの申し出に、一も二もなく快諾するライト。

 今のライトなら、通常の雑魚魔物相手に苦戦することなどあり得ないが、それでもミーナ達の助太刀があれば心強い。

 それに、倒した魔物の収拾作業も断然行いやすくなる。

 ライトにとって、二人からの助力の申し出は本当に大助かりである。


 ちなみに今回のライトのお目当ては、ディソレトホーク。

 ディソレトホークから採れる爪、『荒原鷹の斬爪』はグランドポーションの原材料である。

 グランドポーションはコズミックエーテルと同等級のHP回復剤である。そして『荒原鷹の斬爪』はコズミックエーテルにおける『咆哮樹の木片』と全く同じで、一個のグランドポーションを作るためには『荒原鷹の斬爪』が五個要るのだ。


 つまりライトは、クエストイベントのエクストラページクリアのために『荒原鷹の斬爪』を七千五百個用意する必要がある。

 ディソレトホークから爪十個を採取できるとして、最低でも七百五十体以上狩らなければならないのだ。

 幸いにもヴァレリアがお昼寝中の今が、腹ごなしも兼ねた素材採取の絶好の機会!という訳である。


 ライトが指差した方向に飛び立つルディとミーナ。

 眼下に広がる荒野、そして人里はもちろん人影も全くないことを確認しながら地面に降り立った。

 荒涼とした荒野には、ところどころに大きな岩や生い茂る数本の木、立ち枯れた木があるくらいで、他には何もいないように見える。

 ミーナとルディはキョロキョロと周囲を見回しながら、ライトに尋ねた。


『主様、ここはどこですか?』

「ここは、人族の間で『北レンドルー地方』と呼ばれる場所だよ」

『ここに、パパ様の目当ての魔物がいるんですか?』

「うん。ここにはディソレトホークっていう、鷹型の魔物が出てくるんだよね。今日は主にそれをたくさん狩りたいんだ」

『鷹の魔物ですね、分かりました!』


 ライトの要望を聞いたミーナとルディ、早速魔物を探すべく別々の方向に散開していった。

 するとそれまで人っ子一人いなかった荒野に、どこからともなく魔物が涌いてくる。

 それは岩陰から出てきたり、生い茂る木の枝葉から突然飛び出してきたり、枯れ木の背後からフッ、と現れたり。

 冷静に考えると何とも不思議なことだが、ゲーム世界でいくらでもリポップする雑魚魔物の出方など皆こんなものなのだろう。


 ミーナとルディが魔物狩りに勤しむ中、ライトはマイページを開いて何かを確認している。

 それは、先程転職神殿で就いたばかりの【魔術師】の項目。

 一番最初に習得する★1スキルを確認しておきたかったのだ。

 そして出てきたスキル名に、ライトは途端に渋い顔になる。


「ンーーー、『フラム・バル』か……これ、要はファイヤーボール的な初級火魔法だったよな?」

「ディソレトホークに火魔法使ったら、丸焦げ確実になるからやめとこう……斬爪以外の素材もとっときたいし」

「……うん、やっぱ【手裏剣】一択だな!」


 ライトが渋い顔をしていたのは、【魔術師】の★1スキルが火属性魔法だからだった。

 鷹型魔物のディソレトホークからは、ライトの目当ての『荒原鷹の斬爪』だけでなく『荒原鷹の風切羽』や『荒原鷹の嘴』などの他の強化用素材も採取できる。

 もちろん羽根や嘴以外にも、肉や皮、脚、眼球なども使えるはずだ。

 そうした他の有用な素材も全て入手したいなら、火魔法で倒すのは厳禁。悪手以外の何物でもない。

 そう、いくらライトが新しいスキルを使ってみようと思っても、結局は使い勝手抜群の【手裏剣】を用いることになるのである。


 スキルの入れ替えを諦めたライト。まずはミーナやルディが既に倒した魔物の回収を始める。

 目当てのディソレトホーク以外にも、イモムシ型のロックワームや樹木型のストーンツリーなどがゴロゴロと転がっている。

 ライト達の目当てがディソレトホークだからといって、容赦なく襲いかかってくる魔物を取捨選択する程の余裕はない。来る者拒まず、で向かってきた魔物は全部倒す。

 そうして死屍累々と積み重なる魔物達の死骸を、ライトがアイテムリュックに収納していく。


 ちなみにミーナやルディはライトの使い魔なので、戦闘時の攻撃や魔法の行使にSPを消費することはない。

 これは、使い魔はライト達ユーザーと全く違う存在だからである。

 ただしHPやMPは消耗していくので、時折ライトが各種回復剤を与えて回復させてやる必要はある。


「ミーナ、ルディ、疲れてきたら回復剤をあげるからぼくのところに来て!」

『『分かりました!』』


 ライトの檄に、ミーナもルディも元気良く応える。

 ライトに言われたように、時折ライトのもとに戻ってはエクスポーションやアークエーテルを飲んで回復するミーナ達。

 その中に混じり、ライトも回収の合間に時々【手裏剣】を繰り出しては魔物を仕留めていった。



 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 ライト達が北レンドルー地方で魔物狩りをし始めてから、小一時間くらい経過しただろうか。

 ミーナとルディの協力を得て、ライトはたくさんの魔物を仕留めては回収を続けることができた。

 ぼちぼち一旦帰るかなー。もうそろそろヴァレリアさんも、昼寝から目が覚めて起きているかもしれないし……と考えたライト。

 その前にふとあることを思い立ち、ここら辺一帯で一際大きい岩の近くに移動した。


 そして素早くマイページを出し、先日習得した特殊スキル『マッピング』を開いた。

 行き先を指定する欄十個のうち、まだ空欄の箇所を一ヶ所指でタップしてポイント登録を開始する。


「えーと、ここの名前は『北レンドルー/地点A』にしよう。……登録OK!」


 ライトが今立っている大きな岩の陰、ここをマッピングの移動地点として登録した。

 こうしておけば、ライトはこの先いつでもこの場所に来れる。

 今日狩ったディソレトホークも、小一時間程度では必要数の七百五十体には到底及ばない。

 ライトはこれから暇を見ては、休日や帰宅後の日のあるうちに少しづつでも狩りをこなしていくつもりなのだ。


 ライトがマッピングの移動地点登録をしている間、ミーナとルディもライトの傍に来ていた。まだ襲いかかってくる何匹かの魔物を返り討ちにしては、ライトの身を守っている。

 ようやく準備が整ったライトが、ルディの身体に触れながら話しかけた。


「ミーナ、ルディ、そろそろ転職神殿に帰ろうか」

『『はい!』』

「ぼくのマッピングスキルで帰るから、ミーナはルディの背中に乗って」

『分かりました!』


 ライトの指示に従い、ミーナがすぐにルディの背に乗り込む。

 左手でルディの身体に触れつつ、ライトはマッピングのホログラムパネルを操作する。

 行き先選択の一つ『転職神殿/地点A』を人差し指でタップすると、ライト達の身体は瞬時にその場から消えた。

 そして次の瞬間には、転職神殿に移動し終えていた。

 前話からの続き、ライト達の散策風景です。

 散策と言いつつ、その実態は素材採取とマッピングの移動地点登録に終始してしまいました。

 ヴァレリアさんも、まだミーアの膝でスヤッスヤにおねんねしてるのかも…( ̄ω ̄)…


 でもまぁね、ここでマッピングの地点登録をしておけばね、ライトも今までのように他者に移動を頼り委ねることなく自分で狩りに行けますからね!(・∀・)

 そもそも特定の魔物を七百五十体狩るとか、考えただけでウヘァ……になる物量ですよ('∀`)

 それだけでなく、各種回復剤の生成やら濃縮作業等々、ライトにはやらなきゃならないことが本ッ当ーーーに山積み。そのための下準備もコツコツと進めていかなければならないのです。


 そして途中、新たな職業【魔術師】の★1スキルが出てきましたが。

 ハイファンタジーの王道中の王道『ファイヤーボール』!!……ええ、あまりにもド王道過ぎて、拙作如きに使うのもおこがましくて憚られる……ッ!><

 なので、頑張って捻り出したのが、フランス語の炎を意味する『フラム』とオランダ語の球を意味する『バル』をくっつける!というもの。

 語源がごちゃまぜちゃんぽん状態ですが、昨日の職業チャートに続きスキル一覧表もいつか作って『フラム・バル』を収容したいなー、なんて思ってます( ´ω` )

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