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マイナーゲーム世界で人生を切り拓く〜気がつけばそこは、誰も知らないドマイナーソシャゲの世界でした〜  作者: 潟湖
様々な出会い

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第88話 級友と市場にお出かけ

 ライトの学園生活は順調に過ぎていき、明日は初の休日となる前日の夜のこと。

 晩御飯を済ませ、お風呂から上がってきたライトにレオニスは声をかけた。


「ライト、明日は友達との約束で出かける日だろ? 防犯アイテム作っておいたぞー」

「本当? レオ兄ちゃん、ありがとう」

「とりあえず一通り説明しとくから、こっちに来てくれ」

「はーい」


 洗髪で濡れた頭をワシャワシャとタオルで拭きながら、レオニスのいる居間に向かうライト。

 いつものように、レオニスに温風の風魔法で髪の毛を乾かしてもらいながら、防犯アイテムの説明を聞く。


「あんまりゴテゴテつけてライトが恥をかいてもいけんからな、とりあえずはイヤーカフ6つに腕輪ひとつ、鞄につけるモチーフ3つにしといたぞ」

「えっ、そんなにたくさん作ったの?」

「たくさんてほどでもないぞ?耳なら左右三つづつだし、髪の毛で隠れやすいから身につけるにももってこいだしな」


 まぁ確かに、レオニスの言う通りだ。

 初等部1年生に通う子供が指輪だのネックレスだの、アクセサリー類をこれでもか!とゴテゴテと着けまくる方が悪目立ちして恥ずかしい。

 お貴族様ならそれも普通にありなんだろうが、平民でド庶民で一般ピーポーのライトには分不相応というものだ。


「それらには、どんな防御魔法が施してあるの?」

「イヤーカフの方は地水火風と雷の吸収防御に麻痺毒無効、腕輪は物理無効、モチーフには呪詛反射とドレイン無効に、俺に通じる緊急連絡ボタンな」

「これまた山盛りだねぇ……」


 うへー、学園の制服ほどじゃないがなかなかの防衛っぷりだ。

 でも、これなら8歳児の俺でも街中程度なら一人でも安心して出歩けそうだ。もっとも、街中を歩く程度でこんな防衛機能を発揮するような場面や事件には遭遇したくないが……とライトは内心思う。


「あと、これはお前のお出かけ用の鞄な。腰に着けるタイプで、両手が使えて便利だから冒険者でも使ってる奴が多いんだ」

「メイ達の店で買ってきたやつだから、使いやすさや頑丈さは冒険者の折り紙つきだぞ」


 そう言って、レオニスは机の上の新品の鞄を指差す。

 いわゆるウエストポーチというタイプで、確かにこれならライトが身につけてもいろいろと便利そうだ。

 しかし、アイギス製の品となると、それなりにお高い品なのだろうな。

 そのウエストポーチの横には、巾着型の小袋がある。


「横のは財布な。お前用の財布ってないだろ?これからはお出かけとかでも使うようになるから、これも買っといた」

「ちなみにこの袋には、位置追跡魔法をかけてあるからな。もしなくしたり落としたりしたら、追跡できるようになってる。スリや泥棒に盗られて、袋だけ捨てられたらどうにもならんが、一応つけといた」

「中には小遣いとして1000G入れといたから、明日何か買いたいものがあったらそれで買ってきな」


 そういえば、この世界に来てから今まで自分の財布って持ってなかったな。

 まぁ、今までずっとカタポレンの森にいて、財布を使うような場面も皆無だっただけだけど。

 しかも位置追跡魔法だとぅ、GPS性能付きってことか!絶対に盗まれないように気をつけよう。

 そして、お小遣いをおねだりする前から1000G=約1万円入れておいてくれるとは、レオ兄はどこまでも出来る漢の中の漢だ!


「レオ兄ちゃん、ありがとう!」

「おう、お前も明日は友達とたくさん遊んで楽しんできな」

「ごめんね、本当なら復元した本の内容確認とか休日にしなきゃいけないところなのに」

「そんなこと気にすんな。今すぐ解析しなきゃならんほど急務でもないし、俺ももうちょいゆっくり休みたいところだしな」


 ちょうどライトの髪の毛も乾かし終えたところなのか、レオニスはライトの頭をくしゃくしゃと両手で優しく撫でた。


「ありがとう。レオ兄ちゃんももう少し休養しとかないとね」

「ああ。それに、こないだのあれで手持ちの魔石半分も消費しちまったからな、補充のために魔石作るための魔法陣をもうちょい増やそうかと思っててな。その候補地探しも兼ねて、のんびり巡回してくるわ」

「うん、分かった、レオ兄ちゃんも気をつけてお出かけしてね」

「おう、ありがとうよ」


 そんな会話を交わしながら、夜は更けていった。



 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 翌日、ライトは待ち合わせ場所のラグーン学園平民門に時間より少し早めに到着した。

 今日はライトの他に同級生三人が来る予定だ。早めに到着したせいか、まだ誰も来ていなかった。

 ライトは普段は屋敷から近い貴族門から学園に入るため、反対側にある平民門は利用したことがない。ちょうど良い機会なので、皆を待つ間にじっくり観察してみることにした。


 全体的な大きさや幅は、貴族門の方が大きいと感じる。これは貴族の子息が馬車で通うことへの配慮かも。

 細かいディテールや掲げられた校章は、ほぼ同じだ。

 そんな観察をしていると、次第に同級生が集まってきた。


「ライト君、もう来てたんだ。早いねぇ!」

「ごめーん、待たせちゃった?」

「ううん、大丈夫だよ、気にしないで」


 ライトの次に来たのは、イヴリンとジョゼ・リールだ。

 イヴリンは栗色の癖毛に赤錆色の瞳、薄い雀斑が特徴の元気溌剌な女の子である。

 ジョゼ・リールは、金糸雀色の髪に萌葱色の瞳を持つ男の子だ。姓持ちであることからも分かる通り貴族で、リール家は子爵でありジョゼはその嫡男だという。

 とはいえ、ここまでイヴリンとともに仲良く歩いてきたところを見ると、どちらかといえば庶民に近しい貴族なのだろう。


 三人で話をしながら最後の一人を待っていると、平民門の前に一台の馬車が止まった。

 その作りはなかなかに豪奢で、それなりに高位の貴族が乗る馬車だというのはライトにも分かるくらいだ。

 そんな豪奢な馬車が、何でまたここに?と三人が不思議そうに眺めていると、馬車から人が二人降りてきた。


「皆様、お待たせしてしまってごめんなさい!」


 最初に降りてきた少年にエスコートされながら、馬車を降りてきたのは今日出かける約束をした同級生の最後の一人、ハリエット・ウォーベックだった。

 勿忘草色の長い髪に藤色の瞳の彼女は、待ち合わせ場所に既に来ていた三人に向かって申し訳なさそうに話し始める。


「今日は同級生の皆様と、市場やお店にお出かけするって話をしたら、お兄様もついてくると言って聞かなくて……」

「当然だろう。子供達だけで護衛もつけずに市場に出かけるなんて、危なくて仕方ないじゃないか!」

「お兄様、そんな危ないところや裏道とか行ったりしませんから、大丈夫ですって」

「何を言うんだ、ハティ。お前にもしものことがあったら、僕はもちろんお父様やお母様も生きていけないじゃないか!」


 おおぅ、こりゃまた相当なシスコンお兄ちゃんのようですな。

 ライトを含む同級生三人は、生温かい目で兄妹のやり取りを見守っていた。

 すると、ハリエットの兄は三人に向かって話し始めた。


「やぁ、君達。ハティと同じ組の同級生だそうだね。こんなに愛らしい天使のようなハティと同じ組に入れたなんて、君達は何と幸運なんだ!」

「お兄様!」

「おお、すまない。僕はハティの兄、ウィルフレッド・ウォーベックだ。ウォーベック伯爵家の跡取りでもある。今日はハティの護衛のついでに、君達の護衛もしてあげるよ」


 ハリエットと同じ勿忘草色の髪に藤色の瞳の兄は、妹に叱られながら自己紹介をした。背丈や話し方からすると、中等部高学年といったところか。

 そういえば先日の食堂で、ライトを迎えに来た生徒会会長の友達の兄がいるって言ってたのは、このハリエットだったなー……と、ライトを除く二人は思い出していた。


 それにしても、妹のついでに他の子も護衛してやるとは、何とも上から目線な物言いだ。

 とはいえ、実妹を天使扱いしたり如何にもハリエットを溺愛している様子を見ると、本当に妹の身を案じてついてきたのだろう。

 それに、平民だからと問答無用で無遠慮に蔑むような言動でもなかったため、ライトはさほど気にもならなかった。


「さ、じゃあ早速市場行こうか!」

「ハリエットちゃん、この馬車どうすんの?そのまま返す?」

「良ければ君達全員乗せて市場に向かってもいいぞ?市場の入口までなら馬車で乗りつけても問題なかろう」

「そうですね。子供達だけなら五人乗っても大丈夫でしょうし」

「ハリエットさん、いいの?」

「ええ、皆様をお待たせしてしまったお詫びといっては何ですが、よろしければ是非」

「なぁに、ハティを長々と歩かせ続ける訳にはいかないしな。ハティの安全のためだ!」

「「「「………………」」」」


 何とまぁ、見事なまでにシスコン丸出し全開な理由である。

 ウィルフレッド以外の全員が呆れ顔であるが、それでもいち早くライトは気を取り直し、努めて明るく振る舞いながら話を進める。


「……じゃ、じゃあ、ここはハリエットさんのお兄さんのお言葉に甘えちゃおっか!」

「うん!ハリエットちゃん、お兄さん、ありがとう!」

「どういたしまして!君達もハティの大事な友達だからな!」

「皆様、こんな兄様で本当にすみません……」


 ウィルフレッドとハリエットの提案により、ウォーベック家の馬車に乗って市場に行くことになった。

 ウィルフレッドの口から語られるその理由は大概だが、高位貴族の馬車に乗ることなんて滅多に経験できないことなので、結局はハリエット以外の皆はとても喜んでいる。


 他の高位貴族なら、平民が我が家の馬車に乗るなんて言語道断!とか怒り狂いそうなものだが。そんなこともなく、喩えそれが実妹主体の理由であろうとも、そのついでに友達もまとめていっしょに乗せてやると自ら提案するあたり、やはりウィルフレッドも根は善良な性格らしい。


 重度のシスコンを除けば、将来は立派な貴族になれることだろう。その対象たるハリエットの行く先だけは、若干気の毒に思うライトであった。

 ライトの同級生として、新登場キャラが4人も出てきました!

 うひょー、新しいキャラ登場させるのって、すんげー久しぶりくね?いつ以来だ?と思いつつ、過去の投稿をサルベージしたところ……第76話で、担任のフレデリクが初登場してました。

 なーんだ、2週間前とかそこまで久しぶりくないじゃん……とか思ってしまいました……

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