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マイナーゲーム世界で人生を切り拓く〜気がつけばそこは、誰も知らないドマイナーソシャゲの世界でした〜  作者: 潟湖
新しい生活

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第817話 お祝いを兼ねた昼食会

 二日間のお休みをいただき、ありがとうございました。

 予定通り、本日から連載再開いたします。

 講堂での二学期の始業式が無事終わり、子供達は各教室に戻っていく。

 ライト達も教室に戻り、夏休みの宿題の提出等をしていた。


「まずは観察日記を集めまーす。一番後ろの席の子は、前の席の子達の観察日記を集めて先生のところに持ってきてくださいねー」


 担任のフレデリクの指示に従い、子供達は夏休みの宿題を集めてフレデリクのいる教壇にまとめて持っていく。

 そうして観察日記、読書感想文、計算ドリルの順に集める。

 子供達が二番目の読書感想文を集めている間に、フレデリクは先に集めた観察日記の部数をざっと数えて、鞄に入れる等の作業をしていた。


 その途中で、ライトが出した『デッドリーソーンローズの観察日記』というタイトルを見て「???」という顔をしていた。

 読書感想文の部数チェックの時にも、ライトの『冒険者の手引き~一流冒険者に至るための基礎知識とコツ~を読んで』というタイトルにも「?????」になるフレデリク。

 どちらも初等部二年生が書き上げるような代物ではないのだが、後日それらを巡って理事長含む全職員会議室で喧々諤々の熱い議論が交わされたのは、また別のお話である。


 そうして新学期初日にすべきことをこなし、フレデリクが締めの挨拶をする。


「皆さん、楽しい夏休みが過ごせたようですね。二学期はラグーン学園祭や秋の大運動会もありますし、明日からの授業も頑張っていきましょう!」

「「「はーい!」」」

「では、解散します。起立、礼!」

「「「さよーならー!」」」


 フレデリクの号令に、元気良く応えるA組の子供達。

 二学期初日が終わり、皆教室からぞろぞろと出ていく。

 ライトもハリエットやイヴリン達に急いで声をかけた。


「あ、皆、ちょっと待って!夏休みに出かけた先でお土産買ってきたから、今ここで渡すね!」

「え!ライト君、リリィにお土産買ってきてくれたの!? いつもありがとー!」

「あ、私もエンデアンのお土産あるよ!」

「僕もキャンプ先で綺麗な石をたくさん拾ってきたんだ」

「私もプロステスで皆さんへのお土産を買ってきましたの」


 ライトのお土産という言葉に、真っ先に反応したリリィが大喜びでライトを見つめる。

 そしてイヴリンやハリエット、キャンプ三昧だったジョゼまでもがそれぞれ土産があるという。

 それを聞いたリリィ突如、ピコーン☆という顔になる。何やら良いことを閃き思いついたようだ。


「あ、ねぇねぇ、そういえばさー、ライト君がラグーン学園に転校してきてからちょうど一年になるよね?」

「あー、そうだねー。ぼくがラグーン学園に転校したのは、一年生の二学期の時だったからねー」

「だからさ、そのお祝いに今日のお昼は皆うちに来てご飯食べない? そうすれば、お土産の交換もゆっくりできるし!」


 リリィが閃いた良いこと、それは『皆で向日葵亭(うち)に集まって、いっしょにご飯食べればいいじゃーん☆』であった。

 確かにここで帰り際に土産を渡して終わるよりも、皆でご飯を食べながら渡し合いすればもっと楽しそうではある。

 お土産を買った経緯やそれを選んだ理由などもゆっくり話せて、皆で盛り上がれること間違いなしである。


 しかし、問題は向日葵亭が人気の食堂でもあることだ。

 平日とはいえ、昼食の時間帯はかなり混雑することが容易に想像できる。

 それを心配したイヴリンが、リリィに問うた。


「リリィちゃんちで? もちろんいいけど、お昼のご飯の時間はものすごく忙しくて混むんじゃない?」

「うん。だから皆一度おうちに帰って、着替えてから一時にうちに集合ね!一時を過ぎれば、お客さんも少し減って楽になるから!」

「ご飯のお金は持っていった方がいいよね?」

「ンー、ホントは奢ってあげられるといいんだけど……それはリリィ一人では決められないから、おうちに帰ってパパとママに相談するね!」

「分かったわ、じゃあお金はちゃんと持っていくね」


 リリィとイヴリンの間で、向日葵亭で昼ご飯を食べる話がとんとん拍子に進んでいく。

 もちろんライト達に否やはない。同級生達と食べる、学食ではない昼ご飯。それはきっと、いつにも増して楽しいひと時になるに違いないのだから。


「じゃ、皆、一時にうちに来てね!……あ、お土産も忘れずに持ってきてね!」

「もちろんよ!皆、また後でねー!」

「うん、またねー!」


 午後一時に向日葵亭に集まる約束を交わしたライト達は、それぞれ帰路についた。



 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 そして、約束の午後一時の十分前に向日葵亭に到着したライト。

 向日葵亭の中に入ると、まだそこそこ客がいて混雑している。

 すると、お手伝い中のリリィがライトに気づき、元気良く声をかけた。


「あッ、ライト君、いらっしゃい!」

「リリィちゃん、ごめんね、来るのがちょっと早過ぎたかな?」

「ううん、大丈夫!皆で座るテーブル席を一つとっといてもらったから、あのテーブルに着いて待ってて!」

「分かったー。リリィちゃんはまだしばらくお手伝いするの?」

「うん、一時に上がっていいって話になってるから、時間になったらすぐにあのテーブルに行くからね!」

「うん、待ってるね!」


 リリィの案内に従い、彼女が指し示した方向のテーブルに向かうライト。

 そこは厨房の出入口から最も近いテーブル席で、六人座りのテーブルだ。今から皆が来れば五人での食事になるので、席数としてもちょうどいいテーブル席である。

 そして椅子の方も、ちゃんと子供用のものが用意されている。これはきっと、リリィから話を聞いた両親がわざわざ用意してくれたのだろう。

 しかも厨房に最も近い席ということで、リリィの両親達も子供達の様子を見守りながら仕事ができる。リリィの両親の親心が感じられる配慮である。


 さて、今日は何を食べようかなー、とライトが壁のメニューを見ていると、ハリエットがお店の中に入ってきた。

 ハリエットもライトと同じく、リリィに案内されて予約テーブル?に到着した。


「ライトさん、こんにちは」

「ハリエットさん、さっきぶり!今日は一人で来たの?」

「ええ。お兄様も午後からお友達との約束があるとのことで、今日はくっついて来ておりませんの」

「そうなんだ、珍しいね!」

「はい、珍しいことではありますが、お兄様にもちゃんとお友達がいるようで安堵いたしましたわ」


 珍しく一人で現れたハリエットにライトが問うも、彼女はうふふ、と笑いながら今日は本当に一人で来たという。 

 いつもなら、妹が出かける先には必ず兄のウィルフレッドがついてきていたのだが。一応彼にもプライベートで遊ぶ友達はいるらしい。

 するとそこに、イヴリンとジョゼが揃って店に入ってきた。


「あ、ハリエットちゃんだけじゃなくてライト君ももう来てたのねー」

「入口横にハリエットさんちの馬車があって、通り過ぎる人が皆びっくりしていたよ」

「あらまぁ、お恥ずかしい……」


 ジョゼの話を聞いて、頬を赤らめるハリエット。

 ここは極々普通の平民御用達の店なので、ハリエットが乗るような豪華な馬車が停まることなど滅多にないのだ。

 そう、シスコンな兄のウィルフレッドはくっついてきていなくても、ハリエットの乗り物は馬車がデフォ。そして御者兼護衛も、きちんとガッツリついてきているのである。


 そんな話をしながら、イヴリンとジョゼも席に着く。

 すると、早速リリィが注文を取りに来た。


「皆、揃ったわね!さぁ、ご注文をどうぞ!あと三分で一時になるから、この注文をママに伝えたら私もここに来るね!」

「そっか、もうちょっとだけ頑張ってね!私はハンバーグ!」

「僕はチャーハンにしようかなー」

「では私はオムレツでお願いします」

「えーと、えーと……ぼくは……天ぷら定食!」

「はーい!少々お待ちくださいねー!」


 皆思い思いに注文し、リリィが手際よく注文を受けて奥の厨房に戻っていく。

 きちんとメモに取って注文を取る姿は、何気に様になっている。さすがは向日葵亭の跡取りにして看板娘である。

 そして、注文の品が来る前にリリィが戻ってきて、皆のいるテーブルの席に着いた。リリィももう仕事上がりを許されたようだ。


「皆、お待たせー!」

「リリィちゃん、お仕事お疲れさま!」

「リリィちゃん、おかえりなさい」

「おうちのお手伝い大変だねー」

「人気宿屋の看板娘模はツラいねぇ」


 リリィの合流を皆で温かく迎える。

 リリィもお手伝いという仕事から解放されて、とても嬉しそうだ。


「もうすぐ皆の注文したご飯が届くから、お土産の交換はご飯が食べ終わってからにしようね!」

「そうねー。お客さんも今より少なくなれば、私達がゆっくりしててもお邪魔にならないわよねー」

「リリィちゃんは、何を注文したんですか?」

「私はねー、ざるそば!」


 主に女の子達が楽しそうに話をしていると、リリィの母親である女将が皆の食事を持ってきた。


「はーい、皆お待たせー!チャーハンは誰ー?」

「僕でーす」

「オムレツはー?」

「はい、私です」


 そんな感じで、女将が次々と注文の品を持ってきてはテーブルに並べていく。

 そして、皆の食事を届け終えた女将が、子供達に向かって改めて尋ねた。


「皆、食後の飲み物は何がいい?」

「え? 食後の飲み物、ですか?」

「そうよ。うちのリリィから、今日はライト君の転校一年のお祝いの会だって聞いてるわ。だから、食後の飲み物はおばさんからの奢りよ」

「いいんですか!?」

「もちろん!皆はリリィのお友達ですもの!」


 食後の飲み物を奢るという女将に、最初は戸惑っていたライト達もパァッ!と顔が明るくなる。


「じゃあ、私は薄黄色!」

「僕は赤!」

「リリィは水色!」

「私は紫でお願いします」

「ぼ、ぼくは、橙でお願いします!」


 皆それぞれに好みの飲み物を選ぶ。

 呼び方が省略されてはいるが、もちろんそれらは全部ぬるぬるドリンクである。

 嬉しそうな子供達の笑顔に、女将の顔もつられて綻ぶ。


「そしたらリリィ、皆の食事が食べ終わったら、あなたがお皿を下ろしてね?」

「うん!それくらいは私がするわ!」

「もちろん皆のドリンクもリリィに持っていってもらうわよ?」

「任せてー!」


 母娘の微笑ましい会話に、ライト達も思わずほっこりする。


「さぁさぁ、温かいものが冷めないうちに食べてね!」

「「「「はーい!」」」」


 女将の掛け声に、ライト達も元気な返事をしながらハンバーグやオムレツを食べ始める。

 こうして向日葵亭での和やかな昼食会?ライトの『ラグーン学園転校一周年祝い』が始まっていった。

 ライトの二学期初日の風景です。

 作者も大昔には、こんな風景を毎年繰り返していましたねぇ( ´ω` )

 でも、宿題をやりきれていなくて、いくつか後日提出なんてこともザラにあり、始業式の初日に全部提出できたことなんてほとんどないんですけど(´^ω^`)


 いつもなら、普通にそのまま次のフェーズに移るところですが。

 ここでイヴリンとリリィが作者の脳内に突如降臨して「ライト君がラグーン学園に入学して一年経ったお祝いの会をする!」と訴えてきたので、急遽皆でお昼ご飯を皆で食べることに。

 リリィのおうちが人気の定食屋もしてて良かったー♪(^ω^)


 そう、ライトがラグーン学園に中途入学したのが秋の二学期のことだったので、それから丸一年が経つんですよねぇ。

 入学初日が第72話でのことですので、そこから745話が経過しましたか。……って、リアルの方は丸二年超えてるじゃん><

 くッそー、ライトやレオニスは一歳しか歳取ってないのに、作者は二歳もBBA化が進んじゃったじゃないかー!(ノ`д)ノ===┻━┻


 でもいいの。ライトもレオニスも、そしてラウルやマキシも、一年の間に大きく成長しているから。

 我が子達の成長は、生みの親たる作者にとっても嬉しいことなのです( ´ω` )

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