第547話 レオニスの特訓
二日間のお休みをいただき、ありがとうございました。
予定通り、本日から連載再開します。
これからも拙作をご愛読いただけるよう、よろしくお願いいたします。
ムニンの案内で鍛錬場に到着したライト達一行。
そこにはフギンの命令のもと、里の衛兵達全羽が集められていた。
八咫烏の里の警備は北と北西と北東、南と南西と南東の六方向体制で運営されており、その六ヶ所に五羽づつ、計三十羽の一般衛兵が配備されている。
その三十羽の衛兵がズラリと並ぶ図は、なかなかに圧巻である。
「フギン兄様、レオニス殿とライト殿をお連れしました」
「ご苦労。ではレオニス殿、早速だが鍛錬のご指導をお願いしたい」
フギンとムニンがレオニスに向かって頭を垂れる。
だが、一部を除きほとんどの衛兵達はどことなく不満そうな表情を浮かべている。
それは、運悪くレオニス達と遭遇した南西部隊以外の五ヶ所の警備部隊の者達である。
レオニスとラウルの威圧で卒倒してしまった南西部隊の者達は、既にレオニスの実力を知っているので不満を抱くどころではない。その身を以て力の差を思い知らされただけに、恭順するしかない。
そしてフギンとムニンも、南西部隊の惨状をその報告により知っているので素直にレオニスに教えを請う。
だが、それ以外の者達はまだ知らないのだ。自分達の目の前にいるのが、ただの人族ではないことを。
「あー、その前にまずはこの里の警備状況が知りたい。普段はどうしてる? 外敵との接触頻度はどの程度ある? 敵対している部族や種族とかはいるのか?」
「今現在、我等と明確に敵対している種族はおりません。また普段も外敵との接触はほとんどありません。この近辺に住むほぼ全ての生物は、大神樹ユグドラシア様への畏怖の念を抱いておりますので」
「ふむ……じゃあ外敵と呼べるような者と接触するのも滅多にない、ということか?」
「そうですね……たまに道に迷ったと思しき赤闘鉤爪熊が侵入してきたり、はぐれ者の翼竜などが物珍しさで大神樹様に近づくことがある程度です。それとて年に一回か二回の頻度ではありますが」
レオニスの幾つかの質問に、フギンが代表して答える。
フギンの回答によると、この里には日頃から警戒しなければならないような外敵は特にいないようだ。
「はぐれ者の翼竜はともかく、赤闘鉤爪熊はこの付近では最強の部類の魔物のはずだが。それと遭遇した場合には、どうやって対処している?」
「赤闘鉤爪熊は魔法を使いませんので、奴らの頭上の高いところから各種魔法を用いて撃退しております」
「ああ、まぁそうだな。直接対峙するよりはその方がよほど理に適っているわな」
レオニスとフギンが質疑応答している最中、後ろの方でクスクスと笑っている者達がいる。
「あれが最強の部類、だって?」「魔法も使えぬ脳筋の塊がか?」「これだから、地を這いずり回るしか能のない者は浅慮なのだ」「下賤な熊如き、我等の敵ではない」等々囁きながらレオニスを嘲笑い、己が力を誇示し豪語する衛兵達。
八咫烏という高位の神格を持つ者達の、如何にも抱きそうなエリート意識の塊といった感じの感想である。
「ほう。俺も地を這いずり回るしか能のない人族だが。一応魔法は使えるし、何なら空も飛べるぞ? 飛べると言ってもせいぜい一時間程度だがな」
居並ぶ八咫烏達の後方に向かって、ギロリとした視線を放ちながら言い放つレオニス。
八咫烏達とて聞こえよがしに言っているのではないが、レオニスの聴力を侮ってはいけない。フギンには届かない程度の八咫烏達の超小声も、レオニスの地獄耳はバッチリと捉えてしまうのだ。
「レ、レオニス殿は人族でありながら、魔法も使えて空も飛べるのですか!?」
「人族を舐めてもらっては困る。今の時代、大抵の人間は一つ二つ魔法が使えて当たり前だし、研鑽を積めば空中飛行だって可能になる」
「そ、それは知りませんでした……やはり我等の認識は相当古いのですね。これからはもっともっと改めていかねば」
レオニスの言葉に、フギンもムニンもただただ愕然とする。
彼らの中では、人族とは大した魔法も使えずカタポレンの森の魔力にもろくに堪えられない、実に瑣末な存在でしかなかった。
実際ほとんどの人間は魔の森カタポレンに長時間滞在できないので、その認識は然程間違ってはない。
むしろレオニスを人族の基準として考え捉える方が、とんでもない大間違いというか大問題なのだが。
だが、他の衛兵達は半信半疑の眼差しでレオニスを見る。
当の人族にそう言われて、ハイソウデスカ、とすぐに納得できるものでもないようだ。
フギンやムニンは、レオニスが大神樹ユグドラシアに認められた人間だということを目の当たりにして知っている。
もちろんここにいる衛兵達も、レオニス達が鍛錬場に来る前にフギンからそうした旨を説明されて、話に聞くだけは聞いていた。相手は客人だから粗相のないように、とも言い含められている。
しかし『百聞は一見に如かず』という諺があるように、他者から話を聞いただけではすぐに信じられない者の方が圧倒的に多いのだ。
「まぁ信じたくない奴は信じなくていい。実際に己の目で見ないことには、納得しないのもできないのも分からんでもないしな。……という訳で。お前ら、今から全員で俺に攻撃してきていいぞ」
「え!? 如何にレオニス殿と言えど、それは無謀というものでは……」
「あー、何なら俺からは一切の攻撃はしないことにしよう。お前らは魔法でも何でも使っていいぞ。俺もお前らの実力がどの程度のものなのか見ておきたいからな、好きなようにかかってこい」
「「「…………」」」
レオニスの何とも不遜な物言いに、八咫烏達が一斉にレオニスを睨みつける。そしてそれは衛兵だけではなく、フギンやムニンも含まれていた。
「言わせておけば、人間風情が……」
「フギン様、この者は大神樹様の客人と聞いておりますが……自らこう言うのであれば、手加減は一切いたしませんぞ?」
「ああ、構わん。我等の意地と力をレオニス殿にお見せする良い機会だ」
「胸を借りるつもりで、決して油断することなく全力で挑みなさい」
総勢三十二羽の八咫烏に囲まれるレオニス。
ライトは少し離れた場所に移動し、事の行く末を見守ることにする。
「皆の者、かかれ!」
「その傲慢な鼻、へし折ってくれる!」
「鼻っ柱だけでなく、腕や足の一本二本も折ってくれようぞ!」
「後から泣き言をほざくなよ!」
「「「うおおおおッ!」」」
フギンの掛け声をきっかけに、八咫烏達がレオニス目がけて一斉に襲いかかっていった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆
八咫烏達の攻撃が始まってから、どれくらい時間が経っただろうか。三分、五分、いや、十分くらいは経過したか。
その間八咫烏達の攻撃は絶え間なく続いたが、レオニスは微動だにすることなく涼しい顔でずっと同じ位置に立っている。
その一方で、八咫烏達は既に全員息切れ状態である。
「な、何故奴は倒れんのだ……」
「我等の魔法が通用しないなど……あり得ん」
「あれは本当に人族か? 人の皮を被った魔族か何かではないのか?」
ゼェハァと息を切らしながら、驚愕を隠せない八咫烏達。
なかなかに酷い言われようだなぁ、とライトは思いつつ、その一方で八咫烏達の気持ちも分からなくはない。
高い位置から繰り出す風魔法に水魔法、雷魔法、中には高等な氷魔法や八咫烏は本来苦手であろう土魔法を出してくる者までいた。
さすが魔力が高いと言われる八咫烏族だけあって、繰り出す魔法の威力もそこそこあるようにライトの目には映る。
雷魔法はバリバリと大音響が響くし、水魔法もかなりの勢いで水流が出ているように見える。氷魔法や土魔法で生み出した槍の穂先のようなものを、得意の風魔法に乗せて多数飛ばす攻撃は相当な威力があると思われる。
たまに来るというはぐれ者の翼竜も、おそらくはこの雷魔法を用いて撃退しているのだろう。
一羽二羽の雷魔法では通用せずとも、五羽十羽で多数でかかれば如何に翼竜とてただでは済まない。
数多の雷魔法を浴びて、這々の体で逃げ出すであろう。
だが、今回ばかりは何しろ相手が悪かった。
ライトの目には結構な威力に思える八咫烏達の攻撃も、レオニスには一切通用しなかったのである。
まるで足の裏に根が生えたかのように、一歩もその場を動かないまま雷や水を全て弾き返してしまうレオニス。
相手に魔法が一切通じないとなれば、八咫烏達に残された手段はもはや一つしかない。
「ええい、こうなったら肉弾戦だ!全員で突っ込め!」
「もはや引っかき傷程度で済むと思うなよ!」
「我が爪で目玉の一つや二つ抉り取ってくれるわ!」
「我等を愚弄したこと、あの世にて腹の底から後悔させてやる!」
八咫烏達の口から、かなり物騒な言葉が次々と飛び出してくる。
あ、これ割と本気で洒落なんないやつ?とライトが思った、その瞬間。
右手の人差し指で頬をポリポリと掻くレオニスが、ぽつりと一言だけ呟いた。
「あー。もうそろそろいいか?」
何十羽もの八咫烏達に取り囲まれ、まるで黒い繭となりかけたその時。グワッ!とレオニスの身体からものすごい威圧が放たれた。
レオニスが発する凄まじい闘気に、周りを取り囲みつつあった八咫烏達は一斉に勢いよく吹っ飛ばされる。
そして鍛錬場のあちこちに散らばるように落ちていった。
ちなみに闘気は攻撃魔法でも何でもない、本当にただの強めの威圧を発しただけである。
故にレオニスの最初の言葉『俺からは一切の攻撃はしない』という宣言にも何ら反してはいない。
猟銃か落雷で撃ち落とされたように、バサバサと地に落ちていく八咫烏。そこに追い打ちをかけるかのように、レオニスがさらに圧を強める。
その圧の凄まじさたるや、まるで重力魔法でもかけられたかのように八咫烏達の身体に重く伸しかかる。
「くッ……何という重き圧……」
「……全力を出さずしてこの力とは……」
衛兵達が一羽として動けない中で、フギンとムニンだけが何とか顔を上げて立ち上がろうと必死に抗う。
それでも顔を上げるだけで精一杯で、結局は二羽ともとても立ち上がれそうにない。
だが、他の衛兵達はとっくに気絶していることを考えれば、フギンとムニンの耐力は相当のものと言えよう。
何とか顔を上げるフギンとムニンの目には、ゆらりとしたオーラを全身にまとうレオニスが映る。
地に伏した八咫烏達を見下ろすその眼差しの、何と冷酷無比なことよ。その姿はまるで、世にも恐ろしき地獄からの使者が降臨したようにしか見えない。
「「……ぁ、ぁぁ……」」
圧倒的な強者のオーラをダイレクトに浴びた、フギンとムニン。
その恐ろしげな姿を目に焼き付けながら、二羽は同時に視界を失った。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「……ん……」
次にフギンが目を開けた時に映った景色は、真上で雲一つなく燦々と輝く青空であった。
まだ若干眩む頭を右の翼で抑えつつ、ゆっくりと首を左右に振るフギン。
その次に彼の目に映ったのは、風呂上がりの牛乳よろしく腰に手を当てながらアークエーテルをぐい飲みするレオニスだった。
アークエーテルをグビグビと飲み干し、ぷはーッ!という声を上げるレオニス。口の端から垂れかけたアークエーテルの雫を、グイッ、と手の甲で拭うその様は、本当に風呂上がりの直後の一杯のような爽快感に満ちている。
レオニスの横にはライトがおり、飲み干したアークエーテルの瓶を受け取った後すぐさまおかわりのアークエーテルを差し出していた。
二人の間では「はい、レオ兄ちゃん。キュアラ100連チャン、お疲れさまー」「おう、久々にキュアラ連チャン頑張ったぞー」などと軽い会話が交わされている。
呆気にとられながらレオニスを眺めていたフギンに、レオニスが気づいた。
「お、ようやく目が覚めたか? つっても、倒れてからまだ五分も経ってねぇがな」
「あ、フギンさん、大丈夫ですか!? エクスポーション一本飲んでおきます!? ……って、鳥類じゃエクスポがぶ飲みは無理か」
「そうだぞー。それはマキシの救助の時に学んだだろ?」
「うん。いつもならレオ兄ちゃんも、相手の口に無理矢理エクスポの瓶を十本突っ込むとこだよね」
「おう、それをしなかった今日の俺は偉いよな!」
フフン!とばかりに鼻高々のレオニス。そう、レオニスにだって学習能力はちゃんとあるのだ。
人外ブラザーズの嬉々とした軽いノリの会話に、それまでボーッとしたまま見ていたフギンもようやく事態を飲み込めてきた。
「……そうか……我等は手も足も出ぬまま、レオニス殿に負けたのですね」
「すまんな。俺からは攻撃しないとは言ったが、圧を出すだけなら攻撃でも何でもないからな」
「いいえ……我等が非力故に完敗を喫しただけのこと。どうかお気になさらず……」
そんな会話をしているうちにムニンが起き、他の八咫烏の衛兵達ものそのそと起き出した。
ムニン達も先程までのフギン同様、一体何が起きたのかまだ理解できていないようだ。
「レオニス殿、先程の会話で『キュアラ100連チャン、お疲れさま』とか聞こえてきましたが……もしやそれは、回復魔法を我等全員にかけてくださった、ということですか……?」
「ああ、あんた達兄妹含めて全員気絶しちまったからな。そのままここに放置しとく訳にもいかんし、かと言ってあんた達が自然に目を覚ますまで待つほど時間に余裕もない。という訳で、悪いが全員に回復魔法をかけてさっさと目を覚ましてもらうことにした」
「そうでしたか……ありがとうございます」
まだフラフラとして覚束ない脚で、フギンが何とか立ち上がり深々と頭を下げる。
「我等八咫烏一族は、その魔力の高さが最大の武器にして誇りでした。ですがそれは、大きな間違いであったと思い知らされました」
「世の中には、我等のはるか上をいく強者がいるということを―――私だけでなく、ここにいる皆が全員身を以て思い知ったことでしょう」
「我等の驕り高ぶった、傲慢で矮小な意識を完全に打ち壊してくださったこと……心より感謝申し上げる」
一族を代表して謝意を示すフギン。
完膚なきまでに叩きのめされたというのに、こうして相手に敬意を示せるフギンの高潔さに感じ入るライトとレオニス。
八咫烏の里の族長一族、そして嫡男であり次期族長の最有力候補なだけのことはある。
そんなフギンの姿を見たムニンや他の衛兵達も、無言のまま跪き頭を垂れる。
やはり『百聞は一見に如かず』である。
「これから厳しいことを言うが、あんた達のためだと思って怒らずによく聞いてくれ。あんた達八咫烏は、大神樹ユグドラシアを守っているんじゃない。ユグドラシアにあんた達が守られているだけのことだ」
「……!!」
「あんた達のこれまでの警備の様子と、今の出来事でそれがよく分かったと思うが」
「……レオニス殿の仰る通りです」
レオニスの言葉に、フギンが力無く項垂れる。
そんなフギンに、レオニスはさらなる追い打ちをかける。
「この周辺の生物は、大神樹に畏怖の念を持っていて不用意近づかない、そりゃ結構なことだ。だが、この世にはそんな敬意を持たん輩もいくらでもいる。例えば、百年以上前にこの里を襲い続けてきたスケルトン軍団とかな」
「「「!!!!!」」」
レオニスの言葉に、八咫烏達は全員顔を強張らせつつ息を呑む。
スケルトン軍団―――それはこの里に住む八咫烏達にとって正真正銘のトラウマものであり、忘れようにも忘れられない忌々しい怨敵である。
「スケルトン軍団の裏には、廃都の魔城の四帝という黒幕がいる。そしてその黒幕である四帝は、残念なことに未だに健在だ。奴等が健在である以上、百年前の襲撃が再び起きないという保証はどこにある?」
「「「…………」」」
「答えは一つ。そんなもんありゃしない。極端な話、明日また襲撃されたっておかしくはないんだ」
レオニスの語ることは全て正論であり、いつ起きてもおかしくない未来の話だ。
八咫烏達とてその事実に目を背けていた訳ではない。だが、心のどこかで『もう百年も経過したことだ』『再び襲って来る訳がない』と思っていたのも事実だ。
他種族から改めてその危険性を指摘されたことで、過去の惨劇が思い出されたのか八咫烏達全員の身体が震え出している。
「人間にも『喉元過ぎれば熱さを忘れる』って言葉があるがな。百年も経過すりゃ、当時の危機感も次第に薄れゆくのも仕方がないだろう」
「だがな。先日マキシは奴等の罠から抜け出して、ようやく本来の姿を取り戻した。奴等が再び魔力を簒奪するために、この里を襲ってくるかもしれない……そういう危機感は常に持つべきだし、そのための備えとして鍛錬は怠ってはならんと思うぞ」
レオニスの静かな語り口に、フギンとムニンが震えながら応える。
「レオニス殿のお言葉、そのどれもが身に沁みております。貴殿が示してくださった教訓を胸に刻み、これよりますます精進する所存です」
「私も、今日ほど我が身の不甲斐なさを痛感したことはございません。これからは貴殿の強さを目標とし、いつか必ず追いついてみせます」
「ん、そんな堅苦しく考えんでもいいさ。あんた達が俺に並んだ!と思った頃には、俺はヨボヨボのジジイになってる可能性だって普通にあるしな」
真剣に礼を述べる二羽に、レオニスは頬を掻きながら照れ臭そうに笑う。
八咫烏の寿命は人族よりはるかに長い。その長い寿命を活かして、いつかはレオニスと肩を並べるくらいに強くなれるだろう。
だが、その頃にはきっとレオニスはかなりの老齢になっているか、あるいはこの世にはもういないかもしれない。
それは寿命が違う者同士の、どう足掻いても避けられない宿命だった。
「さ、そろそろ俺達は向こうに戻るが……あんた達はどうする?」
「我等はしばらくここで鍛錬をしていきます!」
「そうか、頑張れよ」
レオニスの問いに、速攻で答えるフギン。
その答えに嫌そうな顔をする者など一羽もいない。
三十二羽の八咫烏達は、精鋭らしい精悍な顔つきを取り戻していた。
「ただ、自分の故郷は自分達で守る!という気概を持って日々励めば、火急の事態が起きた時にも対処できるさ。じゃ、また後でな」
「「ありがとうございます!」」
フギン達は翼を揃えてピシッ!とした姿勢で、レオニスに向かって頭を下げる。何だか体育会系部活の監督を見送る生徒のようだ。
レオニスは右手をひらひらと振りながら、ライトとともにユグドラシアのもとに戻っていった。
二日間のお休みを経て、華麗なる復帰を遂げる拙作!
昨日一昨日の穴埋め分を含めて、本日は拙作初の!7000字超えでお送りいたします!……嘘です、特訓風景を二回に分けたくなくてギュウギュウに詰め込んだまま強行しただけですぅ><
拙作は『非ザマァ』というタグをつけるくらいに、ほぼザマァ成分のない作品ですが。唯一無能成分が高めなのが、この八咫烏の里の族長一族以外の八咫烏なんですよねぇ。
そこには、長年自分達より下に見ていたマキシという存在があり、そのマキシが本来の力と姿を取り戻したからといって、彼らのプライドの高さからすぐには認められない、認めたくない、という背景があります。
そんな性根を叩き直すために、今回は特訓という形でのプチザマァ劇となりました。これを機に、マキシももっと里での待遇が良い方向に向くといいのですが。
ちなみに八咫烏達が使う魔法は、火魔法と闇魔法以外なら全般使えます。
火魔法は森の中で使うには不向きですし、八咫烏は神格の高い霊鳥なので闇属性は持っていないためです。
最も得意なのは風魔法ですが、不得意な土魔法も使える者がいるのはさすが八咫烏一族といったところですね。




