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マイナーゲーム世界で人生を切り拓く〜気がつけばそこは、誰も知らないドマイナーソシャゲの世界でした〜  作者: 潟湖
ラグーン学園三年生二学期

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第1661話 侵入者四人組の末路

 作者都合による三日間のお休みをいただき、ありがとうございました。

 予定通り、本日より連載再開いたします。

 炎の女王が害されたことに、フラムの怒りが大爆発した。

 フラムの声にならない大絶叫が、炎の洞窟最奥の間に木霊する。

 彼の炎を真っ先に食らったのは、フラムの一番近くにいた引き付け役のテッドだった。


「ッ!?!?!?」


 猛烈な勢いの炎に、テッドが驚愕する。

 だが、テッド含めて四人全員とも耐火耐熱の付与魔法をかけてある。

 バフの付与は魔術師であるカミラの担当で、一回につき有効時間が三十分という制限があるが、炎の洞窟の主達との戦闘に入ってから二回目をかけてもらったばかりだった。


 カミラがかける付与魔法はとても強力で、ちょっとやそっとのことではびくともしないし、これまで敵に破られたことなどただの一度もない。

 そのため、テッドはフラムの突然の変貌に驚きはしたものの、しばらく耐えてやり過ごせば何とかなるだろう、と高を括っていた。

 そしてそんなテッドが焦りを覚えるのに、そう時間はかからなかった。


 それまでフラムが吐く炎をテッドは適当にいなし、直撃しそうになると大盾で防いで完璧に凌いできた。

 炎の洞窟の守護神などと言っても、生誕して一年程度の雛鳥。所詮はこんなものか―――フラムと戦いながら、テッドは腹の中でそう嘲っていた。

 事は順調に進み、ジェイクとカミラが炎の女王を弱らせることに成功し、あともう少しで炎の女王を人質に取ることができる。

 テッドがそうほくそ笑んだのも束の間。怒りに我を忘れたフラムの豪火は、テッドの自慢の大盾をあっという間に溶かした。

 テッドが慌てて大盾を放り投げると、今度は彼の肌まで焦げ始めた。


「……ッ!!」


 カミラの防御魔法は絶対で、それに守られている自分は絶対に安全なはずなのに……何故こんなに熱いんだ!?!?!?

 焦ったテッドがフラムと距離を取ろうとするも、もはや手遅れだった。

 フラムが全身から放出する超高温の炎を至近距離で浴びたテッドは、叫び声を上げる暇もなく全身が炭化していった。



 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 一方で、フラム達から少し離れていた三人の侵入者達。

 フラムの爆発的な魔力の放出、それをモロに浴びたテッドが黒焦げになり地面に倒れてのたうち回っている。

 この惨劇を見た三人は、思わず身体が硬直しながらも頭の中では冷静に『これはヤバい』と感じていた。


 先程カミラがテッドに耐火耐熱の付与魔法を施したばかりなのは、付与魔法を与えたカミラはもちろんジェイクとライラも承知している。

 なのにテッドは丸焦げになった。これは、フラムの豪火はカミラの耐火耐熱魔法では防ぎきれないことを意味する。


 いや、先程までの弱腰気味だったフラムならば、カミラのバフも十分に通用していた。

 しかし今のフラムは、炎の女王が害されたことへの怒りで意識が完全に飛んでいる。

 理性や経験不足といったフラムを縛る諸々の枷。そうした一切の柵から解き放たれ、リミッターが完全に外れた炎の洞窟の神殿守護神が放つ豪火は、到底人族の手に負える代物ではなかった。


 これは本当にマズい。すぐにでもこの場から逃げなければ―――

 三人ともそう感じていたが、真っ先に我に返ったのはジェイクだった。


「ちょ、これ、ヤバいだろ……おい、逃げるぞ!」

「え!? ちょ、待ってよ、ジェイク!もうちょいで炎の女王を人質にできるのに!?」

「そんなもん、後でいくらでもやり直せるだろ!テッドのあの有り様を見ろ!命あっての物種だ!」

「ッ!!……それもそうね……」


 ガタガタと身体を震わせながらも、語気を荒らげるジェイク。

 彼の言葉に、最初は反対していたカミラもすぐに納得する。

 フラムの向こう側にいる、先程までテッドだったもの。既に炭化してピクリとも動かなくなったそれを見て、ジェイクの言う『命あっての物種』が身に沁みて理解できたようだ。


 先程まで二人が戦っていた炎の女王は、胸部にぽっかりと大きな穴が開いたままで膝から崩れ落ちていて、ジェイク達に反撃する余裕など全くない。

 これなら逃げるにしても全然余裕だし、追撃される心配もなさそうだ。

 ジェイク達は恐怖で竦む身体を何とか動かし、(こけ)(まろ)びつ出口に向かって逃げ出した。


 しかし、豪火をまとったフラムは彼らが部屋の外に逃げることを許さなかった。

 フラムが放つ超高温の炎はどんどん温度を上げていき、最奥の間の温度はあっという間に1000℃を超えた。

 こうなると、テッド同様ジェイク達にかけられた耐火耐熱の付与魔法はもはや効果を成さない。

 ジェイクの肌が爛れ、カミラの華美なローブに火が着き、ライラのポニーテールも盛大に燃えた。


「ギャアアアァァァッ!」

「ヒィィィィ!」

「た、助けてぇぇぇぇ!」


 フラムの豪火に全身を焼かれるジェイク達。

 彼らの失敗は最奥の間の奥の方、玉座の近くで戦闘していたこと。

 もし出入口付近で戦っていたなら、大火傷を負いながらでも何とか最奥の間の外に逃げられたかもしれない。

 しかし、奥の方では出口に逃げるにしてもかなりの距離があった。


 そしてさらに運が悪いことに、何とここでフラムが出口を塞ぐように立ちはだかったではないか。

 侵入者を排除し徹底的に始末しようとするフラムの本能が、無意識のうちに働いたのか。

 大きな翼を広げ、頭の天辺から六本の尾の全てに至るまで全身が豪火に包まれたフラム。

 事ここに至っては、もはやジェイク達に逃げて生き延びる手段など残されていなかった。


 そうして侵入者四人組は全員炭と化し、完全に息絶えた。

 黒焦げになった死体が床に四つ転がり、炎の女王も甚大なダメージを負って床に仰向けで倒れている。

 だが、フラムの怒りは全く収まる気配がない。

 フラムは炎の涙を零し撒き散らしながら慟哭し続けた。


 誰もフラムを止められる者がいない中、炎の中級精霊から知らせを受けてレオニス達が転移門で駆けつけた時には、フラムが暴走し始めてから三十分近くが経っていた。

 炎の洞窟の中での悲劇の続きです。

 拙作では滅多に人死にのシーンなどでないのですが、今回ばかりはまぁ致し方ないというか。絵面的にはグロになっちゃいますが、極悪人に相応しい末路なのではないかと思います。


 リアルでの作者は、実母と実姉の三人で行く温泉旅行で超リフレッシュしてきました♪゜.+(・∀・)+.゜

 とはいえ、温泉に入っている最中も拙作の話を練りつつなので、頭ん中で侵入者四人組が燃えて炭になる場面とか物騒かつあんまり楽しくないことばかり考えていたのですが(´^ω^`)


 あーでもホントに秋も深まってきましたよねぇ。……って、水曜日は天気が良過ぎて暑いくらいでしたけど。

 秋分の日もとうに過ぎて、日が暮れて夜になるのがますます早くなってきたことを実感する作者。

 寒くなるの嫌だなー……とか思いつつ、これからも執筆活動頑張ります!

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