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マイナーゲーム世界で人生を切り拓く〜気がつけばそこは、誰も知らないドマイナーソシャゲの世界でした〜  作者: 潟湖
三年生の夏休み

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第1597話 男達の秘密の打ち合わせ

 夏休みの終盤に『マナクリスタル』と『青生生魂』をゲットしたライト。

 翌日以降はギャラクシーエーテル作りに専念していた。

 といっても、ラグーン学園の夏休みは残り三日しかないので、夏休み中にギャラクシーエーテル五百個分を完成させるのはさすがに無理!と諦めた。


 それに、ギャラクシーエーテル作りならラグーン学園再開後でも進めることができる。放課後自宅に帰ってから、コツコツと作り続けていけばいつかは目標数に達するのだから。

 なので、ライトは焦らずのんびりと魔物の解体や前段階の別素材の下準備等に勤しんでいた。


 そして時間を少し遡り、ライトがドラゴタイラントの爪を採取するために、こっそりとシュマルリ山脈に日帰り遠征をしていた頃。

 レオニスはスレイド書肆にてグライフと会っていた。


 レオニスがスレイド書肆の扉を開くと、珍しいことに入口近くにグライフがいて、本棚の整理をしていた。


「よう、グライフ。今日は総本部に顔を出してねぇって聞いたから、こっちに来たぞー」

「おや、レオニスではないですか。相変わらず元気そうで何よりですね」

「ぃゃ、そうでもねぇぞ? こないだは何年ぶりかにクレアの『冒険者のイロハ講座』をみっちり一週間受けさせられたわ」

「それはまたご愁傷さまですが……どうせ貴方のことだから、クレア嬢の神経を逆撫でするような言動を何度も繰り返したんでしょう?」

「ン、それは否めんな」


 再会の挨拶を交わすレオニスとグライフ。

 途中レオニスが数日前までディーノ村で受けていた、クレア主催の『冒険者のイロハ講座』のことをげんなりとしながら話している。

 そんなレオニスにグライフも一瞬だけ同情するも、それはきっとレオニス側に非があるのだろうと看破し、すぐにバッサリと切り捨てた。

 そして切り捨てられた側のレオニスも、グライフの指摘を否定しない。レオニスの方も一応そういった自覚はあるらしい。


 しかし、あのグライフですら一瞬なりともレオニスに同情するというのが驚きだ。

 クレアの鬼教官ぶりは、グライフのみならず冒険者なら誰もが知るところであり怖れられている、ということか。


 するとここで、グライフがはたとした顔でレオニスに問うた。


「……というか、ディーノ村で『冒険者のイロハ講座』を受けたということは? ライトも無事冒険者登録を済ませられた、ということですね?」

「おう、そういうこった」

「それは目出度い。是非ともライトの冒険者登録祝いをしなければ!」

「だろ? 俺もそのつもりで今日ここに来たんだ」


 ライトが無事冒険者登録できたことを知り、我が事のように喜ぶ。

 グライフも一度は冒険者稼業を引退したが、周囲の勧めにより復帰した身。将来有望な同業者の後輩が増えることは純粋に喜ばしいことだ。

 また、それを抜きにしてもライトはグライフの友達であり、友の長年の夢が叶ったことはグライフにとっても本当に嬉しい出来事だった。


「そしたら、歓迎会はいつ、どこでやります?」

「できればラグーン学園が夏休みのうちにやりたいんだよなー」

「ああ、そういえばライトはまだラグーン学園に通う学園生でしたね……あれだけ賢くて物怖じしないライトであれば、学園卒業後はきっと、いや、間違いなく大物に成長するでしょうね」

「そうだろうそうだろう、何てったってうちのライトは超優秀だからな!」


 ライトの優秀さを褒め称えるグライフに、レオニスが鼻高々でふんぞり返りながら応える。

 グライフもなかなかに親友贔屓だが、レオニスもレオニスで相変わらず兄バカである。


「とりあえず、歓迎会をするなら昼間の明るいうちに開催するべきですよね」

「そりゃもちろん。ライトはまだ酒を飲める歳じゃねぇしな」

「しかし、冒険者の大半は酒好きですよ? そこら辺はどうします?」

「最初の一杯目の乾杯だけは、軽めのエールを許すか。それ以降はアルコール一切なし、それが嫌なら退場してもらう」

「それがいいですね」

「日取りはどうします? 都合の良い日が決まっているなら、今から総本部横の直営酒場の貸し切り予約を手配しておきますが」

「ライト曰く夏休み最終日の一日前、二十七日がいいんだと。翌日はゆっくり過ごしたいからってな」

「分かりました。ではそのように手配しましょう」


 歓迎会のルールや日取りなど、必要事項をサクサクと決めていくレオニスとグライフ。

 本来なら歓迎会とは飲めや歌えやのどんちゃん騒ぎになるのだが、主役が未成年の子供である以上あまり羽目を外し過ぎてはいけない。

 かと言ってガチガチに固いルールで縛り過ぎても、それはそれで参加者達が楽しめないものになってしまう。

 主催者と参加者、双方が楽しめる歓迎会にしなければ意味がないのだ。


 一通り決まったところで、レオニスが店の入口に向かって歩いていく。

 グライフもレオニスを見送るべく入口までついていった。


「じゃ、そういうことで頼む」

「分かりました。……というか、一応確認したおきたいのですが」

「ン? 何だ?」

「ライトの歓迎会の幹事は私が務める、ということですよね?」


 グライフの改まった質問。

 それは『今回の歓迎会も、自分が幹事を務めるのか?』ということ。

 というのも、レオニスからはまだ正式に幹事の依頼を頼まれていないからだ。

 そんなグライフの素朴な疑問に対し、レオニスがすぐに答えた。


「そりゃもちろん!……つーか、そうか、まだちゃんと頼んでなかったな。グライフ、ライトの歓迎会の幹事をよろしく頼む」

「分かりました。他ならぬライトとレオニスの頼みです、良い歓迎会になるよう私も誠心誠意努めましょう」

「おう、よろしくな。つーか、飲み会の幹事なんて大仕事、他のやつらにはとても頼めんからな。グライフだけが頼りだぜ!」

「レオニス、貴方まで私を扱き使う気満々ですね?」


 ニカッ!と人懐っこい笑顔を浮かべながら、グライフに正式に幹事依頼を出すレオニス。

 レオニス自身含めて、冒険者というのは大雑把な者が多い。

 そんな中でグライフは、数少ない頼れる几帳面さを誇る。

 そう、ラグナロッツァで飲み会するなら幹事はグライフ!と皆に頼られる程にはグライフは他者の信頼を勝ち取っていた。


 それは、ともすれば『都合の良い男』とも受け取りかねないのだが。

 グライフはいつも苦笑しつつも、結局はそれを受け入れている。

 何だかんだ言って、グライフは面倒見の良い紳士なのだ。


「じゃ、後はよろしくな。何か問題があったら遠慮なく連絡してくれ」

「分かりました。二十六日を楽しみにしていてください」


 レオニスがスレイド書肆の扉を開けて、右手をひらひらとさせながら外に出ていく。

 いつになくご機嫌な金剛級冒険者の赤い背中を、グライフは小さく微笑みながら見送っていた。

 いよいよライトの夏休みも終わりが近づいてきました。

 ……って、今回の夏休みも前回同様とっくに100話超えてんですけど(´^ω^`)


 先日ライトが念願の冒険者登録を果たしたので、前々から計画していた歓迎会を実行することに。

 こういうお祝い事も、なるべくならばというか絶対に夏休み中に済ませておきたいですしね(・∀・)

 ちなみに作者もレオニス同様下戸なので、成人してても酒は一滴も飲みません。

 歓迎会なんてのはね、ソフトドリンクを飲みながらご馳走をたらふく食べてりゃいいのよ!(うω´) ←下戸の悔し涙

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