表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
マイナーゲーム世界で人生を切り拓く〜気がつけばそこは、誰も知らないドマイナーソシャゲの世界でした〜  作者: 潟湖
三年生の夏休み

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1584/1688

第1854話 冒険者登録二日目の朝

 神樹ユグドラツィのもとで、ライトとユグドラツィの盛大な誕生日パーティーが行われた翌日。

 ライトは朝早くから起きて、ウキウキしていた。


「ラウル、ラーデ、おはよー」

「おはよう。今から魔石回収か?」

『おはよう。毎朝精が出るな』

「うん!今日からクレアさんのところで『冒険者のイロハ講座』があるからね!朝の仕事も早めに済ませておきたいんだー」


 カタポレンの家の外の畑で野菜の収穫に勤しむラウルとラーデに、ライトがいつにも増して元気な声で朝の挨拶をする。

 そう、何故ライトがこんなにウキウキしているかというと、今日から待ちに待ったクレア主催の『冒険者のイロハ講座』が始まるからである。


「おお、そうなのか。その講座は、今日から一週間やるんだっけ?」

「うん!クレアさんのイロハ講座、レオ兄ちゃんといっしょに受けるんだー。今からすっごく楽しみー♪」

「そうか……さっき警邏に出かけたご主人様の顔が、道理でどんよりと曇ってた訳だ」


 ニコニコ笑顔で張り切るライトの話に、ラウルが得心したように呟く。

 ライトがカタポレンの家から出てくる三十分程前に、レオニスが森の警邏に出たのだが。

 その時にラウルが見たレオニスの表情は、ものすごーく陰鬱そうに映ったらしい。

 ライトには超楽しみなイベントでも、レオニスにとってはかなり憂鬱なものらしい。


「じゃ、ぼくも魔石回収に行ってくるね。ラウル達も、トマトやきゅうりの収穫頑張ってねー!」

「おう、いってらー」

『道中気をつけてな』


 ラウルとラーデに出かける挨拶をしたライト、軽やかな足取りで勢いよく駆け出していく。

 その目にも留まらぬ爆発的な瞬発力に、ラーデが思わず呟く。


『あの子供、ライトは人族の子供にしては本当に足が速いな。我は人族のことに詳しくないが、しばらく見ない間に人族は随分と進化したものだ』

「ラーデ、うちのご主人様達を標準に考えちゃダメだぞ? 何しろあの二人は、大小どちらも普通じゃねぇからな」

『む、そうなのか』


 ラーデの誤った認識に、ラウルがさり気なく修正をかける。

 ラーデは基本的にカタポレンの森の外に出ないし、出たとしても天空島や金鷲獅子アウルムのいるコルルカ高原くらいのもので、いずれも普通の人族を見る機会がない。

 そのせいで彼の中の人族に対する印象や知識は、だいぶ偏ったものになりがちだ。


 しかし、ラウルは知っている。ライトもレオニスも、両者ともに普通の人族ではないことを。

 それは、ラグナロッツァに住むラウルが足繁く通うヨンマルシェ市場や冒険者ギルド総本部を見ていれば一目瞭然なのである。


「……さ、俺達もトマトの収穫を再開するか」

『うむ』


 魔石回収に出かけたライトを見送ったラウルとラーデ。

 再び畑で赤々と実るトマトを収穫するべく、再び畑の中に戻っていった。



 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 その後ライトとレオニスがカタポレンの家に戻り、二人して朝食を摂る。

 トーストを食べるライトはニッコニコのウッキウキ、そのライトの向かいで同じくトーストを食べるレオニスはどんより……である。


「ライト……お前ホンット嬉しそうだなぁ」

「だって!今日からクレアさんと毎日、一週間は会えるんだもん!楽しみにならない方が無理ってもんだよ?」

「アレに会えるのが、そこまで楽しみとは……ライトはホンット変わってんな」

「何ソレ、しどい!」


 未だに俯き加減でいつになく暗いレオニス。

 憂鬱な彼の愚痴が溢れる。


「くッそー、俺はそんなに悪いことしてねぇってのに……今更イロハ講座を受けなきゃならんなんて、それこそ酷いとは思わんか?」

「そろそろレオ兄ちゃんも諦めなよ。いっつもクレアさんに何やかんや叱られてんだからさ。年貢の納め時ってヤツ?」

「年貢の納め時……お前、やたら小難しい言葉知ってんね……どこでそんなん習うの?」


 落ち込むレオニスの暗さなど、キニシナイ!とばかりにご機嫌なライト。

『年貢の納め時』なんて言葉を使う十歳児を、レオニスが不思議そうに見つめている。


「てゆか、そろそろ出かける支度しなくちゃ。クレアさんの『冒険者のイロハ講座』は十時からだけど、その三十分前にはディーノ出張所入りしたいからさ!」

「しゃあない……ディーノ支部に年貢を納めに行くか」

「じゃ、外の転移門に九時半ちょい前集合ね!」

「はいよー」


 ライトが朝食を食べ終えて、さっさと席を立ちちゃちゃっと食器を下ろす。

 そんなライトに引き摺られるように、レオニスも食器を片付ける。

 ここまできたら、ライトが言うように観念するしかない。


 そうして一旦各自の部屋に戻り、出かける支度を始める。

 その後ライトの指示通り、家の裏の解体所横にある転移門に集合した。

 この転移門、つい先日までライトの部屋にあった転移門だ。

 この度ライトが目出度く冒険者登録するにあたり、そこそこ個人のプライバシーを尊重して転移門を家の外に移動させるか、ということになったのである。


「じゃ、クレアさんのところに行こうか!」

「はいよー」


 二人は転移門の魔法陣の中に入り、レオニスが転移門の操作パネルを開いてピコピコと操作を始める。

 そうして二人は冒険者ギルドディーノ出張所に移動していった。

 長らく続いた誕生日パーティーも終わり、いよいよライトが楽しみにしていた『冒険者のイロハ講座』が始まります。

 てゆか、誕生日当日だけで21話もかかってたんか…( ̄ω ̄)…

 まぁね、冒険者ギルドディーノ出張所での登録の後に、転職神殿とユグドラツィの二ヶ所でライトの誕生日パーティーしましたしね(´^ω^`)


 さて、これから始まるライトの冒険者生活。

 どのようになるか、作者自身楽しみです( ´ω` )

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ