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マイナーゲーム世界で人生を切り拓く〜気がつけばそこは、誰も知らないドマイナーソシャゲの世界でした〜  作者: 潟湖
三年生の夏休み

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第1534話 転移門の設置と実験

 一階の給湯室屋上に移動したライト達。

 ここは、ライトとレオニスが前回初めてここを訪問した時に、砂の女王達とともにお茶会をした場所だ。

 その時は夜で、満天の星を堪能しながらの優雅なお茶会だったが、生憎今は日中で砂漠の下に潜っているため何も見えない。

 夜空よりも暗く、一条の光も届かない真っ暗闇である。


 これでは何をするにも不自由なので、レオニスが初級光魔法『点灯虫』を発動した。

 ほんのりとした灯りがライト達を照らす。


「ここが屋上か……球状の結界で覆っているんだな」

『そうよー。でないと暑い日に砂の下に潜る度に、ガベリーナの身体が毎回砂だらけのジャリジャリになっちゃうからねぇー』

「確かにそりゃ気持ち悪そうだな……いちいち掃除するのも大変そうだし」

『そゆことー』


 砂の女王と会話している間に、レオニスが点灯虫を追加で三つ生み出す。地中は思った以上に暗く、点灯虫一つでは明るさが足りないからだ。

 計四つの灯りが屋上を照らし出す。

 かなり明るくなって視界が広がった屋上を見回しながら、レオニスは屋上中央から端の方に歩いて移動した。


「ド真ん中よりも、柵がある端の方がいいな。砂の女王、ガベリーナ、ここに転移門を設置するが、いいか?」

『ガベリーナが特に問題なければいいわよー』

『うむ、私に異存はない』


 砂の女王とガベリーナの許可を得たレオニスが、早速転移門設置を開始する。

 まずは直径10メートル程の瞬間移動の魔法陣を空中に展開し、水平に直してから屋上地面に置く。

 次に操作パネル用の石柱と麻縄を空間魔法陣から取り出し、屋上の柵に麻縄で石柱をぐるぐる巻きにして固定する。

 レオニスが屋上の端に転移門を置くことにしたのは、屋上という場所柄故に地中に埋めて固定することができない石柱を、麻縄で縛って柵に固定させるためだった。


 石柱を設置した後、レオニスが動力源の魔石を定位置に置き、パネルを出現させてピコピコと弄っている。

 その様子を、砂の女王とさるぼぼガベリーナが興味津々で見ている。


『ねぇねぇ、それは一体何をしているの?』

「これは、行き先……転移先を指定する『パネル』という部品だ」

『ほう、先程ここに敷いた魔法陣が世界各地にあり、それらに対応するということか?』

「そう、それで合ってる」

『えー、そしたらそのパネルというのを触れる人なら、誰でもここに来れちゃうの?』


 レオニスの話に、砂の女王が不安そうにレオニスの顔を覗き込んだ。

 彼女の懸念は尤もなものだが、そこら辺はちゃんと対応済みであることを伝える。


「いや、魔法陣の中に転移門を通過できる者の条件をつけてある。『属性の女王』、『神殿守護神』、そして『属性の女王の加護を三つ以上持つ者』という指定でな」

『おお、それなら安心だな!』

「ああ。この条件下で転移門を使えるのは、属性の女王と神殿守護神、それ以外は実質俺とライト、ラウルの三人だけだからな」


 レオニスの対策に、さるぼぼガベリーナが感心している。

 余程感心したのか、実にご機嫌な様子でレオニスの頭をぺちぺち☆と叩いていた。


「……よし、これで転移門の設置完了だ。今から稼働実験するから、ガベリーナはライトか砂の女王のところに移動しててくれ」

『承知した』


 レオニスの要請に応じ、さるぼぼガベリーナがレオニスの頭上ですくっ!と立ち上がり、ピョイーン!と飛んでライトの頭上に移動した。

 何故そこで砂の女王のところに移動しないのか分からないが、軽業師のような身のこなしはなかなかに見事なものである。


 その後レオニスは転移門を稼働させ、一瞬にして消えたと思ったら十秒後くらいに再び現れた。

 まるで手品のような出来事に、砂の女王とさるぼぼガベリーナが『!?!?!?』と驚愕していた。


『ぇ? ぇ? 今、レオニスの身体が消えた……わよ、ね?』

『ぁ、ぁぁ……私にもそう見えたし、実際にレオニスの気配が十秒くらい完全に消え去っていたはずだ……レオニス、お前は今一体何をしたのだ?』

「ン? あー、この転移門はカタポレンの森にある俺の家の転移門とも繋げてあってな。試しに俺の家に行けるか、実験したんだ。結果は見ての通り、成功だった」

『そ、そうなのね……』

『成功したのなら、何よりだ……』


 転移門の実験検証およびその成功に、砂の女王とさるぼぼガベリーナが唖然としている。

 砂の女王を含む属性の女王達は、己の属性が関わるものを通して瞬間移動と同じようなことができる。

 例えば火の姉妹はらエリトナ山と炎の洞窟を行き来できるし、水の女王なら水のあるところならどこでも行き来できる。

 しかし、それ以外の場所にも自由に行き来できるというのは、精霊の長と守護神である彼女達から見ても何気にすごいことだった。


 一方でレオニスはそんな二人の驚きなど全く気にも留めず、すぐにライトに声をかけた。


「さて、ここからカタポレンの森の家に直帰できるようになったし、ラウルを呼んでここから三人で帰るとするか。ライト、給湯室にいるラウルを呼んできてくれるか?」

「はーい!」

「ガベリーナ、ライトが迷子にならんように道案内頼むぞ」

『うむ、任せよ』


 レオニスからの任務指名に、ライトが元気よく応じる。

 ライトの頭の上に乗っかっているさるぼぼガベリーナも、右手で己の胸をドン!と叩きながら道案内を引き受けた。

 そうしてライトはさるぼぼガベリーナとともに、屋上から室内に続く階段を下りていった。

 ジャッジ・ガベルの屋上での転移門設置です。

 ホントはもうちょい先まで書くつもりだったんですが。強烈な眠気襲来により断念……

 明日はもうちょい多く書けるよう頑張りますぅー(TдT)

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