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マイナーゲーム世界で人生を切り拓く〜気がつけばそこは、誰も知らないドマイナーソシャゲの世界でした〜  作者: 潟湖
三年生の夏休み

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第1483話  謎の迷宮の探索

 修験者の迷宮の扉を開き、中に入ったライト。

 扉の外側からは何も見えなかったが、一度奥に入ると様々なものが見えるようになった。

 壁は外側の扉と同じで青黒いが、扉にあったような青白く光る線はない。

 また、地面には外側で扉を囲うようにして生えていたのと同じ蔦が這うように生い茂っている。


 まるで宮殿の廊下のように長く続く一本道は、どこに続いているのか分からないが、ライトはとりあえずゆっくりとした歩調で前に進むことにした。

 両側の壁には三叉槍のような三本の蝋燭が立てられた燭台が一定間隔でかけられていて、ぼんやりとした青白い炎が灯っている。

 こんな人気のない迷宮の中で、一体どういう原理で蝋燭が青白い炎を灯し続けているのか全く分からないが、魔導具のように何らかの魔力をもとにしているのかもしれない。


 この廊下は、高さ約10メートル、幅5メートルといったところか。

 もしここが中央の天空島の山の中、火口から下りてすぐのところにあるならば、高さが10メートルもあれば青空が見えそうなものだ。

 しかし、天井を見る限り完全な閉鎖空間で、外に出られるような構造は全く見受けられない。

 このことからも、やはりこの空間はサイサクス世界とは切り離された異空間である可能性が高いと言えよう。


 扉の中に入った直後に、ライトは魔物の襲撃に備えてマイページからシルバーダガーを取り出して右手に持った。

 本当はガンメタルソードを出したいところだが、もし入ってすぐにファフニールやリンドブルムに出会った時のことを考えてやめておいた。

 大きな得物を持ったまま鉢合わせたら、敵対行為と捉えられかねないからだ。

 とはいえ、雑魚魔物に襲いかかられることも想定しておかなければならないので、最低限の武器は持っておきたい。

 そのために、ライトは手頃な小型武器であるシルバーダガーを選んだのだ。


 しかし、ライトの予想に反して何故か魔物が一匹も出てこない。

 ここが修験者の迷宮ならば、外部からの侵入者であるライトに向かって多数の魔物達が我先にとばかりに襲ってきそうなものなのだが。

 ライトが扉の中に入ってもう五分くらいは経つというのに、未だに魔物の一匹も出てこないのは一体何故だろう。

 この修験者の迷宮の中で、何か異変でも起きているのだろうか?


 ライトは魔物の出現に警戒しつつ、壁に脇道がないか、あるいは別の扉や入口のようなものがないかなどを見逃さないよう、ゆっくり歩きながらずっとキョロキョロと周囲を見回し観察し続ける。

 そうして修験者の迷宮の廊下を探索している間、ライトはラーデの子であるというファフニールとリンドブルムについて思考を巡らせていた。



『ファフニールにリンドブルムか……どっちも地球ではドラゴンの一種として、ゲームのボスキャラなんかにもよく使われてたよな。BCOでも例に漏れず、どっちもレイドボスで出てきてたけど』

『えーっと……確かファフニールが任務レベル5で、リンドブルムはレベル7だったか? 親が元任務レベル3の邪皇竜メシェ・イラーザで、その子供がレイドボス三兄弟って……豪華なんだか悪夢なんだか、もう訳分かんねぇな』



 この先にいるかもしれないラーデの子、ファフニールとリンドブルム。

 もちろんライトはファフニール達と直接会ったことはないが、それでもライトはこの二体のことを知っている。

 何故ならそれはサマエルと同じく、BCOではレイドボスとして登場していたからだ。


 親のラーデが任務レベル3で、その子供達が任務レベル5と7と9。

 一番レベルが低いのが親で、その子供達はどんどんレベルが上がっていくというのは面白く思える反面、当然かな、とも思う。

 この任務レベルというのは実装の順番と同じであり、数字が小さいものほど初期からいるということだ。

 そう考えると、先に実装されたメシェ・イラーザは親であり先輩でもあり、第一子、第二子、第三子と子が増えるにつれレベル数が上がっていくのも至極当然の流れである。


 ライトはBCOのレイドボスだったファフニールとリンドブルムの情報を思い出そうと、懸命に記憶の糸を手繰り寄せる。


 ファフニールは紫色の皮膜型のドラゴン、リンドブルムは赤紫色でファフニールの色違いコピペだったよな……

 BCOではレベル数こそ違ったけど、色以外は全く同じ造形なんだからある意味双子みたいなもんなのかも。

 てゆか、二体ともかなりの巨体のはずだけど、この迷宮の中に身体が入りきるのか?

 この廊下を見る限りでは、もし入れたとしても相当窮屈そうだけど……


 そんなことをつらつらと考えているうちに、一本道の廊下の先に突き当たりがあるのが見えてきた。

 そこは行き止まりではなく、迷宮に入る扉と全く同じ扉があった。

 電子回路のような青白い線があって、でもよくよく見るとその模様が入口のものとは若干違う。


 この先に、ライトが探しているファフニールとリンドブルムがいるかは分からないが、それは調べてみないとどうにもならない。

 今度こそ、ファフニールとリンドブルムに会えますように―――

 ライトはそう願いながら、二枚目の扉をゆっくりと押した。



 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 二枚目の扉が、ギィィィィ……という軋んだ音を立てながら開いていく。

 扉の向こう側は、これまでの廊下から一転して広い空間が広がっていた。

 それはライトの前世でいうところの屋外型競技場くらいあって、優に400メートルトラック以上の広さがある。


 しかし、ここでも魔物に襲われることは全くない。

 あまりにも魔物に出食わさないことに、ライトは内心で焦り始める。


 ここ、ホントに修験者の迷宮か?

 まさか……修験者の迷宮に似せたパチもん、とかじゃねぇよな?

 BCOイベントに出てきていた、鬼火もどきとかトリプル仮面とか絶対に出てくると思ってたのに……何で虫一匹出てこねぇの?

 てゆか、イベントも何も起きんのなら、もう外に出してくれよ!

 俺、このままじゃ外に出られんで干からびちまう!


 そんなことを考えながら、広い空間を見回すライト。

 すると、ここより奥の向こう側に何かがあるのが見えた。

 そこに外に出るための手がかりがあるかも!と思ったライトが、急いでシルバーダガーをマイページに放り込んで一目散で駆け出した。


 そうして何かの前に辿り着いたライト。

 そこにはとても大きな、赤紫色の皮膜型の竜が寝転んでいた。

 前話に続き、今話も修験者の迷宮の探索です。

 RPGゲームでは、こうした未知の場所の探索が欠かせませんが。リアルで探索するとなると、何もかも勝手が違いますよ(*´・ω・)(・ω・`*)ネー。

 しかし、様々な苦難?を乗り越えて、最後に何者かにようやく出会えたライト。早いとこ、外に出られるといいのですが><

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