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マイナーゲーム世界で人生を切り拓く〜気がつけばそこは、誰も知らないドマイナーソシャゲの世界でした〜  作者: 潟湖
ピッカピカの三年生一学期

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第1466話 土魔法=地属性魔法のテスト

 カタポレンの家に移動したライト達。

 三人は早速家の外に出て、ラーデがいつも日向ぼっこをしている南側の開拓地に向かう。

 ここはラーデ専用に拡張した場所で、畑として使っていないので土魔法の試験場としても最適なのである。


 そこで優雅に寝そべり日向ぼっこをしていたラーデに、ライトがいち早く駆け寄りながら話しかける。


「ラーデー、ただいまー!」

『おお、ライトか。今日は早い帰宅なのだな』

「うん!前から話していた長いお休み、夏休みが始まったんだー!」

『そうなのか。随分と楽しそうだが、その『夏休み』とやらはそんなに良いものなのか?』

「そりゃもう!ぼくにとってはすっごく良いものだよ!」


 ニッコニコの笑顔で帰宅してきたライトに、それまでのんびりと日光浴をしていたラーデも微笑みながら出迎える。

 そしてライトがラーデを抱き上げながら話しかけた。


「ねぇ、ラーデ、この場所をちょっと借りていい?」

『ぬ? 借りる、とは? ここで何ぞするのか?』

「うん。今日はぼくの魔力テストをするんだけど、土魔法のテストをここでしたいんだ」

『其方の土魔法の威力をここで検証する、ということか?』

「そそそ、そゆこと」

『そういうことならば、我に否やはない。そもそもここは其方らに用意してもらったものだからな』

「ありがとうね、ラーデ!」


 魔力テストのために、しばしラーデに退いてもらう了承を得たライト。

 抱っこしていたラーデを、後から追いついてきたラウルにヒョイ☆とバトンを渡すかのように託した。


「レオ兄ちゃん、ここで土魔法を使ってみせればいい?」

「そうだな。ホントは土だけでなく、岩や石の壁、石の槍なんかもどのくらい出せるか見ておきたいが……」


 ライトからの問いかけに、レオニスがちろり、と視線を移してラウルを見遣る。

 ラウルの答えは『首を横にブンブン降り続ける』であった。

 ここは畑としては使っていないが、それでもいつの日か力を取り戻したラーデが旅立てば、ここはラウルの畑になる。

 そして、農業において石や岩は農作物の成長を妨げる大敵だ。

 そんな大敵の大量量産を、ラウルが認めようはずもなかった。


「ま、そうなるよなー……そしたら石や岩関連は、今度ノーヴェ砂漠に行った時にでもするか」

「じゃあ、ここでは石や岩を作らない地属性魔法を出せばいい?」

「そうしてくれ」


 ラウルのリクエストにより、石や岩はNGとなったことを受けて、ライトはしばし考え込む。


 地属性というと、普通はそれこそ石や岩を思いつくけど、金属の元である鉱物だって属性的には地属性だよな?

 そしたら、鉄とかミスリル、オリハルコンや宝石類を生み出すのも可能かも?

 …………よし、やってみるか!


 ある程度考えをまとめたライトは、地面に手を翳しつつ『地面の中に鉱石や宝石の原石が埋まっている』というイメージを頭の中で強く浮かべた。

 すると、しばらくして地面がポコ、ポコ、と盛り上がってきたではないか。

 ライトは翳した手を一旦下ろし、盛り上がった地面のところに行って土を掘り返してみた。


「あッ、見て見て!地属性魔法で鉄と金と銀ができたよ!……あ、ダイヤとルビーの原石もちゃんとできたー!」

「……ぉぃぉぃ、地属性魔法でそんなんするって、まるで錬金術師だな」

「こりゃすげーな。もしかして、ご主人様も金や銀を作ろうと思えばこうやって作れるのか?」


 半ば呆れたように感心するレオニスに、心底感嘆するラウル。

 そんなラウルの素朴な質問に、レオニスが口に手を当てながら思案しつつ口を開いた。


「ンー……そんなこと、今まで一度もやったことがないから分からんが、やろうと思えばできんこともないと思う。ただし、ものによっては相当魔力を食いそうだから、魔力が少ない者には絶対に無理だし、魔力が多い者でもそんなに乱発はできんだろうな」

「そうなのか?」

「ああ。例えば石の槍で攻撃したり、防御のために岩の壁を作り出すだろ? あれだけでも、それなりに魔力を使うもんだからな。石や岩でさえそれなんだから、金属成分を含む鉱石や宝石の原石ともなるとその数倍は労力がかかると見て間違いない」

「なるほど……確かに言われてみればそうか」


 レオニスの筋の通った考察に、ラウルも納得している。

 そしてレオニスが、返す刀でライトに心配そうに尋ねた。


「ライト、魔力の減り具合はどうだ? 頭が痛かったり重たかったり、目眩とかはないか?」

「うん、今のところ大丈夫だよー。ただ、やっぱレオ兄ちゃんが言うように結構魔力が減った感じはするから、一応後でアークエーテル飲んでおくつもりだけど」

「なら、今のうちに飲んでおけ」

「はーい」


 心配するレオニスに、ライトが特に変わりなく接している。

 ただし、ライトも体感的にはそこそこ魔力が減った感じはしていた。

 なので、レオニスから受け取ったアークエーテルを飲みながらこっそりマイページを見ると―――何とMPが500も減っていた。

 やはり鉱石や宝石の原石を生み出すには魔力を相当持っていかれるだろう、というレオニスの推察は当たっていたようだ。


 数個の鉱石と宝石の原石でMP500は、さすがに割に合わなさ過ぎる。

 これなら『幻のツルハシ・ニュースペシャルバージョン』で幻の鉱山に飛んで採掘する方が、よほど効率が良い。

 今後は特定の物質、例えばシルバースライムに与える銀が欲しいとか、あるいは稀少なヒヒイロカネだけを生産するとか、使い方を厳選しよう……とライトは内心で考えていた。


 アークエーテルをくぴくぴと飲みながら、ライトがレオニスに話しかける。


「あ、レオ兄ちゃん、他に地属性魔法っていうとさ、地震とか地割れなんかもそうだよね?」

「…………確かにそうだが。今ここでそれを実行するなよ?」

「もちろん分かってるよ!だってラーデの寝床を地割れで壊す訳にはいかないもん」

「分かってりゃいいが……そこら辺も、石や岩とまとめてノーヴェ砂漠で検証しよう。ノーヴェ砂漠なら、地震だろうが地割れだろうが他者に害を及ぼさんからな」

「分かった!」


 ライトの突拍子もない確認に、レオニスが右手で目元を覆いつつ、はぁーーー……と大きなため息をつく。

 いくらここがノーヴェ砂漠同様他者に害を及ぼさない場所だからといって、さすがにカタポレンの家の近くでそれをやられたらたまったものではない。

 ライトが持つ膨大な魔力を持ってすれば、巨大な地割れが瞬時に出現しかねない。

 ここで行えない地属性魔法のテストは、全てノーヴェ砂漠へのお出かけ時へ持ち越しである。


「さて、そしたら土魔法のテストはこれくらいでいいか」

「だな。そもそもライトは、これまで俺の畑や泉作りの時なんかに使ってきてて、かなり活躍してたからな。土の操作もだいぶ上手になったと思うぞ」


 早々に土魔法テストの終了を宣言したレオニスに、ラウルも独自の見解とともに同意する。


 ラウルが言うように、ライトはこの一年で様々な場面で土魔法を使ってきた。

 それはラウルの畑の開墾の手伝いだったり、あるいは天空島の畑作りやドラリシオの群生地で新しく設置した泉作りなども、ライトは土魔法を用いて手伝っていた。

 その成果は誰もが認めるところであり、ライトが着実に力をつけている証でもあった。


 ラウルが認めてくれたことが、とても嬉しいライト。

 ライトはその気持ちを素直にラウルに伝えた。


「ありがとう、ラウル!ラウルに褒めてもらえるなんて、嬉しいな!」

「どういたしまして。ライトがいつも土魔法の練習を頑張ってしていたのは、他ならぬ俺が一番知っているからな」

「これからも、ラウルの畑仕事のお手伝いをたくさんするからね!」

「そりゃありがたい。よろしく頼む」


 ラウルの目の前で、ライトが破顔しつつ更なる手伝いを申し出た。

 そんなライトの健気さに、ラウルも小さく微笑みながらライトの頭をくしゃくしゃと撫でる。


「さ、そしたら次は目覚めの湖に行くぞー。ラーデもいっしょに行くよな?」

『うむ。魔力テストなるものはなかなかに興味深いようだから、我も同行したい』

「だよな。そしたら皆で行くぞー」

「うん!」

「了解ー」

『ああ』


 次の魔力テストを行うべく、レオニスがライト達を促しつつラーデにもついてくるかどうかの確認を取る。

 ラーデもそれまでのライトの魔力テストを見ていて、かなり興味が湧いたようだ。

 こうしてライト達は、他の魔力テストを行う試験会場?である目覚めの湖に向かって一斉に飛んでいった。

 ライトの二回目の魔力テスト第一弾です。

 ライトもレオニスからのアドバイス通り、日常生活に魔法を取り入れて練習するようになって早一年。

 それなりにというか、かなり上手に魔力を扱えるようになりました。

 やはりねぇ、何事も実践あるのみ!ですよね!゜.+(・∀・)+.゜

 とはいえ、さすがにこの場で地震や地割れを起こさせる訳にはイカンザキなので(´^ω^`)

 石や岩、地震に地割れなどは後日ノーヴェ砂漠にお出かけした時のお・楽・し・み☆(ゝω・)

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