第1460話 交換アイテムのラインナップとライトの計画
その後ライトは、七夕イベント最終日の七月七日まで毎日ササニシキ村に通い続けた。
平日は早起きしてササニシキ村で三十分過ごし、ラグーン学園から帰宅した後もすぐにササニシキ村に移動し、夕方の六時になるまで約二時間ほど笹魔人を祓い続ける。
夏に向かう時期なので、日中時間が長いのが幸いだ。
ライトが何故こんなにも頑張っているかというと、理由は簡単。
イベント限定アイテム『神寄の短冊』を少しでもたくさん集めて、良いアイテムをゲットするためである。
ライトはイベント二日目の日曜日、初めてササニシキ村で笹魔人と対決した後一旦カタポレンの家に戻り、昼食を食べて一休みしがてらマイページをチェックしていた。
マイページの交換所ショップでどのアイテムと交換できるかを知っておく必要があるからだ。
交換所には『神寄の短冊交換用アイテム』という項目が出現していて、交換ラインナップは以下の通りである。
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1枚:ポーション/エーテル
2枚:ハイポーション/ハイエーテル
3枚:エクスポーション/アークエーテル
5枚:イノセントポーション/セラフィックエーテル
7枚:七夕ファッション箱(頭・腕・上半身・下半身・靴のいずれかランダム)
10枚:グランドポーション/コズミックエーテル
25枚:退魔の聖水/幸運のお守り
30枚:ミステリー箱A(1~5のいずれか一つを指定)
40枚:ミステリー箱B(6~10のいずれか一つを指定)
50枚:ミステリー箱C(白、金、黒、虹のいずれか一つを指定)/エネルギードリンク
100枚:七夕限定武器『笹箒』
250枚:身代わりの実5個セット/激運のお守り
300枚:ミステリー箱詰め合わせ・Aタイプ(1~10各一個づつ)
500枚:エネルギードリンク1ダース
1000枚:ミステリー箱詰め合わせ・Bタイプ(全シリーズの中から40個、完全ランダム)
2000枚:エリクシル
5000枚:エネルギードリンク1グロス/エリクシル3個
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このラインナップを見たライトは、かなり興奮していた。
「おおおッ、ミステリー箱と交換できるのか!もう手持ちのCPほとんどないから、これは嬉しい!」
「え、しかも何、エネドリダースやグロスも交換できるの!? つーか、エリクシルもあるじゃん!」
「うおおおおッ、欲しいもんあり過ぎて困るーーーッ!」
目をキラッキラに輝かせながらマイページを見ていたライト。
頭を抱えながら思いっきり仰け反って、ベッドの上でのたうち回る。
これぞまさに『嬉しい悲鳴』というやつか。
一頻り悶絶して気が済んだのか、ライトがベッドの上でピタッ!と止まり、仰向けになって改めて交換ラインナップをまじまじと観察し始めた。
「しッかし、エリクシルで短冊2000、エネドリグロスになると5000も短冊が要るのか……こりゃキッツいな……」
「エリクシル3個も魅力的だけど、今の俺の状況だと取れてもエネドリグロスとエリクシル1個かなー……」
超目玉アイテムとの交換に要する短冊の膨大な量に、はぁー……とライトはため息をつく。
この日ライトは、ササニシキ村で七夕イベントを開始した。
通算二時間の戦闘で得た短冊は二百枚弱、一時間当たり百枚を少し割るくらいだった。
これを標準として考えると、短冊千枚を得るには十時間以上笹魔人を祓わねばならない計算になる。
しかし、今のライトはラグーン学園に通う身。一日中BCOイベント三昧で過ごすことなど絶対にできない。
甚だ残念ではあるが、学業を日々しっかりとこなした上で得た余暇の時間を七夕イベントに回すしかない。
ライトは交換所アイテムとにらめっこしつつ、ぽつりと呟く。
「ンーーー……そしたらこの『幸運のお守り』と『ハゲ運』を上手く活用していくしかないか」
ライトが着目したのは、短冊25枚で交換できる『幸運のお守り』と、同じく短冊250個で交換できる『激運のお守り(通称:ハゲ運)』。
どちらもアイテムドロップ率を上昇させるバフアイテムで、使用すると三十分間アイテムドロップ率が上がる。
その上昇率は、幸運のお守りが通常時の二倍、激運のお守りは何と二十倍にもなる。
例えば幸運のお守りをライトが使った場合、三十分間で得られる短冊の数は推定で百枚弱。お守り無しで三十分間戦った場合の約五十枚の倍だ。
交換所で幸運のお守りのために短冊25枚を消費しても、それを上回る獲得量が見込める。
それに、三十分間という時間の区切りもライトにとって何気に有利だ。
朝に一回、夕方に三回か四回、幸運のお守りを使えば短冊の収集も効率良く行えるであろう。
そしてそれは、『幸運のお守り』と同種のバフアイテム『激運のお守り』にも同じことが言える。
お祓い五回に一回の割合で出ればいい短冊。アイテムドロップ率が二十倍跳ね上がるアイテムを使えば、ほぼ百発百中で短冊が得られることになる。
ライトが一分間に祓える笹魔人を15体と仮定して、その全てで短冊がドロップしたら三十分間で450個の短冊が獲得できる。
交換所で『激運のお守り』を得るための短冊250枚を差し引いても、200枚の増加が見込める計算だ。
ちなみにこの『激運のお守り』は『げきうんのおまもり』と読むのだが。
ライト達BCOユーザーは『ハゲ運』と呼んでいた。
激の字を音読みの『げき』とは読まずに、訓読みの『はげしい』の方で呼ぶ、いわば愛称のようなものである。
「とりあえず、イベント前半から中盤は『幸運のお守り』を使って短冊をコツコツ集めて、その具合によって次の土日にハゲ運を使ってみっちり集めるとするか」
「……よーーーし、待ってろよ、俺のグロスとエリクシル!何としてもこの機会に、両方ともゲットしてやるぁーーー!」
「もし両方とも得るのがダメだったとしても、その時はゴミ箱詰め合わせやエネドリダースに交換すればいいし!」
気分転換のために着手した季節限定イベントで、思いの外良いアイテムを目の当たりにしたライト。それまで寝転んでいたベッドからガバッ!と起き上がり、気勢を上げる。
そのテンションは爆上がりで、いつも以上にやる気に満ちたライトだった。
季節限定イベント『七夕・笹魔人を倒して神寄の短冊を集めよう!』の報酬内容が明かされる回です。
この手の期間限定イベントって、この時にしか得られない様々なアイテムが目白押しでゲーマーのテンションは爆上がりですよね!゜.+(・∀・)+.゜
でも、ライトの目には『七夕ファッション箱』や『七夕限定武器・笹箒』は映っていない模様(´^ω^`)
まぁねー、限定武器はともかく実利に乏しいファッションは一番後回しになりがちなのは作者も分かるんですが。
そして今日は、リアルでは二月末日。
え、ウソ、新年明けてからもう二ヶ月が経っちゃったのん!?Σ( ゜д゜)
早いよ早いよ早過ぎるよ、こんなん繰り返したらまたすぐに師走になっちゃうジャマイカ!>< ←気が早過ぎ




