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マイナーゲーム世界で人生を切り拓く〜気がつけばそこは、誰も知らないドマイナーソシャゲの世界でした〜  作者: 潟湖
ピッカピカの三年生一学期

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第1432話 美味しい食事と楽しい語らい

 新しく建てたばかりのコテージで、皆で晩御飯を食べるべくキッチンカウンターに向かうライト達。

 一階のリビングは一番弱く灯したフロアスタンドを照明にしていて、暗黒の洞窟の最奥の紫炎によく似た仄暗い明かりがクロエと闇の女王を優しく迎え入れる。


 カウンターのすぐ近くには、六人用テーブルが二つ向かい合わせで繋げられており、椅子も人数分の十一脚が置かれている。

 テーブルの上には様々なご馳走が並べられていて、すぐにでも食べられる準備が整っていた。

 各自適当な席に座り、その後ラウルが各席を回り希望の飲み物を聞いてはそれが入ったグラスを席の前に置いていく。


 ちなみに今回の八咫烏達は、全員人化の術で人の姿に扮している。

 今後もより人里に馴染み活動していくなら、人の姿で食事を摂れるようにならなくちゃね!というマキシの提言によるものだ。

 アラエル、ムニン、トリス、ミサキの四羽がそれぞれ人化した時には、クロエが『わーッ、カラスちゃん達皆すごーい!』と大喜びし、闇の女王も『おお、これはすごい。吾の目にも、普通に人族の女性としか見えんな』と感嘆していた。


 そして全員に飲み物が渡ったところで、レオニスがグラスを持ちながら席を立った。


「皆、今日はココのお泊まり会に集まってくれてありがとう。このコテージは、ラウルがカタポレンの森の木で一生懸命に作ったものだ。ラウルもご苦労さん」

「どういたしまして」

「そしてこのコテージは、今日初めて客を迎え入れる。八咫烏のアリエル達、そしてココと闇の女王、来てくれてありがとうな」


 八咫烏達とココ、闇の女王、今夜のスペシャルゲスト達に礼を言うレオニス。

 一方礼を言われた主賓達も、レオニスの礼に真摯に答える。


「こちらこそ、初めての客としてココ様や闇の女王様とともに過ごせるとは、光栄なことにございます。娘達ともども、感謝の念に堪えません」

『ココも、パパやママ、お兄ちゃん達、皆とこうしてお外で会えて、すっごく嬉しい!パパ、お泊まりさせてくれてありがとう!』

『ココ様も健やかに成長なされた。これからココ様は広い世界に羽ばたくのだ、今宵のお泊まり会はその記念すべき第一歩となろう』


 皆の挨拶に、レオニスだけでなくライトやラウル、マキシもまた笑顔で聞き入っている。

 このコテージは、ラーデを迎え入れるために伐った木の活用方法として生まれたものだ。

 予定外の産物ではあるが、こうしてライト達の大事な者達を迎え入れることができるようになったのは嬉しい誤算だ。


「さ、堅苦しい挨拶はここまでにして。皆、配られた飲み物、グラスを手に持ってくれ」

「……(いそいそ)……」

「これからの皆の健康と幸運を祈って、乾杯!」

「「「乾杯ーーー!」」」


 レオニスの乾杯の音頭に、ライト、ラウル、マキシがグラスを高々と掲げて乾杯した。

 一方そうした人族の習慣を全く知らない、八咫烏母娘やクロエ、闇の女王。周囲をキョロキョロと見回し、ライト達の仕草を真似て追随している。


 その後ライト達は、ラウル特製のご馳走を食べ始めた。

 一口サイズのカットステーキに唐揚げ、フライドポテト、砂漠蟹のマリネ、グリーンサラダ、氷蟹の刺身等々のご馳走が並ぶ。

 箸やフォークの使い方が分からない八咫烏母娘やクロエ達に、ライトやレオニス、ラウル、マキシが手取り足取り丁寧に教えている。


 さすがに箸はすぐに使いこなせないので、主にフォークを使って食べる方法をレクチャーした。

 行儀は悪いが、食べ物にフォークをブスッ!と刺すだけで口に運べるのだから、まずは楽な方法で食べ方を覚えさせてやるのが最善だろう。


 そうして様々なご馳走を食べるライト達。

 特にクロエは、この手のちゃんとした食事を食べるのはこれが初めてだ。

 その美味しさに、クロエがほっぺたを押さえながら感激する。


『ンーーーッ!どの食べ物も、とっても美味しーい!』

「お褒めに与り光栄だ」

『ラウルお兄ちゃんが作るお料理は、本当に特別ね!いつも食べさせてくれる甘いお菓子ももちろん好きだけど、ココは今日のご馳走もすっごく大好き!』

「度重なるお褒めの言葉、誠に光栄だ。そしたら今度は、向こうでもこうした食事を振る舞おう」

『ホント!? ラウルお兄ちゃん、ありがとう!』


 もぐもぐと咀嚼しながら、ほっぺたを押さえラウルの料理を大絶賛するクロエの、何と愛らしいことよ。

 こんなに大絶賛されれば、ラウルだって悪い気はしない。

 それどころか、むしろもっともっとたくさんの美味しいものを知ってもらいたい、とラウルが張り切るのは当然である。


 そうして楽しい晩餐でお腹いっぱい食べたライト達。

 リビング内のソファがある場所に移動し、おしゃべりを楽しむことにした。

 広々としたリビング中央にはロングソファが二つとミニテーブル、そして大きなクッションが四つ置かれている。


 このクッションはとても柔らかくて手触りが良く、いわゆる『人をダメにするクッション』と呼ばれるやつだ。

 それを見たクロエが、興味津々でライトにその使い道を尋ねた。


『ねぇ、ライトお兄ちゃん、この大きなのは一体何?』

「これはね、クッションというもので、この上に座ったり寝転んだりしてゆったりと寛ぐためのものなんだよ」

『へーーー……何だか面白そうね』


 クロエの質問に、ライトが実際にクッションにぽふん、と飛び込んで寝転がってみせる。

 暗黒の洞窟にはない人族ならではのアイテムに、クロエの興味はますます唆られる一方だ。

 そしてライトの横にあったクッションに、クロエもぽふん☆と飛び込んだ。


『はぇぇぇぇ……これ、とーっ……ても気持ちいいねぇー……』

「でしょでしょ? 一度これに座ったり寝転んだりすると、なかなか起き上がれなくなっちゃうんだけどねー」

『うんうん……ライトお兄ちゃんがそう言うのも分かるわぁー……』


 人をダメにするクッションにすっぽりと包み込まれながら、うっとりとした顔で寛ぐクロエ。

 このクッション、人どころか神殿守護神までダメにする素質があるようだ。


 他の二つののクッションにも、人化の術を解いて八咫烏の身体に戻った四羽の八咫烏母娘や、小さい身体を活かして半分づつシェアするラーデと闇の女王がクロエと同じくクッションに埋もれていた。

 ちなみにレオニスとラウル、マキシはロングソファに座って静かにコーヒーを飲んだりしている。


 しかし、せっかくのお泊まり会でこのまま寝落ちする訳にはいかない。

 クロエは奮起して何とか自分の身を起こし、ライトやレオニスに声をかけた。


『ねぇ、パパ、ライトお兄ちゃん、何かお話を聞かせて!』

「お話、か? どんな話を聞きたいんだ?」

『何でもいい!例えばパパやライトお兄ちゃんの小さい頃のお話とか、どこかにお出かけした話とか、どんなことでもいいから聞きたいの!』

「そしたら、シスターマイラさんから聞いた、レオ兄ちゃんの小さい頃の話とかはどう?」

「ブフーーーッ!!」


 何か楽しい話が聞きたい!とおねだりするクロエに、ライトがとっておきのレオニス幼少期の逸話を出そうとする。

 それを聞いたレオニス、思いっきりコーヒーを噴射している。

 ちょうどコーヒーを飲もうとカップに口をつけたタイミングで、そんな暴露話が持ち上がったのだから、たまったものではない。


 レオニスの横にいたラウルが無言で空間魔法陣を開き、乾いた雑巾をレオニスに渡す。

 ご主人様が噴き出したコーヒーだ、自分で拭け!という無言の圧に、レオニスがゲホッ、ゴホッ、と噎せながら雑巾を受け取り、テーブルを拭き拭きしながらしおしおと力無く呟く。


「……ライト、頼むからそれはヤメロ……」

「え、ダメ? そしたら何の話をしよう?」

「じゃあ、俺達がこれまで出かけてきた世界中のいろんな場所の話をしてやろう。例えば目覚めの湖にいる水の女王や湖底神殿守護神のアクア、海にいる海の女王やディープシーサーペント、他にも海樹ユグドライアや地底世界にいる冥界樹ユグドライアなんてのもいるぞ」


 他の代替案を求めるライトに、レオニスが気を取り直していろんな話のネタを提供する。

 それはどれもレオニスとライトにしか語ることのできないレアな冒険譚で、聞き慣れない未知の世界にクロエが身を乗り出してきた。


『うわぁ、それ、すっごく面白そう!パパ、そのお話を全部聞かせて!』

「いいとも。俺達も先日ようやく全ての属性の女王に会えたからな。属性の女王達とその神殿守護神の話をしてやろう」

『うん!』


 ニコニコ笑顔でレオニスの冒険譚を開きたがるクロエに、噴き出したコーヒーの後始末を終えたレオニスがクロエのクッションの横に来て座った。

 ワクテカ顔でレオニスを見つめるクロエの頭を、レオニスが優しく撫でる。


「そうだなぁ、どれから話そうか……まずはこの家や暗黒の洞窟がある山から近い、目覚めの湖の話からしようか。目覚めの湖ってのは、カタポレンの森で一番大きな湖でな。そこには闇の女王の姉妹である水の女王が住んでいて―――」


 レオニスの話を嬉しそうに聞き入るクロエに、レオニスはまず物理的にも一番近い目覚めの湖のことから話し始めた。

 そして、レオニスが語る話に興味津々なのは、何もクロエだけではない。

 闇の女王やラーデ、八咫烏母娘達も身を乗り出し、ラウルにマキシもレオニスに注目している。


 その後レオニスは、クロエに請われるがまま様々な世界の話を語り続け、その都度誰かがレオニスに質問したりして話が盛り上がっていく。

 カタポレンの森の夜は深々と更けていく中、レオニスの家の敷地内にあるコテージではいつまでも楽しくて賑やかな声が響き渡っていた。

 うひょー、今日は久しぶりに早めに書き上げたどー!(º∀º)

 でも23時過ぎなんですけど(´^ω^`)


 てゆか、ダメ作者のダメ自慢ダメ肯定とかどーでもいいんですよ。

 本編の方は、クロエのお泊まり会初日の本格スタートです。

 このファンタジー世界でお泊まり会をするとして、さて皆に何をさせよう?と考えた時、なかなかに良い案が出てこなくてですね…( ̄ω ̄)…

 これが昼間とか人里を歩けるなら、外食やお買い物に出かけたりさせることもできるんですがー(=ω=)

 クロエ達はそれが全くできない&夜だからコテージ内に篭もるしかないという・゜(゜^ω^゜)゜・


 かといって、トランプやらボードゲームというのも、ねぇ?

 そこら辺クロエ達は全く分からないので、一からルール説明とかしなくちゃなんないからすんげーめんどくさそう…( ̄ω ̄)…

 なので、レオニスやライトの冒険譚をクロエ達に聞かせてやろう!ということに。

 それならクロエ達も十分楽しめますしね!(^∀^)

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