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マイナーゲーム世界で人生を切り拓く〜気がつけばそこは、誰も知らないドマイナーソシャゲの世界でした〜  作者: 潟湖
ピッカピカの三年生一学期

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1430/1686

第1430話 コテージキットの完成

 ティファレト温泉旅行からラグナロッツァに帰還した翌日。

 黄金週間四日目は、皆それぞれ思い思いに過ごしていた。


 レオニスは、夜明け直後から夕方までずっと森の警邏に出かけていた。

 丸三日留守にしていたので、森の警邏も念入りかつかなり遠出しなければならない。

 ラウルは午前中は畑の手入れをしていたが、午後はマキシとともにラグナロッツァの街中に買い物をしに出かけた。

 そしてライトは、午前中はノーヴェ砂漠で魔物狩りをし、午後はカタポレンの家の自室でたっぷり昼寝をした後、午後三時頃に再びカタポレンの家に来たラウルと合流した。


「あ、ラウル、マキシ君、おかえりー!家具屋さんで良い物たくさん買えたー?」

「おう、ご主人様から買い物資金を多めにもらったからな。ベッドにワードローブ、テーブルやソファのセットなんかも買ってきたぞ」

「見せて見せてー!」

「そしたらライト君も、僕といっしょに家具の設置を手伝ってくれますか?」

「もちろん!」


 ライトの部屋にある転移門から現れたラウルとマキシ。三人は早速家の外に出た。

 三人が向かうのは、カタポレンの家のすぐ近くにできたコテージ。

 そう、ラウルがガーディナー組に注文したコテージキットの組み立てが無事終わり、敷地内に新しいコテージが完成したのだ。


 早速コテージの中に入るライト達。

 中はまだ一つも家具が入っていなくて殺風景だが、新しく出来た木製の建物は清々しい木の香りに満ちていて、癒やし効果が大いに期待できそうだ。

 一階はワンフロアのリビングになっていて、五十畳くらいはあるだろうか。

 南側には大きな掃き出し窓があり日当たりも良く、柔らかな春の午後の日差しが射し込んでいる。

 目の前に広がる開放感抜群のリビングに、ライトが目をキラキラと輝かせながら感嘆した。


「うわー、広々とした素敵なリビングだね!」

「魔の森のド真ん中にあるこのコテージに、そんなにたくさんの客が来るかどうかは分からんがな。ま、備えあれば憂いなしってことで、大人数が泊まりに来ても大丈夫な作りにはしてある」

「人族のお客さんは来れないかもだけど、カタポレンの住人なら来てくれる可能性は十分にあるよ? 例えばマキシ君の家族とかドラリシオの子達とか」

「まぁな……さすがにオーガやナヌスにはサイズが違い過ぎて、ちと厳しいだろうがな。……さて、そしたら皆で最後の仕上げをするか」

「「はーい!」」


 ラウルの呼びかけに、ライトとマキシが元気よく応える。

 まず手始めに、ラウルが空間魔法陣を開いて買ってきたばかりの大きな絨毯を取り出して三人がかりで敷き、その上にテーブルやソファ、そのままゴロ寝できる大きなクッションなどを複数置いた。

 特に南側の掃き出し窓前に置かれたゴロ寝用クッションが実に魅力的だ。ここで日向ぼっこをしながら寝転んだら、さぞかし気持ち良い昼寝ができそうだ。


 東西南北四方の壁際には、魔導具のランタンがついたフロアスタンドを二本づつ置き、カウンターキッチンの前には六人座りのテーブルと椅子を二組設置した。

 これでいつでもライト達がここで食事を摂ったり、夜も寝泊まりできるようになった。


 その後ライト達は二階に移動し、各部屋の窓全てにカーテンをつけ、絨毯やベッド、ワードローブなど必要なものを設置していく。

 二階には個室が五つあり、シングルベッド二つに大きなワードローブをおいてもゆったりとしたスペースがある。


 その後再び一階に戻り、キッチン内に備え付けられた食器棚にラウルが愛用する食器類の一部をどんどん収納していったり、風呂の脱衣所の棚に新品の各種タオルや石鹸などの備品を入れていく。

 ここまでくると、今すぐにでもこのコテージに住むことができそうだ。


 ライト達がコテージの内装工事?を粛々とこなしていると、玄関の扉が開く音がした。誰かがコテージ内に入ってきたようだ。

 現状でこのコテージに自由に出入りできる、ライト達以外の者といえば唯一人。

 その唯一の家族を出迎えるべく、ライトがコテージの玄関に向かって駆け出していった。


「レオ兄ちゃん、おかえりー!」

「おう、ただいま。今日はずっと森の警邏に出てて、コテージの内装を整える手伝いができなくてすまんな」

「ううん、大丈夫だよ!だってレオ兄ちゃんのお仕事は、森の警邏なんだから。そっちの方が最優先だもの!」

「そう言ってもらえると助かる。……つーか、早速だが俺もコテージの中を見ていいか?」

「もちろん!」


 森の警邏から戻ったレオニスが、早速コテージの中をあちこちと見て回っている。

 コテージ完成後、レオニスもまだ一度も中に入ったことがないので、中の作りを見るのはこれが初めてだ。

 そして広々としたリビングや二階の各部屋を一通り見た後、ラウルに声をかけた。


「さすがはガーディナー組だな、こんな良いものを150万Gで買えるなら万々歳だ」

「だな。材料の丸太は全てこっちからの持ち込みだが、それでも良い買い物をしたと思うわ」

「ラウルも組み立てご苦労さん。家具の方は、先に渡しておいた金で足りたか?」

「ああ、とりあえず預かっていた金貨三十枚で足りたわ」

「そりゃ良かった。余った金でまた俺達に美味いもんでも作ってくれや」

「了解ー」


 ラウルの働きを労うレオニスに、ラウルも事も無げに答える。

 この大きなコテージの内装を完備させるには、それなりの手間と日数がかかるものなのだが。ラウルはその持てる能力を存分に駆使して、半日ぽっちで見事に仕上げてしまった。

 このコテージも、ガーディナー組でキット化してもらったものを全てラウルが組み立てたし、キット化する前段階の丸太も全部ラウルが伐採木から作り上げた。

 さすがは万能執事、何をさせても完璧である。


 そしてレオニスがリビングの真ん中に立ち、改めて周囲を見回しながら呟く。


「これだけ広ければ、ココも十分に寛げるな」

「だよね!そしたら早速ココちゃん達を迎えに行こうよ!」


 レオニスの呟きに、真っ先にライトが反応してレオニスの手を両手で掴んで引っ張る。

 何故温泉旅行から帰宅した翌日に、皆してこんなにも働いていたのかというと。それは、クロエとの約束『パパ(レオニス)の家にお泊まりに行く!』という約束を果たすためであった。

 クロエの初めてのお泊まり会、それに相応しい場所を提供するためにこのコテージの完成を急いだのだ。


 窓の外から、夕焼け色の日差しが射し込む。

 空は茜色に染まり、クロエを迎えに行くにはちょうどいい時間だ。

 クロエに会いに行ける喜びに破顔するライトに、レオニスもフフッ、と優しく微笑む。


「そうだな、じゃあ今から暗黒の洞窟に行くとするか」

「俺は今から暖炉を整えたり晩飯の支度をするから、ココちゃん達の迎えはご主人様達に任せるわ」

「じゃあ僕はラウルの手伝いをするので、レオニスさん、ライト君、ココちゃん達のお迎えをよろしくお願いしますね!」

「うん!ラウル、マキシ君、たくさんのご馳走を用意しといてね!」

「おう、任せとけ」


 クロエのお迎えはライトとレオニス、コテージに残りもてなす用意をするのはラウルとマキシ。

 役割分担を決めた後、ライトとレオニスはコテージの外に出て夕闇が迫る薄暗い空を、暗黒の洞窟がある方向に向かって猛烈な勢いで飛んでいった。

 ティファレト温泉旅行完遂の次は、新築コテージの完成お披露目です。

 黄金週間四日目ということで、早速クロエのお泊まり会を決行!

 区切りの良いところで一旦締めたので、ちと文字数少なめですが。明日からクロエの初めてのお泊まり会が始まります。

 ティファレト温泉旅行に続き、クロエ&闇の女王という女子成分高めで作者もウッキウキ♪>∀<

 楽しいお泊まり会になるといいなー♪( ´ω` )

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