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マイナーゲーム世界で人生を切り拓く〜気がつけばそこは、誰も知らないドマイナーソシャゲの世界でした〜  作者: 潟湖
ピッカピカの三年生一学期

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1424/1686

第1424話 ファッションショーとティファレト旅行三日目

 ティファレトの街中で存分に買い物を楽しんだライト達。

 お昼は前日レオニスが昼食を食べた『迷える小魚亭』に入り、皆で虹マス料理を堪能した。

 その後早々にコテージに帰り、カイ達が八咫烏女性陣達を相手に早速ファッションショーを始めた。


 ファッションショー会場となったのは一階のリビング。

 カイ達が先程購入したばかりのムームーをレオニスから受け取り、何着も出してはアラエルやトリス、ミサキに着せる。

 ムニンには、セイがセレクトしたアロハシャツにスッキリとした白の七分丈パンツを組み合わせて着せていた。


「まぁー、皆すっごくよく似合ってるわぁー」

「やっぱりムニンちゃんには、パンツ姿が最ッ高ーーーに合うわね!」

「皆、柄や色の好みがあったら教えてね!」


 八咫烏達の着せ替えに夢中なアイギス三姉妹。

 一方で着せ替え人形と貸しているアラエル達も、存外楽しそうに着替えている。


「母様の紫色の服、とってもステキ!」

「ムニン姉様だけ、私達と服の形が違うけど……でも、ムニン姉様の服も動きやすそうで良いわね!」

「貴女達の着ている服も、とても綺麗で可愛いわよ」

「父様達にもお見せしたいわね!」


 互いに着ている服を褒め合う八咫烏母娘達。

 八咫烏達に服を着るという文化や習慣はないが、黒以外の色とりどりの服を着るという初体験はとても楽しいようだ。


 そんな風にずっとキャッキャウフフ☆しているアイギス三姉妹と八咫烏母娘達。

 その仲睦まじい姿を、ライト達も微笑みながら見ている。

 ちなみに服の着替えは全て衝立の向こうでしていて、ライト達男衆には見えないようにちゃんと配慮されている。


「ねぇねぇ、ライトちゃん、見て見て!この服、可愛いでしょ!」

「うん!明るいオレンジ色がミサキちゃんにとってもよく似合ってるよ!」

「マキシ、母さんの服、大丈夫かしら……変じゃない?」

「大丈夫ですよ!母様は八咫烏の聖女なんですから!高貴な紫色がとってもよくお似合いです!」

「レオニス殿、このパンツというのは貴殿やラウル殿も穿いておられるが……これは女の私も着ていいのだよな?」

「もちろん。二本の足を覆うパンツは、男女どちらも着るものだ。だからムニンも安心していいぞ」

「ラウル殿の目から見て、私達はちゃんと人化できているだろうか?」

「大丈夫。どこからどう見ても人族の女性にしか見えないから、自信を持っていいぞ」


 ライト達に人族の服を着たところを見せながら、その感想や意見を求める八咫烏母娘達。

 皆本当に服が似合っていて、ライト達もお世辞抜きで褒め称えている。


「じゃあ次は、私達が持ってきた服を着ましょうか」

「服は全部二階に置いてあるから、着替えの続きは二階でやりましょ!」

「そんな訳で、私達は二階に行ってるから、レオ達も好きなことをして過ごしててね!さ、アラエルさん達も行きましょ!」

「「「「はい!」」」」

「いってらー」


 人化の姿を保ったままのアラエル達を、カイやセイ、メイが嬉しそうに手を引きながらリビングを出ていく。

 それまで賑やかだったリビングに、しばしの静寂が横たわる。


「カイ姉達、ホンット元気だな……」

「母様達も楽しそうで、本当に良かったです」

「時間もちょうど三時を回ったところだし、皆で三時のおやつにするか」

「賛成ー!」


 嵐が去った後のような静けさに、ライト達もほっと一息をつく。

 その後ライト達だけでのんびりとした午後のひと時を過ごしていった。



 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 その後時間はあっという間に過ぎ、ティファレト温泉旅行三日目を迎えた。

 カイ達は、コテージの食堂で皆で晩御飯を食べた後も八咫烏母娘達とファッションショーを続けていた。

 種族を超えた女子会は夜遅くまで続き、彼女達が起きたのは午前九時過ぎだった。

 ちなみにフォルとラーデは、旅行初日からずっとカイ達と同じ部屋で寝泊まりしている。

 一方ライト達は、朝八時には食堂に下りてちゃちゃっと朝ご飯を済ませ、今日の行動の予定を話し合っている。


「レオ兄ちゃん、今日はティファレト遺跡を見に行って、冒険者ギルドのティファレト支部にいるクレネさんに会いに行くんだよね?」

「そうだな。ラウルとマキシはどうする? 他に何かしたいことはあるか?」

「昨日はご主人様が行ったという魚屋には行けなかったから、今日は何としても魚屋に買い物をしに行きたいかな」

「僕は……カイさん達や母様達の護衛として、ここに残って留守番をしたいです。このコテージで特に何かが起こるとは思えませんし、大丈夫だろうとは思いますが……」


 今日の予定を話し合う中で、マキシだけはコテージに残り皆を守りたいという。

 確かにレオニスやラウルも不在となれば、戦力的に大幅ダウンは否めない。

 このコテージで万が一何かが起きた場合、八咫烏母娘の中でムニンやトリスが戦えるだろうが、特にアイギス三姉妹は荒事に関してはからっきし向いていない。

 まさか、いきなり強盗がコテージに押しかけてくるなどないだろうとは思うが、それでも不測の事態に備えておくことは決して悪いことではない。

 この世に絶対などということはないのだから。


 そうしたマキシの思いがけない決断に、ライト達が感じ入ったようにマキシに声をかける。


「そっか……そしたらマキシには、フォルやラーデといっしょに留守番しててもらうか」

「任せてください!」

「マキシ君に喜んでもらえるような、良いお土産を探してくるね!」

「フフフ、ライト君、ありがとうございます。特にこれといったものが見つからなければ、無理して何かを用意する必要はありませんからね」

「よし、そしたらマキシ、今日の皆の分の昼食やおやつを預けておくから、カイさんやアラエルさん達と食べてくれ」

「ありがとう!ラウルのご飯やおやつなら、きっとカイさん達も喜んでくれるよ!」


 レオニスやラウルがマキシの決意を労い、ラウルが空間魔法陣を開いてアイギス三姉妹や八咫烏達の今日の食事を取り出してマキシに手渡す。

 マキシもラウルの厚意に甘えて、空間魔法陣を開いてラウル特製料理を受け取っては仕舞い込んでいく。


 そんなやり取りをしていると、リビングの扉がカチャ……と開き、カイが入ってきた。

 女性陣中で一番乗りに起きてきたカイは、ふぁぁ……と欠伸をしながらライト達に朝の挨拶をする。


「皆、おはよう……思いっきり寝坊しちゃって、ごめんなさいねぇ……」

「カイ姉、おはよう。昨夜は遅くまで着替えを楽しんでたようだな」

「ええ、八咫烏の皆も喜んで何でも着てくれるもんだから、ついつい興が乗っちゃって……私以外はまだ皆寝てるけど、そろそろ起こしてくるわね」


 まだ眠いのか、寝ぼけ眼で目を擦るカイ。

 いつもしゃんとしたしっかり者のカイにしては、とても珍しい姿だ。

 そんなカイを気遣い、レオニスが微笑みながら話しかけた。


「いや、無理に起こさんでもいい。カイ姉達は、今日は一日どこへも出かけずにコテージでのんびり過ごすんだろ? なら、まだゆっくりと寝てていいさ」

「皆にだらしないところを見せちゃって、恥ずかしいわぁ……でも、ここはレオちゃんのお言葉に甘えちゃおうかしら」

「おう、いくらでも甘えてくれ。カイ姉達が俺に甘えてくれることなんて、滅多にないことだからな!」


 寝ぼけ眼よりもさらに珍しいカイの甘える宣言に、レオニスが嬉しそうにニカッ!と笑う。

 カイはいつもレオニスを甘やかしてくれるが、その逆にカイがレオニスに甘えることはまずほとんどない。

 姉と慕い敬愛するカイに、こうして甘えてもらえることはレオニスにとっても本当に嬉しいことだった。


「俺とライトとラウルは出かけるが、マキシが留守番で皆を守ってくれるそうだ。今さっき、ラウルが今日の昼飯とおやつをマキシに渡してたから、時間になったら皆で食べててくれ」

「まぁ、それはありがたいわ。お昼ご飯の支度をしなくてもいいなんて、こんなに嬉しいことはないわ」

「あと、フォルとラーデも置いていくからよろしくな」

「ええ、任せて。皆で楽しく留守番させてもらうわね」


 レオニスの心遣いに、カイがニッコリと微笑みながら応える。

 そうしてカイは二度寝すべくリビングを出て再び二階に上がり、ライト達は出かける支度をしてコテージを出て目的地に向かっていった。

 前話で購入したムームー他洋服のお着替えと、ティファレト旅行三日目の朝です。

 ホントはね、マキシもラウルあたりといっしょにお出かけさせるつもりだったのですが。気がつけば留守番して皆を守る宣言してました…( ̄ω ̄)…


 まぁね、確かにね、アイギス三姉妹と八咫烏母娘だけをコテージに残したまま、男達全員お出かけさせるっていうのもアレかな……とは思いますし。

 マキシも日々アイギスで働きながら、アクセ作りの修行に勤しんでいますし。ここはカイ達やアラエル達とともに、コテージで思いっきり羽を伸ばしてのんびり寛ぐのもいいでしょう。

 ええ、八咫烏だけに物理的にも羽を伸ばしてゴロ寝しちゃったりなんかして?( ̄m ̄)

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