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マイナーゲーム世界で人生を切り拓く〜気がつけばそこは、誰も知らないドマイナーソシャゲの世界でした〜  作者: 潟湖
ピッカピカの三年生一学期

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1405/1690

第1405話 今年の黄金週間の予定

 読者の皆様、あけましておめでとうございます。

 旧年中は拙作をご愛読いただき、誠にありがとうございました。

 また、年末年始の四日のお休みもいただき、作者も久しぶりにのんびりとした正月を過ごすことができました。

 予定通り今日から連載再開し、2025年初の投稿となります。

 今年も作者の力が続く限り、サイサクス世界の物語を綴る所存です。

 本年もどうぞよろしくお願いいたします<(_ _)>

 イヴリン達と黄金週間の予定を決めたその日の夜。

 ラグーン学園から帰宅後、カタポレンの家の自室で机に向かうライト。

 今年の黄金週間は何をしようか、という計画を練っていた。


 今年の黄金週間は、4月29日が土曜日で5月7日の日曜日までの九連休となる。

 九連休もあれば、ラグナロッツァ内での各種イベントだけでなく泊まりがけの旅行だって十分可能だ。

 とはいえ、遠方に出かける主な理由だった属性の女王探しはひとまず完了したので、今のところすぐに遠出しなければならない場所も特にないのだが。


 これまで主に晩御飯時にレオニスやラウル、マキシとも話し合って、黄金週間の間に何をしたいか、どこに行きたいかのリストアップを進めている。

 そうした話し合いの中、今のところライトの中で候補に挙がっているのは以下の通りである。



 ・『五月病御祓いスタンプラリー』参加

 ・ノーヴェ砂漠で素材採取

 ・『呪われた聖廟』で素材採取

 ・採取した素材の解体とギャラクシーエーテル作成

 ・クロエの生まれて初めてのお泊まり会(一泊二日)

 ・鑑競祭りの第一部観覧(初日)と第二部参加(最終日)

 ・級友達と『レインボースライム戦隊ショー』観劇(最終日の前日)



 これらの計画を書き上げた紙を眺めつつ、ライトは独りごちる。


「ンー、ひとまずこんなもんかなー。去年はマキシ君の里帰りについていって八咫烏の里に行ったり、海の女王様に会いにラギロア島に出かけたりと結構遠出してたから、それに比べたらまだのんびりできる方かも?」

「てゆか、このサイサクス世界にも戦隊ショーってあるんだな。すんげー楽しみ!」

「……あ、そうだ、今年は鑑競祭りの第一部の飛び入り参加もしてみたいな!飛び入り参加でも出せそうなお宝って、何かあるかな? ちと探してみるか」


 それまで勉強机に座っていたライト。鑑競祭り第一部で飛び入り参加できそうなお宝がないかを模索し始めた。

 とりあえずマイページのアイテム欄を開き、現在所持しているアイテムを下から上へスクロールさせながらざっと見ていく。


 しかし、その大半は魔物由来の素材だったり幻の鉱山で採取した金属類や宝石といった品ばかり。

 いや、その中でも『火山蜥蜴の皮』や『咆哮樹の実』、『銀色のねばねば』など、極一部は本当に高値がつきそうな珍品がいくつかあるにはあるのだが。そのどれもが採取場所や出処を明かせない品ばかり。

 これでは飛び入り参加で出品しても、お宝の由来などろくに解説できやしない。

 また、他にも属性の女王達からもらった乙女の雫もあるが、こちらはレオニスが鑑競祭りの第二部でオークションに出すような超稀少品。

 とてもじゃないが、第一部の飛び入り参加で出すには荷が勝ち過ぎるお宝だ。


 そうしてライトがあれこれと思案しているうちに、ふと横を向いた拍子に目に飛び込んできたもの。

 それは、コートハンガーにかけてある赤茶色のホルダーに入ったワンドだった。

 ワンドの存在を思い出したライトの目が、一気にキラキラと輝く。


「あ、このワンドなら鑑定で高額が出るかも!……いや、間違いなくってか絶対に高額が出るよね!だって、ツィちゃんの枝で作ったワンドだもん!」

「ツィちゃんから直々に分けてもらった神樹の枝で、しかも人気ナンバーワンの杖職人ユリウスさんが作ったワンドとなれば……もしかして100万Gとか軽く超えちゃうかも!?」


 レオニスやラウルだけでなく、他の誰に出処を聞かれても胸を張って説明できる数少ないお宝、それがライト用に作ってもらった神樹の杖のワンドである。

 神樹の枝という材質からして超貴重な上、その制作者は当代随一の超人気杖職人であるユリウスが手がけた逸品。

 しかも杖には複数の宝石が嵌め込まれていて、大幅な魔法効果増幅ができるというハイスペック仕様となっている。


 これを出品すれば、間違いなく高額鑑定になることだろう。

 しかし、それまで嬉々として浮かれていたライトが、はたとなって動きを止めた。


「でも……俺みたいな子供が、こんな貴重品を人前で見せびらかすように出したら、悪い奴に目をつけられちゃうかも……」

「金持ちのボンボンと思われて、ラグーン学園の登下校中に人攫いに拐われる危険とか増えそうだし……」

「ンーーー……どう考えても俺の手持ちのアイテムを出すのは危険だな……今年も鑑競祭り第一部の飛び入り参加は諦めるか」


 はぁー……と大きなため息をつきつつ、ライトは視線をマイページに向け直してそっと閉じる。

 お宝として出せる適切な範疇の品がなかったので、どうやら鑑競祭り第一部の飛び入り参加は断念したようだ。


 実際ライトはこれからも普通の子供として、のんびりとしたスローライフを送りたいと思っている。

 そのためには、悪人に目をつけられるような派手で目立つ行動は控えるべきだ、とライトは常々考えていた。

 とはいえ、今のライトをそこら辺のチンピラが無理矢理拐うことが果たして可能かどうかは甚だ疑問だし、ライト自身もそこら辺には全く気づいていないのだが。


 鑑競祭り第一部の飛び入り参加を断念したライト。

 次に着目したのは『クロエの生まれて初めてのお泊まり会(一泊二日)』。

 これは、先日クロエの誕生日会をした時に、クロエが闇の女王やレオニスに訴えたことだった。



 …………

 ………………

 ……………………



『ねぇ、ママ、パパ、お願いがあるんだけど』

『ン? 何ですかな?』

『あのね、ココね、パパのおうちにお泊まりしたいの!』

「俺の家に、か?」

『うん!』


 クロエの誕生日会の最中に、彼女が闇の女王とレオニスに申し出たお願い。それは『レオニスの家にお泊まりに行きたい!』というものだった。

 その理由を、クロエが懸命に訴えかける。


『あのね、ココももう一歳になったでしょ? だからね? そろそろ暗黒の洞窟のお外に、出かけてもいい頃じゃないかと思うの』

『吾は反対です。ココ様はまだ幼く、危険に満ちた外の世界に出るのは危険です』

『でも!こないだ天空島にお出かけしたし!』

『そ、それは……あの時はどうしてもココ様の御力が必要だったから、致し方なくお呼びしたまでで……』

『あの時ココは、すっごく頑張ったよ? だから、あの時のご褒美が欲しいの!』

『………………』


 必死に言い募るクロエの言葉に、闇の女王が押し黙る。

 確かにクロエの言う通りで、彼女は天空島の危機に際し闇の女王の要請に応じて馳せ参じた。

 実際にはライトとラウルがクロエを抱っこして天空島まで連れていったのだが、その時彼女が初めて暗黒の洞窟の外に出たことに違いはない。

 あの時大丈夫だったんだから、もう大丈夫だよね?と言われれば否定はできないし、天空島の危機を救うために頑張ったご褒美として認めてほしい!と言われれば、なおのこと闇の女王は反論できなかった。


 クロエと闇の女王、二者のやり取りをそれまで静かに見守っていたレオニスが徐に口を開いた。


「闇の女王、あんたの負けだ。ココの願いを叶えてやろうじゃないか」

『うぬぅ……』

「それに、考えてもみろ。天空島を救ったご褒美が外でのお泊まりなんて、可愛らしいじゃないか。天空島の大恩人の願いにしてはささやか過ぎるってもんだろ」

『……まぁな……其の方の言うことも一理ある』


 レオニスの言葉に、闇の女王も渋々ながら認める。

 確かにレオニスの言うことも尤もで、クロエの力がなければ天空島で発生した世界存亡を賭けた戦いに勝利することはできなかった。

 その時の働きのご褒美としてクロエが求めるのが外へのお出かけとは、対価としてあまりにも安過ぎるのも事実。

 この程度のことも叶えてやれないとなれば、属性の女王の名折れというものである。


 するとここで、クロエの誕生日会に同席していたラーデもクロエの擁護に出た。


『闇の女王よ、我からも頼む。ココの願いを叶えてやってくれまいか』

『皇竜よ、其の方まで我に頼み事をするのか』

『ああ。我が今、こうしてここで皆と語らい平穏な時を過ごせるのも、全てはココの力添えあってこそなのだからな。故に我がココの味方をしてもおかしくはあるまい?』

『……そうだな。ココ様は、紛うことなき其の方の生命の恩人だからな』

『うむ、そういうことだ』


 ふぅ……という小さなため息をつく闇の女王。

 レオニスだけでなくラーデまでクロエの味方となれば、如何に闇の女王とて無碍にはできない。

 そしてここでライトやラウル、さらにはマキシまでトドメの擁護をし始めた。


「闇の女王様、大丈夫です!ぼくやレオ兄ちゃんがココちゃんの送り迎えをしますし、ココちゃんがお出かけしている間だってぼく達が必ずココちゃんの傍にいますから!」

「そうだな。大小ご主人様達だけでなく、俺だってココちゃんの護衛をするぞ」

「あ!そしたら僕もココちゃんの護衛をします!普通の平日はちょっと厳しいけど、僕が仕事休みの日とか……あ!黄金週間の間ならアイギスもお休みだから、僕もずっとお休みでココちゃんの傍にいられますし!」

『ライトお兄ちゃん、ラウルお兄ちゃん……マキシ君まで、ココのためにありがとう……』


 ライトにラウル、マキシの心強い擁護に、クロエが感激の面持ちでライト達に礼を言う。

 ここまで四面楚歌となっては、もはや闇の女王に対抗できる手段はない。

 闇の女王が小さく笑いながら、クロエに話しかけた。


『……分かりました。レオニス達にも異論はないようですし、ココ様のささやかなる願いを聞き届けましょう』

『!!!!! ありがとう、ママ!』


 周囲の説得に折れる形で、闇の女王もクロエの願いを叶えることに同意した。

 自分の願いを叶えてくれたことに、クロエが破顔しながら闇の女王に抱きつく。

 闇の女王に頬ずりするクロエ。その頭を優しく撫でながら、闇の女王がレオニスに向かって改めて口を開いた。


『レオニスよ、ココ様のお泊まりする日に関しては其の方らに任せる。其の方らにも都合というものがあるだろうからな』

「ああ、そうしてもらえるとありがたい」

『そして、ココ様のお泊まりに関しては我もついていくぞ。といっても、我が付き添えるのは夜の間だけだがな』

「それも承知した。闇の女王がいない昼間でも、必ず俺達がココの身を守るから安心してくれ」

『うむ。ココ様とともにある間は、何をさて置いてもココ様の身の安全を最優先すると約束してくれ。……もっとも、其の方らが常にココ様を守ってくれるならば、万に一つの危機もなかろうがな』

「おう、任せとけ!」


 クロエの護衛をくれぐれも頼む闇の女王。

 闇の女王とて、クロエを外の世界に出すことに全く不安がない訳ではない。

 しかし、レオニス達が常にクロエの身を守ってくれるならばその不安もかなり薄れる。闇の女王もまた、天空島での戦いを通してレオニスの実力をよく知っていた。


 こうしてクロエのお出かけは、闇の女王の了承も無事に得て決まったのだった。



 ……………………

 ………………

 …………



 その後の話し合いで、数時間の日帰りではとても時間が足りないから一泊二日のお泊まり会にしよう!ということになり、その開催も黄金週間の間のどこかの日にしよう、と決まった。

 今のところ黄金週間中にライトの予定が入っているのは、初日と八日目と最終日。

 それ以外のどの日にするかは、また今夜レオニスやラウル、マキシとともに話を詰める予定だ。


「ココちゃんの初めてのお泊まり会、絶対に大成功させたいな!」

「どうしたらココちゃんに喜んでもらえるだろう? 今からお出かけ先のリストを挙げておいて、レオ兄やラウルともよーく話し合っておかないとね!」


 可愛い妹分のクロエにより一層喜んでもらうために、今から張り切るライトだった。

 2025年初の投稿です(・∀・)

 作者も健康な身体で(←ここ重要)四日間のお正月休みをいただき、ますますパワーアップして戻ってまいりました!……って、一発目の投稿が黄金週間の予定発表に終始するという、実に地味ーなスタートとなってしまいましたが( ̄ω ̄)

 でもまぁね、拙作のスローペース&マイペースは今に始まったことではないですしおすし!(º∀º) ←開き直り


 しかし、BCO&サイサクス世界資料集の方は一つも更新できず…( ̄ω ̄)…

 ホントは職業システムで得たスキルの一覧表なんかも作りたいなー、と考えてはいたのですが。スキル名やその詳細を新規に何十個と作り出す労力までは得られませんでしたぁ_| ̄|●

 次こそは!来年こそは!スキル一覧表に着手したい!(;ω;)


 そんなこんなで相変わらず怠け者&粗忽者の作者ですが。

 今年もどうぞ拙作と拙作の子達の活躍を、温かく見守っていただけますようお願い申し上げます<(_ _)>

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