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マイナーゲーム世界で人生を切り拓く〜気がつけばそこは、誰も知らないドマイナーソシャゲの世界でした〜  作者: 潟湖
二度目の春休み

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1371/1686

第1371話 春休み最後の日

 ライトが星海空間でコヨルシャウキとビースリー対戦を行った翌日。

 この日はライトの二度目の春休み最後の日。一日中気兼ねなく動けるのも今日までだ。

 ライトは朝の魔石回収ルーティンワークを終え、カタポレンの家でレオニスと朝食を食べた後転職神殿に移動した。

 ライトが来たことに目敏く気づいたミーナやルディ、そしてレアを抱っこしたミーアがライトのもとに駆け寄ってきた。


『あ、主様!おはようございます!』

『パパ様、おはようございます!』

『ライトさん、ようこそいらっしゃいました』

『パパ、いらっしゃーい』

「皆、おはようございます!」


 転職神殿組みに囲まれて、ライトもにこやかな笑顔で朝の挨拶をする。

 ライトがレベルリセット以外の用事でここに来るのは、使い魔の卵からハドリーのレアを孵化させて以来一ヶ月ぶりのことだ。


『主様が朝からいらっしゃるということは、今日は何か特別な用事があるのですか?』

「ミーナ、鋭いねぇ。今日は午前中はここで魔物の解体作業をさせてもらって、午後はミーナとルディといっしょに出かけたいところがあるんだ」

『出かけたいところ、ですか?』

「うん、それはまた後のお楽しみね!まずは解体作業をちゃちゃっとしちゃおー!」

『『『おー!』』』


 ライトの威勢のいい掛け声に、ミーナとルディだけでなくレアもミーアの腕の中で拳を突き上げて応えている。

 ライトが今から何をするのかは、レアには全く分かっていないのだが。それでも兄姉が張り切っている姿を見て自分もその気になっているようだ。

 そんな可愛らしいレアを、ミーアが微笑みながら頭をそっと撫でている。


 今日ライトが朝からこの転職神殿に来た一つ目の目的は、魔物の解体作業。

 ここ最近のカタポレンの家は、ラウルが畑を運用するようになってから毎朝野菜や林檎を収穫しに来るのが常となっている。

 そして畑の収穫が終わってからも、ラウルは焼却炉で殻焼きしたり緑肥を畑に鋤き込んだりとすることが多く、だいたい午前中いっぱいはカタポレンの家の外にいることが多いのだ。


 もちろんライトもそれらの作業を否定することなどない。ラウルのそうした働きのおかげで、ライト達は常に美味しいものを食べられるのだから。

 ただし、魔物の解体作業に関しては不自由になった。

 ラウルがすぐ傍にいる状態で、ライトが仕留めた数多の魔物を大っぴらに解体する訳にはいかないからである。

 そのためライトは絶対に人目につかない場所、つまり転職神殿の平地で魔物の解体作業をするようになったのである。


 早速ライトは平地に移動し、アイテムリュックから魔物を手当り次第に取り出し始めた。

 ブルーヒュプノモスにデザートスイーパー、エフェメロプターにサンドキャンサー等々、初めて目にする大きな魔物の死体にレアが目を丸くして驚いている。


『すごい……こんなに大きな魔物を狩れるなんて、やっぱりパパはすごいや!』

『そうですよ、レア。貴女のパパであるライトさんは、このサイサクス世界で唯一無二の勇者候補生ですからね。とてもすごくて強くて、このサイサクス世界を救う救世主であらせられる御方なんですよ』

「ミーアさん、それは褒め過ぎですって……」


 レアに言い聞かせるように、優しい声でライトを持ち上げるミーア。

 そんなミーアに、ライトが苦笑いしつつやんわりと否定する。

 しかし、ライトのことを救世主と思っているのは何もミーアだけではない。

 ミーナとルディもまたミーアの考えに思いっきり賛同し始めた。


『そんなことないです!主様は既にこの国の首都をビースリー危機から守った、偉大な救世主です!』

『そうですよ!パパ様はもう立派な勇者です!』

「ミーナにルディまで、またそんな大袈裟なこと言って……ぼくは極々普通の子供なんだからね?」

『『『………………』』』


 ミーナとルディの賛同に、ライトがぷくーっ!と頬を膨らませつつ抗議する。

 しかし、ライトの功績を知っているミーア達にしてみたら、それこそ『え、何言ってんの?』といったところだ。

 そもそも極々普通の子供は旧教神殿跡地なんて廃墟に入り浸ったりしないし、ビースリーが勃発しかけたラグナロッツァの危機を救うこともできない。

 もとより勇者候補生などという特殊な性質を持っている時点で、もはや普通ではないのは明白である。


 なのに、ライト自身未だに大真面目に『自分は普通の子供!』と主張するのは、もしかしたら養い親であるレオニスのせいかもしれない。

 もしここにクレアがいたら、きっとライトに向かって「またまたぁ、何を寝言吐いているんです? 寝言は寝て言うものですよ?」とツッコミを入れてくれるに違いない。

 この場にクレアがいないことが、本当ーーーに残念である。


「ま、ぼくのことなんてどーでもいいんだよ。まずはノーヴェ砂漠で狩りまくったこれらの魔物を、今から全部解体しなくっちゃ!」

『へー、初めて見る魔物だとは思いましたが、これらはノーヴェ砂漠で狩ってきたんですね!』

「そうそう、今のぼくの目当てはこの大きな蟹、サンドキャンサーの持つ鋏なんだけどね。出てくる魔物を選り好みしてらんないから、片っ端から仕留めなきゃなんなくてさ。それもこれも全部、クエストイベントをクリアするために必要なことなんだー」

『パパ様が取り組んでおられるクエストイベントというのは、とても大変なことなんですねぇ……』


 ライトのアイテムリュックから次々と出てくる魔物の残骸を、ミーナとルディが興味深げに繁繁と眺めている。

 そしてライトはマイページのアイテム欄から【解体千本刀】を取り出して右手に持った。


「よーし、そしたら今からじゃんじゃん解体していくから、ミーナとルディも手伝ってね!」

『『はい!』』


 ライトが腕まくりしつつ、魔物の解体作業を始める。

 一番の目当てであるサンドキャンサーは、まず胴体から脚を切り離し、脚と爪も切り分ける。

 青い蛾のブルーヒュプノモスは前翅、中翅、後翅の各二枚、胴体、二本の触角。ヒトデもどきのデザートスイーパーは胴体に相当する盤、七本の大腕、二本の小腕、口から生えている刃のような鋭い歯。カゲロウもどきのエフェメロプターは二本の大鎌、胴体、八枚の薄翅、三つ目の頭部をそれぞれに切り分けていく。


 そしてライトがシュパパパパ!とものすごい勢いで解体していくその横で、ミーナとルディが切り分けられた素材をライトのマイページにどんどん突っ込んでいく。

 これはレオニス達の空間魔法陣などと同じで、その所有者ではないミーナやルディでもそこに物を入れるだけなら彼女達でも可能なのである。


 しかし、ライトが次々と出してくる魔物の量が何しろ半端ない。

 どの魔物もストックが何百体とあって、全部合わせたら優に千を超える。

 それもこれも、全てはここ数日間ずっとノーヴェ砂漠で魔物狩りをし続けた成果である。


 一心不乱に解体作業をこなしていくライト。

 その横で解体によって切り分けられた素材を、ミーナとルディがひたすら拾い続けてライトが開きっぱなしのマイページに放り込んでいく。

 その様子をミーアとともに眺めていたレアが、ぽつりと呟く。


『パパ達が今何をしているのか、私にはよく分かんないけど……私のパパは、とてもすごい人なんですね』

『ええ。レア、貴女の生みの親であるライトさんは、本当に本当にすごい御方なのですよ』

『それをお手伝いできるミーナ姉様とルディ兄様も、とてもすごいと思います』

『そうですね。ミーナとルディも、とてもすごくて賢くて優しい子達です』


 目の前でバリバリに働き続けるライト達を見て、レアが心の底から絶賛している。

 そんなレアの頭をミーアが優しく撫でていると、レアが頭をクイッ、と上げてミーアの顔を見上げながら話しかける。


『そんなミーナ姉様やルディ兄様が、姉様と慕っているミーア姉様もすごいです。私もいつか、姉様達や兄様のように、パパのお役に立てるようになれるでしょうか?』

『レア、貴女ならきっとすぐにでもできますよ。私が保証します』

『ミーア姉様、いつもありがとう……大好きです!』


 不安そうな顔で問いかけるレアに、ミーアは即座に肯定する。

 ミーアは常にポジティブで、ネガティブなことは滅多に言わない。

 嫋かな笑みで全肯定してくれるミーアに、レアが嬉しそうな笑顔でミーアに抱きついた。


 そうしてこの日の午前中は、ひたすら魔物の解体作業に明け暮れていった。

 ライトの二度目の春休みも、いよいよ最終日になりました。

 ラグーン学園が春休みに入ってから早40話、作者時間で一ヶ月半が経過してしまいましたよ。

 初めての春休みが全部で42話だったので、今回はそれを軽く上回ること確定です。てゆか、ライト君、君ホンットやること多過ぎるて><


 そしてここで突然ですが、作者的プチ悲報をお届け。

 今現在、作者は思いっきり風邪を引いてしまいました。

 くッそー、昨夜までは何ともなかったのに……今日起きたら鼻の奥が思いっきり風邪菌に侵されてやがりましたよ……(;ω;)

 こりゃアレか、昨日の日曜日にコタツを出すためにリビングの窓全開で掃除三昧していたせいか?

 それともコタツを出してしばらくぬくぬくしてたせい?

 何でだよー、まだコタツで寝てもいないってのに><


 ここ数年はコロナ禍の影響でアルコール消毒が徹底されていたせいか、冬でも長らく風邪を引いていなかったのですが。今年は早々に風邪菌に負けてしまいました_| ̄|●

 今のところ鼻と喉がやられただけで、発熱には至ってないので気分的には全然大丈夫なのですが。

 熱が出たら途端にダメになる作者なので、とにかく熱を出さないように努力せねば…( ̄ω ̄)…


 そんな訳で、この先もし高熱が出たら寝込んで執筆もままならなくなる可能性があることだけお伝えしておきます。

 もし更新がなされなかったら『あー、やっぱ熱出して寝込んでんのねー』と思って数日は生温かく見守ってやってください。

 そして更新が数日滞ったとしても必ずや復活するつもりですので、何卒ご了承の程よろしくお願いいたします<(_ _)>

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