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マイナーゲーム世界で人生を切り拓く〜気がつけばそこは、誰も知らないドマイナーソシャゲの世界でした〜  作者: 潟湖
二度目の春休み

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第1358話 いよいよノーヴェ砂漠遠征本番

 ルド兄弟のもとで砂漠蟹の買い付けを無事終えたライトとレオニス。

 ネツァクの街を出て、ノーヴェ砂漠に向かう。

 時刻は午後三時を少し回ったところで、夕暮れの探索にもちょうどいい頃合いだ。


「よし、ここら辺からはもう人目もないことだし、空を飛んで上空から様子見するぞ」

「そうだね、その方が魔物に襲われる心配もないし、魔物除けの呪符の節約にもなるもんね!」

「そゆこと。ひとまずワカチコナを目指すぞ」

「はーい!」


 レオニスの言葉に、ライトがうんうん、と頷きつつ同意する。

 ノーヴェ砂漠の固有魔物の中にも飛行種族はいるが、ブルーヒュプノモスは蛾型でエフェメロプターは蜉蝣型、どちらも虫寄りの魔物のため、鳥型と違いそこまで高く飛べないのだ。

 故に、ライトやレオニスのように高く飛べる場合は上空から探索する方が圧倒的に効率が良いのである。


 そして、まずワカチコナに向かうというレオニスの方針も妥当だ。

 冒険者ギルドネツァク支部で得た近年の砂の女王の巨城の目撃例だけでなく、砂漠蟹職人のルド兄弟の先祖もまたワカチコナ近辺で砂の女王の巨城と出会ったという。

 必ずしもワカチコナ近辺に現れるという訳ではないのだろうが、それでも実際にワカチコナで見たという証言が二例もあれば、まず真っ先に探索する価値は十分にある。


「ワカチコナは、ネツァクの街を出て真っ直ぐ北に進んだ先にある。とりあえず俺が先に飛んでワカチコナを目指す。地上の様子をよく見れる程度の速度、ゆっくりめに飛ぶからライトも砂漠の様子を注意深く見ながら後をついてきてくれ」

「うん、分かった!」


 レオニスがふわり、と宙に浮き、ライトもそれに続き浮いた。

 そうして二人は、上空からノーヴェ砂漠の探索を始めていった。



 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 ライト達が上空からノーヴェ砂漠探索を開始してから、約二時間が経過しようとする頃。

 地上はもちろん空中にも特に異変は起きることなく、遠目にワカチコナが見えてきた。

 途中、地上ではライト達に襲いかかれないサンドキャンサーやブルーヒュプノモスが、実に悔しそうにプンスコと飛び跳ねていた。


 そうしてだんだんとワカチコナに近づいていくと、レオニスがライトに声をかけた。


「おい、ライト、俺の背中に負ぶされ。ワカチコナの畔に休憩中の一行が何組かいる」

「うん、分かった!」


 レオニスの指示に従い、ライトがレオニスの背中に乗っかる。

 現役最強冒険者であるレオニスはともかく、傍から見たら小さな子供のライトまで自力で空を飛んでいるところを他者に目撃されるのはまずい。

 なので、レオニスがライトをおんぶして飛んでいる、という演出?を急遽することにしたようだ。


 そしてライトを背負ったレオニスが、ワカチコナの畔に降り立つ。

 突如空から現れたレオニスに、休憩中の商隊や冒険者パーティーと思しき者達がびっくり仰天していた。


「うおッ!空から人が降ってきた!」

「しかも子供連れか!?」

「何だ何だ、敵襲か!? …………って、なーんだ、レオニスさんじゃねぇか」

「レオニスさん、びっくりさせんでくださいよー!」

「おう、すまんすまん」


 すわ魔物の攻撃か!?と一瞬殺気立った冒険者パーティー一行が、その正体がレオニスであることにすぐに気づき安堵した顔になる。

 そして口々にレオニスに文句を言い、文句を言われたレオニスも悪びれることなく適当に謝っている。

 ちなみにレオニスは、その冒険者パーティー一行のことはあまりよく知らない。確かネツァク支部所属のパーティーで、時折ラグナロッツァでも見かけていたような記憶があるのだが、その記憶も薄っすら過ぎて定かではない。


 そして、その冒険者パーティー一行に護衛依頼を出していた商隊の一般人、荷主の商人や番頭もおそるおそるレオニスに近づいてきた。


「ぇ、えーと……貴方は一体……」

「あ、マーティンさん、この人なら大丈夫。世界にその名を轟かすレオニス・フィア、その人だから」

「ああ、なら心配いらないということですな!出立前にどうなることかと肝を冷やしましたぞ!」

「あんた達までびっくりさせてしまって、本当にすまない」


 冒険者パーティー一行にマーティンと呼ばれた中年男性が、心底ホッとした顔で安堵している。

 その後雑談を交わした話によると、マーティン達一行はネツァクを目指していて、夜になるのを待っていたのだという。

 この商隊一行は、魔物達が出てこない夜に一気にノーヴェ砂漠での距離を稼ぐつもりのようだ。


「というか、レオニスさんよ、何でまたノーヴェ砂漠なんかを子連れで飛んでたんだ?」

「砂の女王にちょいと野暮用があってな、とりあえずワカチコナを拠点にするつもりで飛んできたんだ」

「へぇー、砂の女王に会うつもりなんかー。さすがはレオニスさんだな!」

「俺達、商隊の護衛で何度もノーヴェ砂漠を渡ってきているが……未だに砂の女王の城すら見たことねぇわ」


 レオニスのノーヴェ砂漠探索理由を知った冒険者パーティー一行が、再びレオニスの剛胆さに感心しきりといった様子で感嘆している。

 そうこうしているうちに、空はますます茜色に染まっていく。


「さて、では皆さん、出発いたしますかな」

「お、そうだな。じゃ、レオニスさん、またラグナロッツァで会おうな!」

「おう、皆も気をつけてな」


 宵闇がひたひたと近づいてくる中、マーティン一行はワカチコナを出立していった。



 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 一方ライト達も、ワカチコナで野営をするために準備を進めていった。

 まずはレオニスが空間魔法陣からテントを取り出し、二人で組み立てていく。テントが張れた後は、夜寝る寝袋などをアイテムリュックや空間魔法陣から出してはテントの中に置いておく。

 そうしているうちに、太陽が地平線の向こうに完全に落ちて夜になった。

 辺り一面は闇に包まれ、空気が一気に冷え込んでいく。


 先程まで飛んでいた疲労を回復するべく、二人はラウル特製の様々なご馳走に舌鼓を打つ。

 ノーヴェ砂漠の野営でこんな豪勢な食事を摂れるのも、ひとえにラウルと空間魔法陣のおかげである。

 他の一般的な冒険者パーティーだったら、決してこうはならない。硬い干し肉とこれまた硬い乾パンを齧り、貴重な水とともに胃に流し込んで終了である。


 晩御飯も無事済ませ、二人はノーヴェ砂漠の夜空を見上げる。


「うわぁー……去年の春休みのエリトナ山遠征の時の夜空も綺麗だったけど、このノーヴェ砂漠の星空もすっごく綺麗だねぇ……」

「そうだな。いつも見ているカタポレンの森の夜空に負けんくらいに綺麗だな」

「この星空の下のどこかに、砂の女王様もいるのかなぁ」

「必ずどこかにいるさ。属性の女王は常に当代に一人は必ず存在するからな」


 満天の星が輝く夜空。その美しさは、日頃人里の喧騒に身を置くライト達には滅多に見られない。

 いや、もちろんカタポレンの森の夜空もものすごく綺麗なのだが。ノーヴェ砂漠という非日常的な場所にいるせいか、何しろノーヴェ砂漠の夜空は殊更美しく煌めいて見える。


 キラキラと輝く夜空を見上げながら、ライトはまだ見ぬ砂の女王に思いを馳せていた。

 だ、ダメだ、今日は眠くて眠くて執筆が全く捗らない……後で本文も見直して手直ししなければ……

 後書きもまた後ほど……

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