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マイナーゲーム世界で人生を切り拓く〜気がつけばそこは、誰も知らないドマイナーソシャゲの世界でした〜  作者: 潟湖
野良グリフォンと友達になろう!大作戦

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第1242話 謎の異変の原因と対応策

 昨日はお休みをいただき、ありがとうございました。

 予定通り本日から連載再開しますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 キラーワスプの群れの襲撃から無事逃れたレオニス達。

 一旦高原内の平らな場所に降り立ち、状況把握のための話し合いを始めた。


「レオニス卿、あの蜂どもは一体どうなっている? あれは確かキラーワスプという名の魔物で、決して弱くはないもののあそこまで強くもなかったはずなのだが……」

「あれと同じような現象……普段はそんなに強くない魔物が、とある条件下により凶暴化して何倍も強くなって手に負えない事態になった例を知っている」

「何!? それはどのような状況だったのだ!?」


 レオニスの言葉に、アルフォンソが驚きながら問い返している。

 そんなアルフォンソに、レオニスはプロステスの炎の洞窟での話を聞かせていった。


「なるほど……その地の主に何らかの異変が起きていると、その地域に住む他の魔物にも悪影響が出るのか」

「俺もそれを見たのは炎の洞窟が初めてのことで、必ずしもこの推察が当たっているとは限らんがな。だがそれでも、それなりにその可能性はあると思う」

「そうだな……先程のキラーワスプを見る限り、やはり何らかの異変が起きていると考えた方が腑に落ちることは確かだ」


 レオニスの話に、アルフォンソが険しい顔で頷いている。


「そうなると、一刻も早く金鷲獅子を見つけねばならんな」

「ああ。この地の主と言えば、金鷲獅子を置いて他にはいないからな」

「もし万が一、金鷲獅子の身に何かが起こっているのだとしたら……一刻も早く救い出して差し上げなければ……」


 アルフォンソが険しい顔のまま唸る。

 レオニスの推察が正しければ、アルフォンソの遠征の主目的である金鷲獅子に何か異変が起きている、ということになるからだ。

 もしそうなら、何としてもこの手で金鷲獅子を助けなければ!とアルフォンソが意気込むのも無理はない。


 そして、レオニスはレオニスでこちらも険しい顔で考え込む。

 何故なら、穢れを祓える浄化魔法の呪符『究極』の手持ちが今は三十枚しかないからだ。

 というのも、先日の邪竜の島討滅戦においてレオニスの手持ちの浄化魔法呪符『究極』をかなり消費してしまい、それからろくに補充できていなかった。


 いや、邪竜の島討滅戦が決着直後にレオニスがピースに「今日使いきっちまった浄化魔法の究極呪符を千枚程頼むわ」とは言っていたのだが。

 レオニス自身が鷲獅子騎士団からの依頼でかなり忙しい日々を送っていた他、そもそも呪符の作り手であるピースも邪竜の島討滅戦の報告やら何やらで壮絶に忙しい身。とてもじゃないが、レオニスとしても『とっとと千枚描いて寄越せ』とは催促できなかった。

 故に、あれから今日まで魔術師ギルドには一回しか立ち寄っておらず、その時に受け取った新しい浄化魔法呪符『究極』も三十枚どまりだった。


 しかし、もしここで金鷲獅子の身に異変が起きていて、浄化魔法呪符を使うことになった場合、三十枚だけでは心許ない。

 炎の女王の場合、ピースに無理矢理持たされた浄化魔法呪符『究極』十枚その他を一気に使って救うことができた。

 しかし、今回も十枚で済むとは限らない。むしろ、巨躯の金鷲獅子相手では足りないかもしれない。


 さすがにエリトナ山に山積みだった死霊兵団の無数の残骸、あるいは神樹襲撃事件の時のように何百枚も必要になるレベルではないだろう。

 しかしそれでも、もし呪符を使う必要に迫られた場合には一気にケリをつけたい。間違っても「あ、やっぱ足りなかった」などという事態だけは避けなければならない。

 もし呪符の補充を行うなら、ここで一旦ラグナロッツァに引き返して行うべきなのだ。


 様々な思案を巡らせた後、レオニスはアルフォンソに向かって徐に口を開いた。


「俺は一旦ラグナロッツァに帰って、浄化魔法呪符を補充してくる。その間、アルフォンソには頼みたいことがある」

「何だ?」

「俺が帰っている間、アルフォンソはサムとともにこのコルルカ高原奥地の調査を頼みたい。金鷲獅子の(ねぐら)を探し当てられたら一番良いが、無理はするな。他の野生の鷲獅子も、さっきのキラーワスプ同様凶暴化している可能性が高いからな」

「分かった」


 レオニスの頼みに、アルフォンソも力強く頷きつつすぐに質問した。


「というか、今からレオニス卿がケセドの街に単身で帰ってラグナロッツァに戻るのか? それだと、ここに戻ってくるのは早くても今日の夜くらいか?」

「いや、往復の移動だけで十何時間も費やす気はない。時間が惜しいからな、ここに臨時の転移門を設置する」

「!?!?!?」


 レオニスの答えに、アルフォンソは驚愕する。

 レオニスが単身で飛行移動するなら、全速力で飛べば二日かかったこの距離でも数時間でケセドの街に戻れるだろう。

 だがしかし、往復の移動となると半日以上はかかる。

 そこへ来て新しい浄化魔法呪符の依頼だの何だのと行動していれば、ここに戻ってくるのに一日がかりとなる。


 アルフォンソとサムには調査依頼をして別行動となるのに、さすがにそこまで時間をかけてはいられない。

 ラグナロッツァに行ってすぐに帰ってくるには、この広大な高原に転移門を設置して行き来するのが最善策なのだ。


「し、しかし……転移門の無許可設置はご法度だぞ?」

「そんなことも言っていられん。場合によっては、金鷲獅子の生命に関わることだからな」

「そ、それはそうだが……」

「何、心配は要らんさ。全ての責任は俺が負うし、この件が解決したらすぐに消すからよ」

「…………」


 レオニスの身を案じるアルフォンソを他所に、当のレオニスは事も無げに軽く言い放つ。

 確かにレオニスの策はこれ以上ない最善策だ。

 この地の異変を察知した以上このまま放置する訳にはいかないし、迅速な解決のためには手段を選んでいられないことはアルフォンソにも理解できた。


 転移門の設置に適した平らな地面探しを始めたレオニスに、アルフォンソが意を決したように声をかけた。


「……レオニス卿、転移門をここに設置するならば一つ頼みがある」

「ン? 何だ?」

「我ら鷲獅子騎士達も行き来できるよう、大きな転移門にしていただけないだろうか」

「そりゃまぁ、できんこともないが……」


 アルフォンソの申し出に、レオニスが一瞬だけ戸惑う。

 そんなレオニスに、アルフォンソがさらに言葉を重ねる。


「場合によっては、鷲獅子騎士団総出で対処に当たる必要がある。というか、むしろ最初からそうした方がいいかもしれん。もし万が一、全ての鷲獅子が先程のキラーワスプのように凶暴化していたら、とてもじゃないが私とサム、そしてレオニス卿の三人だけでは厳しいかと」

「ンー、そこら辺は魔物除けの呪符を使えば、問題なく先に進めるんだが……」


 アルフォンソの言い分に、レオニスは同意を渋る。

 もしアルフォンソが言うように、鷲獅子を含むこの近辺の魔物が炎の洞窟の時のように全て凶暴化していたら対処に苦労するだろう。

 しかしそれも、魔物除けの呪符を使えば凶暴化した魔物達に襲われる心配はない。炎の洞窟の時だってそうやって対処してきた。


 しかし、アルフォンソはめげることなくさらに進言する。


「ならば、金鷲獅子の居場所の捜索のための人員と考えていただきたい。これだけ広大なコルルカ高原奥地、どこに金鷲獅子が潜んでいるかを探し当てるだけでもかなり手間がかかるだろうし」

「あー、そりゃ確かにそうだな……よし、なら使う使わないは別にして、お前ら鷲獅子騎士も余裕で通れるくらいに大きな転移門を作るとしよう」

「ありがとう!」


 今度はアルフォンソの言い分に納得したレオニス、ようやくアルフォンソの申し出を受け入れることにした。

 確かにアルフォンソの言う通りで、このだだっ広いコルルカ高原奥地を隈なく捜索するには、レオニスとサムだけでは圧倒的に人員不足だ。

 一刻も早く金鷲獅子を見つけ出すには、人海戦術が有効。そのためには鷲獅子騎士団員達をここに呼び寄せるべきだ、とレオニスも判断したのである。


 ここだ、とレオニスが目星をつけた場所に、早速レオニスが転移門を作り始める。

 まずは魔法陣を作る前にアークエーテルを一本ぐい飲みするレオニス。新しい魔法陣を作るには、それなりに魔力を使うのである。

 それから空中に巨大な魔法陣を出現させ、水平にしてから地面に置いていく。その大きさは30メートル程もあるだろうか。

 これは、鷲獅子騎士団や竜騎士団にある転移門の大きさとほぼ同じ。これくらいの大きさがあれば、複数の鷲獅子達でも同時に移動可能となる。


 魔法陣を置き終えた後は、空間魔法陣から操作パネル用の石柱を取り出して地面に埋め込む。

 そして動力源の魔石を規定の位置に入れて置き、パネルで移動先を入力する。

 設置ポイント名を『コルルカ高原奥地』とし、行き先にはひとまずカタポレンの森の家の外の転移門にした。


「……よし、ひとまずはこれでいいか」

「レオニス卿、ラグナロッツァにお戻りになられたら、こちらの手紙を鷲獅子騎士団員に渡していただきたい。こちらへの援軍要請とその経緯を、ざっとだが書き記しておいたものだ」

「お、それは助かる」


 アルフォンソが差し出してきた手紙を、レオニスはありがたく受け取る。

 レオニスが転移門を作成している間に、アルフォンソはアルフォンソで鷲獅子騎士団員宛に緊急招集をかける手紙を書いていた。

 見たところ封蝋などもない簡易的な、それこそ手書きのメモにも等しい代物。だが、書面の末尾にはアルフォンソのフルネーム入りの署名が入れられている、れっきとした鷲獅子騎士団団長直筆の命令書なのだ。


 アルフォンソの命令書を、レオニスは深紅のロングジャケットの内ポケットに仕舞い込む。

 そして再び空間魔法陣を開き、魔物除けの呪符をざっと十枚程取り出してアルフォンソに渡した。


「これ、魔物除けの呪符な。探索中はこれを使え。そうすりゃ魔物が凶暴化してても大抵の魔物は出てこなくなる」

「ありがとう、遠慮なく使わせてもらおう」

「ただし、おそらくは金鷲獅子には通用しないだろうから、探索するにも慎重にな」

「承知した」


 レオニスから差し出された魔物除けの呪符を、今度はアルフォンソがありがたく受け取る。

 そうしてレオニスはカタポレンの森に、アルフォンソとサムはコルルカ高原奥地の調査に分かれて行動していった。

 コルルカ高原奥地での思わぬ事態への対応策です。

 異変の原因を探るべく、レオニスがこれまでの経験と知恵を活かして最善策を導き出そうとしています。

 一方作者は「はて、魔物除けの呪符の効力って何分だったっけ?」と久しぶりのアイテムやら何やらに対して若干苦戦してたりして( ̄ω ̄)

 ホントにねぇ、歳取ると物覚えが悪くなって嫌ァよねぇ!……って、作者は小学生の自分から物覚え悪かったんで、もはや今更なんですけど(´^ω^`)

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