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マイナーゲーム世界で人生を切り拓く〜気がつけばそこは、誰も知らないドマイナーソシャゲの世界でした〜  作者: 潟湖
邪竜の島討滅戦

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第1199話 クロエの到着と闇の女王の一手

 ライトとラウルがクロエを抱っこしつつ、カタポレンの森の空を懸命に翔けていた頃。

 天空島では変わらず厳しい戦いが続いていた。


 邪竜の島にいる邪皇竜メシェ・イラーザは、闇の女王が生み出す球体状の闇でその魔法陣ごと覆い尽くされている。

 これは、邪皇竜メシェ・イラーザの周囲に強力な重力魔法をかけ続けることで邪皇竜の時間だけを遅延させるという、とんでもない荒業である。


 本当なら、邪皇竜の周囲の邪竜召喚用魔法陣まで丸ごと封じ込められれば一番いいのだが。そこまで範囲を広げてしまうと、さすがに闇の女王でも魔力があっという間に枯渇してしまう。

 強力な重力魔法を、一点のみではなく既にある程度大きくなってしまった邪皇竜相手に、しかも長時間かけ続けるということは膨大な魔力を消耗する。そして術者にかかる負担や疲弊もとんでもないものになる。

 故に魔法をかける範囲は、最小限の邪皇竜メシェ・イラーザのみを標的としているのだ。


 ちなみに闇の女王の後ろにはピースが控えていて、時折コズミックエーテルなどの魔力回復剤を与えつつ懸命にサポートしている。

 それを闇の女王が片手に持ち、クイッ、と飲み干しては『不味いのぅ』と呟き、それを聞いたピースが「あッ、あッ、そそそそれは誠にごめんねッ、その手の回復剤って基本的にあまり美味しくないんだよねッ、後でレオちんに美味しいスイーツをおねだりしようねッ」と壮絶に焦りながらフォローしている。


 そこだけ見たら一見平和的だが、実際の状況はかなり厳しい。

 重力魔法の範疇外である召喚用魔法陣からは、絶えることなく邪竜が涌いて出てくる。

 容赦なく襲いかかってくる邪竜達を、レオニス達はもう即時討倒すことはできない。これ以上邪皇竜の成長の糧にさせる訳にはいかないからだ。

 死なない程度に打撃を加えて弱らせたり、ひたすら攻撃を躱していなしたりなどしているが、徐々に数が増えていく大小の邪竜達に天空島勢の負担は増すばかり。


 闇の女王が言うあの御方、クロエがここに来てくれるのは一体いつなのか―――防戦一方のレオニス達には、一分一秒が途轍もなく長い時間に感じる。

 そんな中、一人の竜騎士が何かを見つけて大きな声で叫んだ。


「……来たぞ!!」


 その声は、皆が待ち望んでいた一縷の望みが現れた証。

 クロエを抱っこしたラウルと、同じくクロエの大蛇の尻尾を抱き抱えるライトが天空島の戦場に到着した瞬間だった。



 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆



「闇の女王様ー!ココちゃんを連れてきましたよーーー!」

『おお、ライトにラウル!大儀であった!』

『ママ!ママぁーーー!!』

『ココ様、このような場に巻き込んでしまい、申し訳ございません……!』


 大きな声で呼びかけるライトやクロエの声に、闇の女王は両手を前に突き出し前を見据えたまま返事だけ返す。

 今闇の女王は邪皇竜に重力魔法をかけるのに手一杯で、視線を移すことすらままならない状態にあるのだ。

 そしてラウルもまた闇の女王に声をかける。


「闇の女王、言われた通りココちゃんを連れてきたのはいいが、この後どうすりゃいいんだ?」

『グリンカムビの背に乗せてやってくれ。これからグリンカムビにも働いてもらわねばならぬでな』

「分かった」

『ああ、ついでにグリンカムビと光の女王もここに連れてきてくれるか。何しろ吾は今手が離せん』

「分かりました!」


 闇の女王の指示に、ライトとラウルが即時応じて動き出す。

 グリンカムビの白く光る身体を見つけ、その方向に飛んでいくライト達。

 その間に、レオニスが闇の女王のもとに駆けつけてきた。


「ココが到着したって!?」

『ああ。今ライトとラウルに、グリンカムビと光の女王をここに連れてくるように頼んだ。ココ様は飛べぬ故、足場代わりにグリンカムビの背に乗せてもらわねばならんからな』

「グ、グリンちゃんを足場代わりにするんか……で、でもまぁな、そうだよな、ラウル達が抱き抱えたままじゃココだってろくに戦えんもんな……」


 仮にも天空神殿守護神であるグリンカムビを足場代わりにするとは、闇の女王もなかなかに大胆不敵である。

 とはいえ、ノワール・メデューサのクロエが自力で空を飛べない以上、彼女が空中で立ったり座ったりする場所はどうしても必要になるのもまた事実。

 巨躯を誇る神鶏グリンカムビならば、その任に最適!という訳である。


 レオニスと闇の女王がそんな話をしていると、ライト達がグリンカムビを連れて戻ってきた。


「闇の女王様ー!グリンちゃんと光の女王様を連れてきましたよー!」

「ライト、ラウル、ご苦労さんだったな」

「あッ、レオ兄ちゃん!」

「おう、大きなご主人様もご苦労さん」


 闇の女王の隣にレオニスがいることに気づいたライト。嬉しそうにレオニスのもとに飛んでいく。

 そしてライト達の後ろを、グリンカムビと光の女王が飛んできていた。

 グリンカムビの背には、既にクロエが乗っかっている。


 ふわもふなグリンカムビの背中、それは誰が乗ってもとても気持ちよくて心地良いもの。クロエも気に入ったようで、ニコニコしながらグリンカムビの羽根を撫でている。

 そしてグリンカムビの横でともに飛んできた光の女王が、闇の女王の指示を仰いだ。


『闇の姉様!私達は何をすればよろしいですか!?』

『おお、よく来てくれた。吾が重力魔法を解いた瞬間に、其の方はグリンカムビと力を合わせて光の魔力を思いっきり邪皇竜に叩きつけろ』

『分かりました!』

『良いか、浄化魔法ではないぞ? 奴に叩き込むのは純粋な光の魔力。其の方らは光の魔力を全力で解き放つだけでいい』

『浄化魔法などではなく、私達の魔力のみを叩きつければいいのですね!』

『そう。そしてここからが、最も肝要なことだ。心してよく聞くがよい』

『はい……』


 これから光の女王達がしなければならないことを、闇の女王が話し始めた。

 闇の女王が語る作戦内容を、光の女王は真剣な面持ちで聞き入っている。


『光の女王よ、其の方が力を合わせなければならないのは、グリンカムビだけではない。吾とココ様もまた、闇の魔力を邪皇竜に叩きつける。吾らの闇の魔力と其の方らの光の魔力を、寸分違わず同時に邪皇竜に撃ち込まねばならない。それこそが、皇竜の中に巣食う邪悪を祓い消し去り、皇竜を取り戻す唯一の方法なのだ』

『……分かりました。グリンちゃん、できるわね?』

『クエコケッ!』


 邪悪の島を前に見据えながら語る闇の女王に、光の女王もまたグリンカムビの羽根を撫でながら覚悟を決める。

 闇の女王によると、邪皇竜の中に巣食う邪悪な何かは闇に蠢く者なれど決して闇属性ではないという。

 それはサイサクス世界の基本六属性及び無属性とは異なる者。言うなれば『邪悪属性』とでも名付けたいような代物なのだとか。


 そしてその邪悪な者自体には、光の魔力や闇の魔力を吸収して利用するような力はない。そうした性質を持つのは皇竜のみで、邪皇竜は皇竜の力を悪用しているだけのこと。

 ならば邪皇竜が一度に悪用しきれない程の、膨大な光の魔力と闇の魔力を一気に邪皇竜に注ぎ込めばよい。


 こうすることで、邪皇竜の中に抑えつけられている皇竜に魔力を直接届け、その力を中から回復させるとともに邪悪な者を追い出そう、というのが闇の女王の策だった。

 それはまさに、先程レオニスが言っていた『邪皇竜の中のメシェ・イラーデを引っ張りだす』という案そのものである。


 一通りの説明を終えた闇の女王は、まず先にレオニスに声をかけた。


『レオニス、吾らがこれからすることは今話した通りだ。其の方らも他の者達とともに、はるか後方に退くがよい。島の周りに他の者達がいたままでは、吾らも全力を出せぬからな』

「…………分かった。ピースにラウル、天使達やシュマルリの竜、竜騎士達に退避するよう伝える。手分けして動くぞ!」

「うん!」

「おう」


 闇の女王の慈悲深い指示に、レオニスはグッ、と拳を握りしめながらも従う。

 本当ならレオニスもこの場に留まり、この戦いの行く末をずっと見届けたい。それはきっとライトやラウルもそう思っていることだろう。

 だが、それでは二人の女王や神殿守護神達が全力を出して戦うことができない。他の者達の退避が完全にできていないうちは、心置きなくその力を出し切れないからだ。


 自分の我儘や欲望如きで、この重大な局面を左右する訳にはいかない。

 今自分がしなければならないことを、最善を尽くして行うのみだ―――そうしたレオニスの決意は、ラウルやピースにも伝わる。


「そしたらライトはここで、ココの横にいて付き添ってやってくれ。闇の女王よ、それくらいは許されるだろう?」

『ああ、もちろんだ。ライトがココ様についていてくれれば、ココ様も安心してより一層御力を発揮なさるだろう』

「レオ兄ちゃん、ココちゃん達のことはぼくに任せて!」


 レオニスは、この戦いの行く末を見守る役をライトに任せることにした。それは、ライトの身の安全と戦いの鍵であるクロエの心の安寧を兼ねた、一石二鳥の策である。

 闇の女王の了承を得たレオニスは、改めてライトと闇の女王に声をかける。


「全員の退避が完了したら、俺がここに知らせに来よう。そしたら後は、心置きなく大暴れしてくれ」

『頼んだぞ』

「ライトはその間、闇の女王の魔力回復の手伝いをしてやってくれ。闇の女王もかなり疲れてるだろうからな」

「うん、分かった!」


 レオニスの話に、闇の女王はいつも通り涼しげな声で都度答えているが、時折眉間に皺が寄り口元も僅かに歪む。

 これまで重力魔法で邪皇竜を抑えつけ続けてきた闇の女王。やはり彼女の魔力や気力など限界が近そうだ。

 もはや一刻の猶予もない三人は、一斉に別方向に飛び立っていった。



 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 他の者達の退避をレオニスに託した闇の女王。

 ふぅ……と軽く一息つきながら、少しづつ立ち位置をずらしてグリンカムビの背に乗るクロエの真横に移動した。

 闇の女王は未だ重力魔法を駆使している最中なので、真横といってもそれなりに離れた位置にいるのだが。

 闇の女王は邪竜の島を睨みつつ、クロエに話しかけた。


『ココ様、よくぞこんな危険な場所に来てくださいました……心より御礼申し上げます』

『ママ、そんな堅苦しいこと言わないで? ママやお兄ちゃんのお願いだもん、駆けつけて当然よ!』

『本当に、ありがとうございます……では、吾が今から言うことをよくお聞きください』

『うん!』


 自分の要請に快く応じ、すぐに駆けつけてきてくれたクロエに礼を言う闇の女王。

 そんな闇の女王に、クロエがにこやかな笑顔で応える。


『まずココ様は、グリンカムビのうなじ辺りにお立ちください。グリンカムビの頭上越しに、吾とともに邪皇竜に向けて闇の魔力を解き放っていただきます』

『うん、分かったわ。ココの魔力を全力でアイツにぶつければいいのね?』

『そうです。その際は吾もお供いたします』

『ママといっしょなら、ココは何だってできるわ!』


 闇の女王の説明に、クロエがフンスフンス!と鼻息も荒く張り切っている。

 そして闇の女王は続けて、ライトにも注意を促した。


『ライト、其の方はココ様がグリンカムビの背に立つ際に姿勢が崩れぬよう、背後からお支えしてお守りするのだ。そして……ココ様が魔力を解き放っている間は、決してココ様のお顔を見るでないぞ? まかり間違って其の方が石化でもしたら、洒落にならんからの』

「は、はい……」


 さらりと恐ろしいことを口にする闇の女王に、ライトはプルプルと小刻みに震えながら頷く。


 クロエの加護を持つライトですら、彼女の石化能力から逃れられないものなのかどうか。その真偽は定かではないが、実際にどうなるか予測できない以上は危ない橋を渡ることはできない。

 如何に好奇心旺盛なライトであっても、今この場面で妹分であるクロエの石化を食らう訳にはいかない。

 皆が魔力を解き放っている間は、決してその方向を直視しないぞ!とライトは心の中で強く誓う。


 そして闇の女王は、再び光の女王に声をかけた。


『光の女王よ。レオニスが退避完了を知らせたら、今邪皇竜にかけている重力魔法を止める。あれ程大きく膨れた重力魔法だ、その闇が完全に消えるまで五秒くらいはかかるだろう。その五秒後に吾が合図を出す故、吾の号令とともに其の方らも邪皇竜に向けて光の魔力を全力で放て』

『分かりました!』

『ケケココッ!』


 これで一通りの指示を出し終えた闇の女王。

 後は天空島勢と全ての援軍の退避を知らせるレオニスの報告を待つばかりだ。

 ふぅ……と小さくため息をつく闇の女王の横に、ライトが飛んで近寄ってきた。その手には、小さく切り分けたアップルパイとプチシュークリームがある。

 それは、先程レオニスがライトに託した『魔力回復の手伝い』の一環であった。


「闇の女王様、本当にお疲れさまです。レオ兄ちゃんが来るまでの間、少しだけでも美味しいものを食べて元気をつけてください!」

『おお、それはありがたい。遠慮なくいただこう』


 ライトが手に持っているものを見て、闇の女王も自然と笑顔になる。

 それはいつも暗黒神殿前で、ライト達がお茶会と称して振る舞ってくれるラウル特製の美味しいスイーツ達。

 直接の魔力回復量はコズミックエーテルなどに遠く及ばずとも、それらスイーツがもたらす天にも昇る美味なる味わいは、まさに至福の時。

 その事実は、闇の女王も身を以ってよく知っている。


 その至福を得るべく、闇の女王は『あーーーん☆』とばかりに口を大きく開けた。

 普段は常にクールな言動の闇の女王が、ここまで無防備に誰かに甘えるなど実に珍しいことだ。これはもはや『サイサクス世界七不思議』に追加されてもおかしくないほど滅多に見られない姿である。


 そんな愛らしい闇の女王に、ライトはドギャガーーーン!と胸を撃ち抜かれ激しく仰け反りながらも、闇の女王の願いを叶えるべくその口にプチシュークリームをそっと入れてあげた。

 闇の女王はしばらくもくもく……とプチシュークリームを食べていたかと思うと、コクン、と飲み込んだ後にすぐにまた口を開いた。


『ライト、おかわり!』

「は、はい!」


 ライトが何気なくしたスイーツの差し入れ。

 一口目のプチシュークリームを皮切りに、闇の女王のおかわりは際限なく続く。やはり強力な重力魔法を長時間行使していたせいだろうか、極上スイーツによる糖分補給が身に染み渡り効いているようだ。

 ついでに言うと、ピースに魔力回復用に差し入れされていたコズミックエーテルが不味かったので、その分余計にラウル特製スイーツが美味しく感じられる、というのもある。


 そして、闇の女王がスイーツを食べている間にも、続々と天空島勢や援軍の者達がグリンカムビよりも後ろに移動していく姿が見受けられる。

 プチシュークリーム二十個、アップルパイ五切れ、豆大福七個、マカロン八個、一口ドーナツ十二個、クッキー九枚を時折ぬるぬるドリンク各種五杯(ストロー付き)を飲みながら、入れ替わり立ち替わりで食べ終えたところで、レオニスがライト達のもとに戻ってきた。


「闇の女王、全員の退避が完了したぞ!」

『おお、そうか。ちょうど吾もだいぶ腹拵えができてきたところだ』

「……腹拵え? 何のことだ?」

『気にせずともよい、こちらの話だ』


 ライトに食べさせてもらったラウル特製極上スイーツにより、すっかり気力回復した闇の女王。

 腹拵えという場違いな謎ワードに、きょとんとするレオニスを軽くいなしながら不敵な笑みを浮かべる。


『さあ、そしたら早速作戦実行するぞ。レオニス、其の方は他の者達とともにグリンカムビの後ろに行け』

「分かった!」

『光の女王、吾が重力魔法を止めて黒い球が完全に消え失せたら合図を出す。グリンカムビとともに準備いたせ』

『はい!』


 闇の女王の指示に、レオニスも光の女王も即時従い行動する。

 そして闇の女王は少しづつクロエの横に近づいていき、優しい声で話しかけた。


『ココ様、そろそろグリンカムビの頭の後ろにお立ちください』

『うん、分かった!』


 闇の女王の言葉に、クロエが大きく頷きながらその場で立ち上がり、グリンカムビのうなじをよじ登っていく。

 グリンカムビの頭の後ろから、ニョキッ!と頭を出したクロエ。

 彼女の目の前には、邪竜の島が見える。その中央では、今も闇の女王がかけ続けている黒い半球状のものがあった。


『ココ様、今から吾が重力魔法を止めます。そしてあの黒い半球が消え失せた時、中にいる邪皇竜が全貌を現すでしょう』

『うん』

『そして赤黒い亜奴の胸元に、ほんの僅かに黄金色に光る箇所があります。それこそが皇竜の魂。その黄金色の光をめがけて、闇の魔力を全力で放つのです』

『分かった!』


 クロエがグリンカムビによじ登っている間に、闇の女王が攻撃する場所を詳しく解説している。

 そしてクロエが立ち位置を確保し、準備は全て整った。

 闇の女王は機を捉え、それまでかけていた重力魔法を一気に止めた。


 闇の女王が重力魔法を停止させた途端に、邪竜の島の中央の黒い半球がどんどん薄れ消えていく。

 そして闇の女王が予想した通り、その五秒後には邪竜の島は元通りになった。


 邪竜の島の中央に鎮座ましましている邪皇竜メシェ・イラーザ。

 東洋龍型の長い身体には、至るところに青い筋が浮かび上がっており、もはや成体化は目前まできている。

 頭部には三つとも四つとも分からぬ複数の竜の頭が生えてきていて、一際醜悪な姿になっていた。


 そしてその醜悪な頭部の下、胸元には闇の女王が言った通り、ほんのりと金色に光る箇所がある。

 他の身体の部分が赤黒いため、黄金色に光る皇竜の魂の欠片がより一層目立って分かりやすい。


 標的である黄金色の光を捉えた闇の女王が、大きな声で合図を出す。


『今ぞ!!』


 闇の女王の号令に、光の女王とグリンカムビ、そしてクロエが満を持して一斉にその力を全力で解き放った。

 戦いの勝敗を握るクロエが天空島に到着し、闇の女王達のもとに合流しました。

 途中闇の女王があーーーん☆と大きく口を開けてスイーツをおねだりするのはご愛嬌。どうせ魔力回復するならね、不味いコズミックエーテルよりも美味しいスイーツの方がいいですもんね!(`・ω・´)


 てゆか、今回闇の女王が繰り出した一手、重力魔法。

 これの描写のために、また『重力とは何ぞや?』とか見た目がブラックホールもどきなことからブラックホールについてggrksしたりしたんですが。

 相変わらず難解過ぎて頭が煮えるぅぅぅぅ_| ̄|●


 『重力が強くなると時空の歪みが大きくなり、時間の進みが遅くなる。 つまりブラックホールに近づくにつれ、時間の進みは弱くなり云々』

 『ブラックホールに吸いこまれたものはバラバラになり、中心部の一点に吸い寄せられ云々』

 『40兆個以上ものブラックホールが存在すると推定され云々』

 『太陽の約327億倍もの質量を持つ、観測史上最大級のブラックホールを発見云々』


 ここら辺でもう作者はギブアップ。太陽の327億倍とか、意味分かんない(;ω;)

 シュバルツシルト半径? 事象の地平線? 何ソレ、美味しいのん?(TдT) ←全然理解できない人


 そんな作者の残念な脳の話は置いといてですね。

 リアルでは五月頭、ゴールデンウィーク中に始まった『邪竜の島討滅戦』。

 既に開始から三週間が経ちましたが、いよいよ最終局面に近づきつつあります。

 今日も今日とて7000字超えてしまいましたが。事件解決に向けて作者も頑張ります!

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― 新着の感想 ―
[一言] 文字数の多いお話は今回の様に、場面描写のテンポのいいお話が多くて読者としても読むスピードが上がりますから、長いと感じない印象があります。 短いお話のまったりな一編はそれとは逆にじっくりと読ま…
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