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マイナーゲーム世界で人生を切り拓く〜気がつけばそこは、誰も知らないドマイナーソシャゲの世界でした〜  作者: 潟湖
邪竜の島討滅戦に向けて

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第1154話 再会の約束

 そうしてライト達が裏庭でのんびり過ごしていると、ハンザやバッカニア、コルセア達が本館から出てきた。

 既に裏庭にいるライト達を見て、バッカニアが率先して声をかける。


「皆、待たせてすまんな。ラウルの兄ちゃんも久しぶりだな!」

「おお、バッカニア、久しぶりだな。うちのご主人様と稽古してたんだってな? スパイキーとヨーキャから聞いたぞ」

「ああ、そのおかげで俺も久々にいい運動になったわ」


 久しぶりの再会を喜ぶラウルとバッカニア。

 その横では、コルセアや五人の師範達がライト達の後ろに来て不思議そうな顔をしている。


「今日のカー吉達、何やらものすごくご機嫌だな……」

「普段なら顔馴染み以外の知らない人には、絶対に近づかないのに……」

「レオニスさんが連れてきた黒い文鳥君達と、友達になったんですかね?」


 コルセア達の視線の先には、六羽のカラスに頬ずりされてもみくちゃになっている黒い文鳥がいた。

 ちなみに今もみくちゃにされているのはケリオンの方で、先程同じくもみくちゃにされたウルスは今はマキシの肩に留まっている。

 次男(ケリオン)とカラス達の心温まる親交?を、微笑ましく思いながら見つめているのだ。


 ちなみに六羽のカラスの名前は、オスがカー吉、カー太、カー彦、メスがイザベル、フランソワ、ブリジット。

 番の組み合わせは、カー吉&イザベル、カー太&フランソワ、カー彦&ブリジットとなっている。

 オスの命名はハンザ、メスの命名はグレイスが担当したという。


 名付けのセンスや名前の響きはこの際さて置き、カラスとは推し並べて全身が黒くて見分けがつき難いものだ。

 どのカラスが何という名前なのか、果たして六羽もいて全部区別がつくものなのだろうか?

 その答えは『是』である。


 ヴァイキング道場で飼われている六羽のカラス達は皆賢く、道場関係者や馴染みの深い者が名前を呼んだだけでちゃんと飛んでくる。

 そして六羽と交流するうちに、人間側もその鳴き声や仕草の違いが次第に分かるようになってくるのだという。

 現にマレー、モロなどの師範代達が、カラス達に向かって「カー吉、新しい友達ができたようでよかったなぁ」「前に来た女の子の文鳥とも、友達になってたもんなぁ」などと嬉しそうに話しかけていた。


 そしてハンザは、妻であるグレイスと話をしていた。


「グレイスもラウル君達とここにいたのか」

「ええ、ラウル君がたくさんのドングリを出してくれたから、貴方達の稽古が終わるまで何度もドングリクッキーを焼いてたの。せっかくだから、カー吉やイザベル達にも焼きたてのドングリクッキーを食べさせてあげていたのよ」

「そうか、だいぶ待たせてしまったようですまなかったな」

「そんなことはないわ。レオニス君の特別稽古は、皆にとって値千金ですもの」


 ハンザとグレイス、和やかな会話を交わす。

 その雰囲気はまさにおしどり夫婦といった感じだ。


「レオニス君達といっしょに、今から昼飯を食いに行くんだ。グレイス、君もいっしょにどうだね?」

「そうねぇ……今日は遠慮しとくわ。貴方達が全員出かけてしまったら、道場の留守を預かる人がいなくなるもの。今日は日曜日だから、午後から来る子達も結構いるでしょうし」

「それもそうか……君にばかり面倒を押しつけてしまって、本当にすまない」

「うふふ、私のことは気にしないで。レオニス君達といっしょに美味しいものでも食べながら、たくさんお話してきてちょうだいね」

「分かった、ありがとう。なるべく早く帰ってくるようにしよう」


 昼食をともにとグレイスを誘ったハンザだが、残念ながらグレイスに振られてしまった。

 しかしグレイスが固辞したのも尤もで、午後から稽古に来る門下生達のためにも誰か一人くらいは道場責任者がいた方がいいだろう。


 グレイスがレオニスに近づき、改めて声をかけた。


「レオニス君、お久しぶり!」

「こちらこそご無沙汰してしまってすまない。グレイスも元気そうで何よりだ」

「今日もうちの子達を鍛えてくれたそうだね、私からも礼を言わせておくれ。いつもありがとうね」

「俺の方こそ、礼を言わなきゃならん。普段は滅多に対人戦なんてしないから、ここで存分にさせてもらってるだけありがたい」


 久しぶりに会うレオニスとグレイス、ここでも和やかな会話が繰り広げられる。

 レオニスはハンザとも顔馴染みなので、その細君であるグレイスとも当然のように気安い間柄である。

 そしてここでハンザが、皆に向かって声をかけた。


「さて、そしたら皆で昼飯に行くか。グレイス、カー吉やエイリークといっしょに留守番よろしくな」

「ええ、任せて!」


 グレイスに出かける旨の言葉をハンザがかけると、いつの間にかグレイスの周りにカラス達が集まってきた。

 それはまるで、カラス達にはハンザの言葉が全て分かっているような光景だ。

 グレイスの両肩や腕に留まるカラス達。その視線は、レオニスの右肩に移動した八咫烏一族族長ウルスに注がれている。


 一方レオニスの右肩に留まるウルスも、自然とその視線がグレイスの方に向く。

 そしてウルスが右の翼をピッ、と小さく掲げた。

 それは『また会おう』という、ウルスの別れの言葉代わりの挨拶。

 そして六羽のカラス達も、ウルスに向けて一斉に頭を垂れた。


 こうしてライト達は、六羽のカラスを身にまとったグレイスに見送られながら、ヴァイキング道場を後にした。



 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 その後ハンザの行きつけの大衆食堂で昼食を食べたライト達。

 レオニス側が四人+二羽、ハンザ側が十人(ハンザ、コルセア、師範代五人、天翔るビコルヌ三人)という大所帯なので、それはとても賑やかな昼食だった。

 もちろん費用はハンザ持ち。道場主が訪ねてきた客人達をもてなすのは当然のことである。


 そして全ての食事の会計を終えて、大衆食堂を出たライト達。

 一番最後に店の外に出てきたハンザが、レオニスに声をかけた。


「そしたらレオニス君、今からうちの第一支部に寄っていかないか?」

「あー、確かアマロが支部長を務めるところだったか? ハンザ達もついてきてくれるのか?」

「もちろんだとも。というか、私自身ここのところ忙しくてな、他の支部まであまり見て回れていないのだ」

「そっか、ハンザだってたまには支部を訪問してその目で見てやらんとな」

「そういうことだ」


 アマロに会いに行くと言ったレオニスに便乗し、ハンザもアマロがいる第一支部に行くつもりのようだ。

 レオニスにそれを断られなければよし、もっともレオニスがこの誘いを断るはずもないのだが。

 こうしてライト達は、ヴァイキング道場の第一支部に向かっていった。

 ヴァイキング道場を後にしたライト達の、次の行き先までの移動です。

 ホドの街はバッカニア達三人の出身地として登場し、その関係で主にヴァイキング道場が話の舞台となってきましたが。ヴァイキング道場本館以外に場所を移すのは、次回が初めてかも(・∀・)

 というか、ホドの街ってホントは遺跡の街なので、いつかその名の由来であるホド遺跡もライト達を連れていけたらなー、と作者は密かに思っております。


 というか、これまでずっと名無し状態が続いた六羽のカラス達。

 最後になってようやく名前がつきました!゜.+(・∀・)+.゜……って、何だか壮絶にダサいネーミングになってしまったような気がするけども。多分気のせいでしょう。キニシナイ!(º∀º)

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