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マイナーゲーム世界で人生を切り拓く〜気がつけばそこは、誰も知らないドマイナーソシャゲの世界でした〜  作者: 潟湖
年末年始と冬休み

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1125/1684

第1125話 マグマ浴の効果

 昨日一日お休みをいただき、ありがとうございました。

 予定通り、本日より連載再開いたします。

 エリトナ山中腹での魔物狩りを終えたライト達。

 山頂に戻り、火口からマグマの中に入っていった。

 橙色に輝くほんのりと温かい空間を、ライト達はまるで宇宙遊泳するかのようにゆっくりと下に降りていく。


 そうして奥に行くと、何か山のように大きな何者かがいるのが見えてくる。

 それはエリトナ山の守護神ガンヅェラの背中の甲羅。

 そしてそのど真ん中の上で、火の女王と炎の女王がゆったりと寝そべっていた。


「火の女王様、炎の女王様、ただいま戻りましたー」

『おお、ライト達か。魔物狩りは存分に堪能してきたか?』

「はい!おかげさまでラウルの目当てのお肉も、レオ兄ちゃんが欲しかった核もたくさん獲れました!」

『それは重畳。妾達もタロンの上でのんびりとマグマ浴を堪能できたわ』

「それは良かったです!」


 ンーーーッ……と背伸びをしながらライトと会話する火の女王。

 その横で、炎の女王と朱雀もゆっくり身体を起こす。


『火の姉様のおかげで、妾もフラム様もたくさんの良質な魔力をいただきました。姉様、ありがとうございます』

「クアアァァ♪」

『妹よ、礼には及ばぬ。……おや、フラム様、タロンの傍でのマグマ浴のおかげか、またお身体が大きくなられたか?』

「ピッ!」


 火の女王に礼を言う炎の女王に、火の女王も満足げに頷いている。

 そして炎の女王の横にいるフラムがまた少し大きくなっていることに気づき、フラムも嬉しそうに両翼を高く上げている。

 エリトナ山はガンヅェラが眠る活火山。絶えず煮え滾るマグマの熱量は、途轍もないエネルギーを秘めているのだ。


 するとここで、フラムがライトの胸元目がけて飛び移った。

 突然飛び込んできたフラムに、ライトが「うわッ!」と驚きつつもしっかりと抱きとめている。

 ちなみにライトの腕の長さでは、フラムを抱っこしようにも背中まで届かないため、フラムの身体の下に二本の腕を入れて支えている。

 要は『お姫様抱っこ』に近い格好である。


 もちろんライトがフラムの炎の熱さにやられることなどない。

 そもそもライト達は、エリトナ山のマグマの中に飛び込んでも何ともないのだ。もはや今更である。


 そして、フラム自身にBCOレイドボスの自覚があるかどうかは定かではないが、同じBCO仲間にして自身の孵化の立役者であるライトに強い親近感と信頼を寄せているようだ。

 フラムのその懐きっぷりに、炎の女王がフフフ、と小さく笑いながらライト達に声をかける。


『レオニス、ライト、そしてラウル。汝達の今日の目的は、全て達成できたか?』

「ああ。ラウルにあんた達二人分の加護をもらうのが主目的だったが、そのついでに魔物狩りまでさせてもらって万々歳の御の字だ」

『そうか。ではそろそろ炎の洞窟に帰ろうか。フラム様も何だか眠たそうだしの』

「おお、そうだな。フラムのやつ、ライトの腕の中で船を漕ぎ始めてるぞ」


 炎の女王の言葉に、レオニスが納得しつつライトの腕の中のフラムを見遣る。

 生みの親にも等しいライトに抱っこされた安心感からか、フラムが目を細めてうつらうつらとしている。

 これはもう見るからに寝落ち寸前である。


 エリトナ山のマグマ浴でたくさんの魔力を吸収し、一気に大きく成長したフラム。その直前にもラウルのご馳走を食べたことにより、身体が一回り大きくなっていた。

 身体が急激に大きくなるということは、それだけ身体に負担がかかることでもある。その分疲労も蓄積するのだろう。


 そして炎の女王が、火の女王に向かって話しかける。


『火の姉様、今日も妾の願いをたくさん聞いてくださり、本当にありがとうございました。フラム様も姉様のおかげで、とても大きく成長なされました。全ては火の聖地エリトナ山に住まう姉様とタロン様のおかげです』

『良い良い、其方もフラム様も妾にとっては大事な家族ぞ。もとよりこのエリトナ山は、全ての火属性の者達のためにある。それに……家族なら、互いに支え合って当然であろう?』

『……はい!妾もいつか姉様達にご恩返しするべく、これからもフラム様ともども精進いたします!』


 慈愛に満ちた笑顔で、炎の女王の頭を優しく撫でる火の女王。

 それを受ける炎の女王もまた、花咲くような笑顔で火の女王を見つめる。

 そして別れの挨拶を済ませた炎の女王が、ライト達に声をかけた。


『さあ、では炎の洞窟に戻ろうぞ』

「はい!火の女王様、今日もたくさんお世話になりありがとうございました!また来ますね!」

『ああ、いつでも遊びに来るがよいぞ』


 ライトの明るい言葉に、火の女王も思わず綻ぶ。

 そしてライトに続き、レオニスも火の女王に話しかける。


「火の女王も、もし何かあったら俺達のところに火の精霊を遣わしてくれ。必要とあらば、いつでもこのエリトナ山に駆けつけよう」

『ありがとう。今の世に妾の加護を持つ者は、其方達三人しかおらぬからな。そのいずれかを目指して向かうよう、火の精霊達に言い含めておこう』

「ああ、そうしてくれ」


 何か事が起きたらすぐに自分達に知らせるよう、火の女王に言うレオニス。

 実際闇の女王にも同様のことを伝えておいたおかげで、神樹襲撃事件のことをいち早く知ることができたという実績がある。

 もちろん何事も起きずに平和に過ごせれば一番いいのだが、世の中いつ何が起こるか分からない。

 そう、何事も『備えあれば憂いなし』なのである。


 そして最後に、今日最も火の姉妹からの恩恵を受けたラウルが改めて火の姉妹に礼を言う。


「火の女王、今日受けた恩をいつか返せるように俺も頑張る。だからあんた達も、遠慮なく俺やご主人様達を頼ってくれ。俺個人はともかく、このご主人様達は大小両方ともとても頼もしいからな」

『ああ、分かっておる。其方の主人達には、妾達も何度も救われておるからな』


 火の女王とも固い握手を交わすラウル。

 昨日までのラウルならば、絶対にあり得なかったであろう光景。

 新たな絆を得たラウルとともに、ライト達は炎の洞窟に戻っていった。

 第1116話から始まった『万能執事無敵化計画』も滞りなく進み、これにて完了です。

 本当にねぇ、ラウルってば火という強大な力まで手に入れちゃって。

 ラウルは初登場後、しばらくは軟弱者を自称していたのに。最初はレオニス邸の雇われ執事だった子がこんなに立派な冒険者になるとは、作者も全く予想していませんでした。……って、ラウルがスーパー農家化した時にも、どこかの後書きにてそんなようなことを書いていた気がしますが(´^ω^`)


 いずれにしても、物語が進むとともに最も成長したのは、主人公以外では間違いなくラウルでしょう。

 おかげで作者にますます扱き使われる予感しかしませんが。頑張れラウル!(º∀º) ←鬼

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