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マイナーゲーム世界で人生を切り拓く〜気がつけばそこは、誰も知らないドマイナーソシャゲの世界でした〜  作者: 潟湖
年末年始と冬休み

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第1052話 勝ち気な彼女

 目覚めの湖の小島に移動したライト達。

 早速敷物などを敷き、おやつタイムの準備を進める。

 ラウルとレオニスが小島の上での支度をしている間、ライトとマキシはアクアとイードにあげる魔物肉のミートボールくんの準備をしている。


「へー、このお肉がアクア君とイードちゃんの大好物なんだねー」

「うん!特にイードはこのミートボールくんがとっても大好きなんだ!ぼくがイードと会ったばかりの頃からずーっとあげ続けてるしね!」

「ライト君はイードちゃんの親友なんだね!」

「うん!イードはカタポレンの森で初めてできた友達なんだ!」


 ニコニコ笑顔で語るライトに、マキシもまた笑みが溢れる。

 今日のミートボールくんは、ライトの胴体程もある特大サイズ。これを五個出してピラミッドのように積み重ねる。

 ミートボールくんのピラミッドを二つ作り終えた頃、レオニスから声がかかった。


「おーい、こっちは準備できたぞー。そっちはどうだー?」

「こっちもだいたい準備できたよー!」


 ラウルの呼びかけに、ライトとマキシがレオニスのもとに向かう。

 レオニスとラウルが敷いた敷物の上には、水の女王とウィカがワクテカ顔でちょこんと座っている。

 美味しいおやつを待ち侘びる期待の眼差しが眩しく輝いていた。


「「「『『『いっただっきまーす!』』』」」」


 ここでも食事の挨拶を唱和するライト達。

 皆しっかりと人族の習慣に馴染んでいる。

 そしてクッキーやプリン、アップルパイなどを頬張るレオニスと水の女王に、プロステスの海産物を喜んで食べるウィカ。

 もちろんアクアとイードも、ライト特製ミートボールくんを美味しそうに食べている。


 ちなみにライト、ラウル、マキシは先程昼食を食べたばかりなので、一口ドーナツやシュークリームなどをゆっくり頬張るだけである。

 だが、レオニスだけは先程の昼食などすっかり消化しきってしまったかのように、パクパクとスイーツ類を食べている。

 よく『甘い物は別腹ー!』などと言うが、もしかしてレオニスは胃が三つか四つはあるのではなかろうか。


 結構な勢いでおやつを食べるレオニスと水の女王。

 二人は宝珠のことについて話していた。


『ねぇねぇ、レオニス。あの宝珠で足りた?』

「いンや、一番最初にここで作ってもらった【水の宝珠】を使ったんだが。ほぼ使い切っても、復元が終わらなさそうだったんだよなー。だから二個目の【光の宝珠】を結局半分くらい使ったかな」

『え、ウソ、マジ?』

「マジマジ」


 てっきり【水の宝珠】一つで解決できると思っていた水の女王。

 だが、レオニスの話でそれは叶わなかったと知り、半ば呆然としていた。


『ぅぇー、あれ一個だけで相当な魔力量だったのに……それでも足りなくなるって、その聖遺物とやらってのは一体どんだけ相当な魔力食いなのよ?』

「全くなー。念の為宝珠を三種類用意しといて本当に良かったぜ」

『そしたら、他のお姉ちゃん達の宝珠も一応見せてもらえる?』

「おう、いいぞー」


 水の女王の要請に、レオニスは快く応じる。

 早速空間魔法陣を開き、三つの宝珠を取り出した。

 未使用の【雷の宝珠】はそのままの大きさで、二個目に使用した【光の宝珠】は半分くらいの大きさになっている。

 そして一番最後に出してきた【水の宝珠】は、【水の乙女の雫】と同じくらいの粒だった。


「……ほれ、一応【水の宝珠】もちょっとだけ残してある」

『そなの? 何で? 全部は使わなかったの?』

「ああ。せっかくアクアと水の女王に作ってもらった、大事なものだからな。全部使い切って消滅させるなんて、もったいなかったんだ」

『……ンもー、そんなところで気遣わなくてもいいのにー』


 雫並みに小粒になった宝珠を見て『???』という顔をしていた水の女王。

『もったいなくて残した』というレオニスの言葉に、水の女王は照れ臭そうにプイッ!とそっぽを向く。

 本来なら消滅するまで使い切って当然のところを、記念品として手元に残しておきたかったレオニスの心遣いが、水の女王にとっては嬉しく感じたようだ。


 小指の爪程度に縮んでしまった【水の宝珠】。

 レオニスは水の女王に見せるだけ見せて、すぐに空間魔法陣に仕舞い込んだ。

 そして右手に【雷の宝珠】を持ち、左手には【光の宝珠】を持ち直した。

 レオニスの両手の上に乗る二つの宝珠を、水の女王が繁々と眺めている。


『ふーん……確かに一度も使わなかったの雷のお姉ちゃんのは、私が作った宝珠とほぼ同じサイズね。……で? こっちが光のお姉ちゃんの宝珠ね? ……こっちは半分くらい減ってるのね』


 宝珠の実物を眺めながら、ブツブツと呟く水の女王。

 レオニスの横にいたライトは、今のうちに!とばかりに唯一完全体の【雷の宝珠】を【詳細鑑定】した。



 ====================



【雷の宝珠】


 雷の女王が生み出す【雷の乙女の雫】の上位版。

 属性の女王とそれに対応する守護神が、一致協力することによってのみ得られるとても貴重な魔力補強アイテム。

 宝珠一つだけでMP250000相当の回復が可能となる。


 売価:1000000000G



 ====================



【雷の宝珠】の詳細鑑定を見たライト、そのあまりの規格外差に思わず内心で驚愕する。



『えええ、えむぴぃ、にじゅうごまん……』

『これ一つで、セラフィックエーテル百本分以上になるんか……すっげーな!』

『……で? 売価が? いち、じゅう、ひゃく、せん……10億G!?』

『……って、雫だって一粒で1000万Gだもんなー。宝珠ともなるとその百倍くらいはして当然か』



 宝珠一つで10億G、つまりは100億円相当。

 もはや想像もつかない金額だが、乙女の雫の売価額が一粒1000万Gであることを考えると、百倍という評価は妥当な気がするライト。

 いずれにしても、このサイサクス世界で普通に暮らしていたら一生お目にかかることのない品だけに、青天井な値段も納得である。


 一方で、ライトがこっそり詳細鑑定していることなど全く気づかない水の女王。

 決意も新たに両手を握りしめる。


『よーし、そしたら今度はもっともっと大きな宝珠を作るわね!』

「ン? いや、復元魔法なんて物騒なもんは当分使わんぞ?」

『いーえ!そのナントカって聖遺物を一回だけで復元できなかったことは、私とアクア様の敗北を意味するのよ!そんなの絶対に認めないんだから!』

「ぃゃ、復元魔法の過程に勝ち負けの勝負なんてねぇぞ……?」

『黙らっしゃい!このままでは属性の女王の名が廃るというものなのよ!』

「そ、そういうもんなんか……」


 フンス!と鼻息も荒くリベンジを誓う水の女王に、レオニスはタジタジとするばかり。見た目はおっとりとした彼女だが、ところどころで勝ち気な性格が垣間見える。

 実際にもっと巨大な宝珠を作ることが果たして可能なのか?という疑問はさて置き、悔しさをバネに新たな目標を持つのはいいことだ。


 ちなみにアクアの方は『水の女王がやりたいなら、僕は応援するよー』と呑気に構えている。

 そんなアクアに、水の女王は『アクア様ー!ありがとうございますぅー!』と大喜びしながらアクアの首っ玉に飛びついてハグ&頬ずりしている。

 相変わらず仲睦まじい女王&守護神である。


 レオニス達がそんな話をしていると、ラウルがレオニスや水の女王に向かって声をかけた。


「水の女王にご主人様よ、俺はそろそろ湖の貝を捕りに潜りたいんだが。漁に出かけてもいいか?」

『ええ、いいわよー。好きなだけ獲っていってちょうだい』

「おお、そしたら俺もそろそろ森の警邏に出るとするか。ライトとマキシはどうする?」


 ラウルの言葉に水の女王は快諾し、レオニスもまた己の仕事である森の警邏に出るという。

 そしてライトとマキシの意向を問うたレオニスに、二人は元気良く答える。


「ぼくはラウルのお手伝いをするー!」

「僕もラウルの手伝いをしながら、水の女王様やアクア君、ウィカちゃんにイードちゃんとももっと遊びたいです!」

「そっか。そしたら帰りはラウルといっしょに三人で帰るようにな」

「はーい!」

「はい!」


 ライト達の答えに、レオニスは笑いながらライトの頭をくしゃくしゃと撫でる。

 そしてレオニスは徐に立ち上がり、水の女王とアクアに挨拶をした。


「じゃ、俺は森の警邏に行ってくる。ライト達のことをよろしくな」

『任せてー!』

「宝珠作りも、あまり無理しないようにな」

『そっちも任せなさーい!』

「……アクア、水の女王のことをよく見ててやってくれよ?」

『もちろん。それが僕の役目の一つだからねー』


 いつも以上に元気で張り切る水の女王に、レオニスはアクアにゴニョゴニョと囁く。

 宝珠作りによって水の女王の生命を削るなんてことはないだろうが、それでもそう簡単にホイホイと作っていい品でもないはずだ。

 負けん気が強いせいで、水の女王の健康が阻害されてしまってはレオニスとしても立つ瀬がない。


「じゃ、いってくる。水の女王、アクア、ウィカ、イード、またな!」

『『『『いってらっしゃーい!』』』』


 目覚めの湖の小島から、勢いよく飛び立っていくレオニス。

 飛翔する深紅のロングジャケット、その背中を目覚めの湖の愉快な仲間達が皆手や前肢、触手などをフリフリしながら見送っている。

 そうして深紅の背中が完全に見えなくなってから、水の女王がラウルに向かって声をかけた。


『そしたらラウル、湖底で貝獲りしましょ!』

「おう、皆で行くか。……その前に、この敷物とかを片付けてからな」


 おやつタイムで使用した食器やらコップなどを片付け始めるラウル。

 水の女王とウィカは、トトト……と歩いてその場から遠ざかり、ライトとマキシはラウルの片付けを手伝う。

 サクッと片付けを終えて、ラウルが手をパン、パン、と叩きながら皆に声をかける。


「さ、じゃあ今から皆で貝を獲りに行くか」

「「『『はーい!』』」」


 ラウルの掛け声に、ライトもマキシも元気に返事をする。

 そしてライト達は、目覚めの湖の愉快な仲間達とともに湖底に潜っていった。

 目覚めの湖でののんびりおやつタイムです。

 途中ライトが改めて【詳細鑑定】することで、宝珠の真価を公表してみました(・∀・)

 ぃゃー、ホントは新しいアイテムとか出る度に、常に数値化したり情報提供すべきなんでしょうけど。作者は大雑把かつトリ頭な粗忽者なので、ついつい忘れちゃうんですよねぇ(;ω;)

 というか、今回は宝珠の売価とかMP回復量の数値化に何気に苦心してたりして。

 でも、そこら辺もきっちり表現しておくと、よりハイファンタジー感やゲーム世界感がマシマシになりますよね!゜.+(・∀・)+.゜

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