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マイナーゲーム世界で人生を切り拓く〜気がつけばそこは、誰も知らないドマイナーソシャゲの世界でした〜  作者: 潟湖
最後の聖遺物

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第1034話 ルディとの約束

 ルディとともに北レンドルー地方に移動したライト。辺りには荒涼とした光景が広がる。


 ここは、九月中旬頃にライトがルディとともに訪れた場所。マッピング登録した理由は、ディソレトホーク狩りのためだ。

 この北レンドルー地方に生息するディソレトホークは、グランドポーションの材料の一つ『荒原鷹の斬爪』のもとである。

 当然このグランドポーションも、アンチドートキャンディ同様マキシマスポーションの材料に含まれる。故に鋭意大増産していかなければならないので、ライトは黄大河に行く前にここで少し狩っていくことにした。


「ルディ、ここで少し魔物狩りをしていきたいんだけど、手伝ってくれる?」

『もちろんです!』

「そしたら、ルディが倒した魔物をぼくが拾うからよろしくね。もし途中で疲れたら、すぐに言ってね!」

『はい!』


 登録ポイントでしばらく立っていると、どこからかロックワームやストーンツリーが襲いかかってくる。

 それらを倒しながら、お目当てのディソレトホークもバンバン狩っていくライト達。何を何匹狩ったかなど数える間もなく、手当り次第倒しては狩った魔物をアイテムリュックに収納するライト。


 いつもなら、ライト一人で狩っては拾ってを繰り返さなければならないのでかなり大変なのだが、今日はルディがいてくれるので大助かりだ。

 二馬力で稼げる時にガッツリ稼ぐ、実にちゃっかりとしたライトである。


 時折ライトがルディにHP回復スキルをかけたり、魔力回復剤を適宜与えてMP回復させていく。

 そうして小一時間程魔物狩りをした後、ライトは魔物除けの呪符を使って一休みすることにした。

 さすがに魔物狩りの直後に黄大河行きとか、ルディを扱き使うような真似はしないのである。


 北レンドルーの荒野のド真ん中で、地べたに座りながらアップルパイやぬるぬるドリンクを飲むライトとルディ。

 この近辺に高レベルのレア魔物はいないので、呪符の効果で魔物が一切寄ってこない。おかげでゆったりと過ごせて、実に快適な休憩時間だ。


『そういえば、パパ様。僕、この間使い魔の卵を見つけて拾ってきたんです!』

「そうなの?」

『はい!なので、そろそろ僕にも弟か妹が欲しいんですが……』

「あー、そうだねぇ……うん、ルディも弟か妹欲しいよねぇ」

『はい!』


 輝くようなワクテカ顔で、ライトに使い魔の卵を拾ってきたことを報告するルディ。

 それはかつて、ミーナが使い魔の卵を拾ってきた時と同じ顔である。

 実際のところ、ルディの『弟か妹が欲しい』という気持ちは分からなくもない。むしろライトとしては、その気持ちは痛い程よく分かる。


 弟か妹が生まれたら、今度は自分が兄という立場を手に入れられる。

 もちろん今の弟という立場も良いけれど、弟妹から『お兄ちゃん!』と呼ばれたい!という思いも同時に存在するのだ。

 弟妹から呼ばれる『お兄ちゃん』という甘美な響き。それを得るには、兎にも角にも自分より後に生まれた者が必須なのである。


 そんなルディの期待を受けて、ライトもぬるぬるドリンク薄黄色をちびちびと飲みながら真剣に考える。


「そうだねー……まずは、その使い魔の卵にどんなご飯を与えるかから考えなくちゃね」

『ご飯は基本的に一種類が良くて、与えるご飯によって生まれる種族が変化するんですよね?』

「ン? ルディ、よくそんなこと知ってるね?」

『卵を孵化させる方法を、ミーア姉様やミーナ姉様から聞きました!』

「あー、そっかー。二人とも卵が孵化するところを見たことあるもんねー」


 ルディが使い魔の卵の孵化法則を知っていることに驚くライト。

 だが、二人の姉達から話に聞いていたと知り納得する。

 きっとルディが使い魔の卵を拾ってきた直後から、卵の孵化に関する様々な話を姉達に聞いていたのだろう。

 ワクテカ顔で質問するルディに、二人の姉達がニコニコと嬉しそうに答える光景が目に浮かぶようだ。


「ミーアにはコズミックエーテル、ルディにはグランドポーションを与えたってのも知ってる?」

『はい!それもミーア姉様とミーナ姉様に聞きました!』

「フォルの時は神樹の葉っぱで、ウィカには目覚めの湖の魚介類を与えたんだよねー。……あ、実はルディの後にも一度使い魔の卵を孵化させたことがあってね? その時は美味しい肉を与えて、黒妖狼の男の子が生まれたんだ」


 ルディだけでなく、これまでの使い魔の卵の孵化歴を振り返りつつ辿るライト。

 カーバンクルのフォルにウィカチャのウィカ、力天使のミーナに黄金龍のルディ、そしてオーガの里で生まれた黒妖狼のラニ。全部で五回の孵化をライトは見守ってきた。

 ルディは知らぬ間に弟が生まれていたことに、驚きを隠せない。


『そうなんですね!それは初めて聞きました!僕の知らないところで弟が生まれていたんですね!』

「うん。その子はオーガの里で生まれたから、そのままオーガの里で育ててもらってるんだ」

『僕もいつかその子に……黒妖狼の弟に会うことはできますか?』

「うーん、今すぐには難しいけど……いつか絶対に会わせてあげるよ!」

『…………はい!その日を楽しみにしてます!』


 まだ見ぬ弟との邂逅をルディが強く望むのは当然のことだ。

 だが、それを今すぐに実現するのは難しい。ラニはオーガ族族長のラキ家の一員として、オーガの里で暮らしているからだ。

 しかし、ライトが大きく成長して冒険者として独り立ちするようになったら、何とか理由をつけてラニとともにオーガの里の外に出かけることもできるだろう。

 その時に、遠くから一目だけでもルディ達兄姉に会わせてやりたい。ライトはそう思ったのだ。


 そんなライトの気遣いに、ルディも嬉しそうに破顔する。

 そして努めて明るい声でライトにおねだりをした。


『そしたらパパ様、僕が拾ってきた卵の孵化も忘れないでくださいね?』

「うん!ぼく、今ちょっといろいろと忙し過ぎて、すぐには孵化させられそうにないけど……それでもどの種族がいいか、そのためにどんなご飯を用意するのがいいかとかも考えておくし、絶対にその卵は孵化させるから!ルディも楽しみに待っててね!」

『はい!!』


 今すぐには孵化に着手できないが、必ず孵化させるとルディに約束するライト。

 今のライトは濃縮マキシマスポーション作りに必死だし、それ以外にも【晶瑩玲瓏】の復元作業やら年明けの邪竜の島討滅戦が待ち構えている。それらの準備が最優先であり、とてもじゃないが使い魔の卵の孵化まで手が回らないのだ。


 しかし、ライトが『絶対に孵化させる!』と言ったからには、それは確定事項であり必ず実現されることをルディは知っている。

 ライトの確約宣言を得たルディは、花咲くような笑顔になっていた。



 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 休憩時間を終えて、北レンドルー地方から南下するライト達。

 ルディの背中に乗って空を飛ぶこと約小一時間。黄大河の中流が見えてきた。

 そこは人族が用いる地理で言えば『中央レンドルー地方』と呼ばれる地域で、人里は殆どない。

 大きな川幅で今はゆったりとした流れに見えるが、時折大きな氾濫を起こすことで有名な場所でもある。


「あ、ルディ、あの川の近くの平らな地面のところに降りてくれる?」

『分かりました!』


 ルディはライトの指示に従い、川岸から少し離れた荒れ地に降りた。

 ライトはルディの背中から降りて、早速マイページを開く。この場所にマッピングの地点登録をするためである。


「……これでよし、と」


 マッピングの九ヶ所目となるこの場所は『中央レンドルー/地点A』と名付けられた。

 これでいつでもライトは黄大河の原水を採取できるようになった。マキシマスポーションの量産への準備は着々と進んでいく。

 無事マッピングの地点登録を終えたライトは、アイテムリュックから大量の木製バケツを取り出し始めた。


「そしたらルディ、このバケツに川の水を汲んできてくれる?」

『お安い御用です!』

「ありがとう、よろしくね!」


 ライトの頼みにルディは快く返事をし、その鋭い爪にバケツの持ち手を引っかけて川の水を汲み始めた。

 ルディがバケツで水を汲み、ライトは黄大河の原水がなみなみと入ったバケツをアイテムリュックに入れていく。

 そうしてライトは百個のバケツを使い、黄大河の原水を確保したのだった。

 ライトとルディによる、黄大河の原水採取の旅?です。

 お約束のマッピング登録も済ませ、マキシマスポーション作り体制は今のところ順風満帆です(・∀・)

 というか、会話の大半がルディの弟妹=新しい使い魔の卵の話になっちゃってますけども(´^ω^`)

 しかしまぁ作中でライトも言っていた通り、六回目の孵化はまだまだ当分先のことですねー。それより先にやらなきゃならんこと山積み過ぎて(;ω;)

 とはいえルディの願いはライトも叶えてあげたいので、一段落してから絶対に孵化させることが確定です。


 そしてリアルでは、今日から十二月。師走突入でございます。

 2023年があと一ヶ月で終わってしまうなんて……嘘でしょ!?とか思う作者。

 去年の今頃は何を書いてたかすぃら?と思いつつサルベージしてみると。第685話でピースとともに炎の女王に会いに行くところでした。

 その直後にツィちゃんのアレが起きたのか……あの話は作者も精神的に超キツかったわぁ……てゆか、そこからもう一年経過しちゃったん!?Σ( ゜д゜)

 本当に、月日が経つのは早(以下略


 今年も残すところあと一ヶ月。コロナだけでなくインフルエンザも大流行する昨今、読者の皆様方も体調を崩さぬようお気をつけくださいまし。

 もちろん作者も頑張りますです!(`・ω・´)

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