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マイナーゲーム世界で人生を切り拓く〜気がつけばそこは、誰も知らないドマイナーソシャゲの世界でした〜  作者: 潟湖
最後の聖遺物

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第1032話 材料集めを急ぐ理由

 ライト達が地底世界で探検三昧に過ごした翌日の日曜日。

 この日は各自思い思いに行動していた。

 レオニスはアイギスに出向き、前日に入手した冥界樹ユグドランガの枝の加工依頼を出した。今回もタイピンやカフスボタン、腕輪などに加工してもらう予定である。


 ちなみにユグドランガの枝は、材質が異なる海樹ユグドライアを除いた他のどの神樹の枝よりも硬いらしい。

 実際その重量も他の神樹の枝に比べて明らかに重い。

 枝の一部を手にしたカイが、その場にあった小刀で切りつけてみたものの、普通の小刀程度では小傷一つつけられなかった。

 その時カイは「これはセイに加工してもらった方がよさそうね……」と呟いたという。

 神樹族の長男だけあって、性格も本体も骨太ということか。


 そのため加工期間はいつもより長めに見積って、年明けの受け取りとした。

 加工担当となったセイからは「年始を飾るスペシャルスイーツもよろしくね!」という期待に満ちたリクエストを寄せられている。

 ラウルの仕事がまた一つ増えた瞬間である。


 一方ラウルは午前中は畑作業に勤しみ、午後からユグドラツィのもとを訪れていた。前日にユグドランガから託された分体を届けるためである。

 ユグドランガの分体入り球体は、ラウルの手で早速ユグドラツィの幹の洞に入れられた。


 その幹に無事分体を納められたユグドラツィは、『フフフ……ランガ兄様ってば、本当にせっかちなんだから』と笑いながら、とても嬉しそうにしている。

 それもそのはず、これでユグドラツィのもとに他の五本の神樹全ての分体が揃ったのだから。

 いつも以上にワッシャワッシャと揺れるユグドラツィの枝葉に、分体を届けたラウルも顔を綻ばせていた。


 そしてライトはというと、この日もクエストイベントのエクストラクエストをクリアする為の下準備と作業に勤しんでいた。



 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 午前中のライトは、下準備の一つであるアンチドートキャンディ作りに没頭していた。

 このアンチドートキャンディは、マキシマスポーションの材料の一つであり、同品1個を作るのに2個のアンチドートキャンディが要求される。

 そして濃縮マキシマスポーション100個分を作るには、濃縮前で500個のマキシマスポーションが必要となる。

 つまりこのアンチドートキャンディを、ライトは1000個用意しておく必要があるのだ。


 ちなみにアンチドートキャンディのレシピは、以下の通りである。



 ====================



【アンチドートキャンディ 原材料】

 1.毒茨の球根10個

 2.濃縮イノセントポーション1個

 3.黄大河の原水3個

 4.濃縮セラフィックエーテル1個

 5.紫のねばねば1個



 ====================



 これらの材料を、マイページをチェックしつつ順次揃える支度をする。

 イノセントポーションやセラフィックエーテルの濃縮は、平日の帰宅後などに暇を見ては作り貯めているので準備完了している。

 毒茨の球根に関しても、デッドリーソーンローズとの長ーい付き合いによりそこそこストックはある。

 だが、アンチドートキャンディ1000個分を作るために必要な10000個には到底足りない。


 今日の午前中は、デッドリーソーンローズちゃんの球根をもらいに行こう!

 でもって午後イチに転職神殿に行って、ルディとミーナといっしょに黄大河にお出かけして、原水を採取しよう。

 ライトは今日の計画を頭の中で組み立てつつ、スライム飼育場の売店で購入した『紫のねばねばの源』を適量の水と混ぜてひたすら練り練りしている。

 これは、アンチドートキャンディ1個につき1個に必要な『紫のねばねば』を作っているのである。


 スライム飼育場で買える『ねばねばの源』は、一袋につき20個分のねばねばに還元できる。

 そして紫のねばねば1000個分に必要な『紫のねばねばの源』は50袋。源は一袋250Gなので、そのお値段は12500G。

 ライトのような子供が、12万円相当の品を一人で一気に購入するのはさすがに無理がある。会計のおばちゃんに怪しまれてもいけないので、ライトは10袋を五回、わざわざ日を分けて購入した。

 子供故に、材料一つ揃えるにも小芝居が必要なライト。こういう時、早く大人になりたいなぁ……と切実に思うライトである。


 紫のねばねばの源50袋分を練り上げた後、ライトは早速デッドリーソーンローズ狩りに出かけた。

 ライトは朝の魔石回収ルーティンワーク時に、デッドリーソーンローズを見かけたらこまめに採取に努めている。なので、どこに行けばデッドリーソーンが群生しているかを完璧に網羅している。


 デッドリーソーンローズの生態は、ライトの夏休みの課題の一つである観察日記でこれまた完璧に把握している。

 家の近くからかなり遠目のところまで、約十ヶ所のデッドリーソーンローズの群生がある。その十ヶ所を、一ヶ所につき移動時間込みで平均三分、約三十分かけて採取し続けていく。

 デッドリーソーンローズの再生時間は約三十分なので、一周回った頃にちょうど再生が完了しているのだ。いわば無限再生ループである。


 そうして午前中は毒茨の球根採取に邁進したライト。

 群生地一ヶ所につき二十株前後のデッドリーソーンローズがいるので、午前中の五時間で無限再生ループ百周分=約2000個の球根が採取できた。

 以前からのストック分と合わせて、午後にも再び採取に励めば今日中に必要量の10000個に到達しそうだ……とライトはニヤリとほくそ笑む。


 ライトがここまで血眼になって濃縮マキシマスポーション作りに励むのには、理由がある。

 それは、エクストラクエストの濃縮マキシマスポーションの報酬が『身代わりの実追加レシピA』となっているからだった。


 これまでのクエストイベントは、1ページにつき1種類のアイテムがお題として出てきて、材料を揃えて混ぜ合わせることでアイテムが完成してクリアとなった。

 だが、クエストイベントの本題を終えた後に出てきたエクストラクエストは、今までの流れと全く違う。報酬の中に『追加レシピ』と謳ったものが二つもあるのだ。


 これは、エクストラクエストで揃えた材料以外にも、特殊な製法もしくは追加材料が隠されていることを意味している。

 ライトが作りたくてしょうがない『身代わりの実』を作り、一日でも早くエクストラクエストをクリアするには、この追加レシピの早期解明が欠かせないのだ。


 ライトは手早く昼食を摂り終えて、息つく間もなく転職神殿に向かっていった。

 ライト達の久々の冒険、地底世界探索が無事終了した後の日常回帰です。

 というか、今日は予想外の急用が重なって執筆時間がいつも以上に取れませんてした><

 まだ師走突入前だってのに、何でこんなに忙しいんだろう_| ̄|●


 というか、クエストイベント回になる度に『はて、あれの材料はいくつだっけ』『あれは何が必要だぅたっけ?』と毎回サルベージしては見返している作者。

 これじゃいい加減効率悪いし、これまで出てきてクリアしたクエストイベントの内容などを別小説枠で設けた『BCO世界資料集』に載せたいなぁ……と常々考えてはいるんですが。本文執筆だけでいっぱいいっぱいで、とてもとてもBCO世界資料集まで手が回らず(;ω;)


 しかし、効率的に考えるとやはり資料集にも本気で取り組んだ方が絶対に良さそうなのは間違いないので。近いうちに何とかしたいと思います。

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