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トランスジェンダー  作者: 夏目 碧央
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青天の霹靂(へきれき)

 ピカ!ビリビリビリ!

「キャー!」

突然雷に打たれ、全身が痺れた。


 気が付くと、私はトイレの床に倒れていた。洗面台に手をついて、よっこらしょと立ち上がる。そして、鏡を見ると・・・。

「あれ・・・?これ、私?なんだか、ごつくて、髭もちょっと濃くて・・・まるで男みたい。」

思わず、手を胸に当てる。・・・ない。そして、その手を下へ。・・・ある・・・。

「な、何これ!私、私、男になってる!?」

君の前前前世から僕は君を探し始めたよ~♪ と、曲が流れたような気がしたが、誰かと入れ替わったわけではないようだ。一応、鏡に映った私はどっかの他人の顔ではなく、ほぼ私の顔。でも、ごつくなっている。ただ、女から男になっただけ。そういえば、声も低くなっているかも。

「あー。」

やっぱり。一体どうなってるの?それより、ここって会社の女子トイレでしょ。こんなところで誰かに見つかったら大変。それに、このスーツ、スカート短いし、ごつい足が恥ずかしい!このピンクのハイヒールも!!

 早く家に帰らなくちゃ。今何時だっけ?7時半か。私どれだけ倒れていたのかしら。


 会社を出て、電車に乗って帰る。ああ、周りの視線が痛い。そうだ、マスクマスク。これで髭は隠れるわね。でも足のごついのは隠せないよぉ。

 走るようにして、自分のアパートに逃げ込んだ。いつものように、スーツを脱ぎ、メイクを落とし、お風呂に入る。長い髪にはヘアートリートメントをし、ドライヤーをかけ、毛先にスポンジカーラーを巻く。・・・って、そんな事、男の体なのにやってていいのか、私?ああ、どうしよう。どうなっちゃうの?そうだ、お母さんに電話しよう。

「もしもし、お母さん?」

「渚?どうしたの?仕事終わったの?」

「うん。あのさ、私・・・なんだか男みたいになっちゃったの。どうしよう、ねえ、どうしたんだろう私。」

こんな事言っても、お母さんだって混乱するわよね・・・。でも、どう説明していいか分からなくて。すると、

「今更何言ってんの。あなたは昔から女の子でしょ?自分の思うように生きればいいのよ。」

と、お母さんは気楽に言った。

「・・・うん。」

何だか、それ以上何も言えなくて、素直に頷いてしまった。

 とにかく、私の服は女の子丸出しの服ばっかりだから、男の子用の服を買いに行かなくてはならない。明日は土曜日だから、買いに行こう!


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