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1話

「勇者ケイよ、我が国のため北の魔王を討伐するのだ。」

「承りました。必ずや魔王を討って参ります。」


\勇者様ー!/ \ケイ様ー!/ \勇者様お願いしますー!/

\\\\\勇者様!!!!!//////


(はぁ〜〜めんどくせぇ〜〜〜〜〜〜)






俺の名前はケイ。2年前からこのダワンカという国で勇者をやって(やらされて)いる。

たぶん世界最強の生き物だ。



王宮前の広場で開かれた魔王討伐の勅令(ちょくれい)儀式を終えた。

時間にして1時間半。


「だぁ〜もういい加減この長ったらしい儀式やめられないのか国王さんよぉ??」

「何度も言っておろう。体裁が大事なんじゃよ体裁がぁ〜。国民に希望を持たせ、信頼を得るには目に見える形も必要なんじゃ。だからそんなこと言わんでくれ〜。」


俺に対して下手(したて)に出てるこのじいさんはガルドン。

ダワンカの国王だ。



「だがなケイよ。今回の敵である北の魔王はなかなかの強敵みたいじゃぞ。」

「ああそう。期待できるわー(棒)」




ここで俺ことケイの性格をご紹介しよう!


まず超がつくほどの面倒くさがり屋!

本当は勇者なんかせずに家でゴロゴロしていたい!将来の夢はヒモ!!

そして頼まれたらなかなか断れない性分!

人助けはめちゃ面倒だけどなんだかんだ助けちゃう!俺優しすぎ!!

極めつけは自分が最強だって自覚してる!

一瞬でカタがつくから闘いの喜びもクソもない!むっちゃ退屈!!


簡単に言うとこんな感じだ!



「じゃあ早速北のまおちゃん倒しに行ってくるわー」

「だから早いって!!さっき勅令したばかりだよね!?国民に嘘だと思われるじゃろ!!!」



本来なら転送魔法でさっさと魔王のとこに行って倒しちゃえばいいんだけど、国民からのイメージのため討ち取ってくるまでに時間を空けなければいけない。

それに装備にも自ら傷をつけたりだとか。

なんとも無駄な時間だ…。


しかも俺の姿を国民に見られるわけにはいかないので、その間王宮内で過ごすことを強いられる。

今回は10日間のようだ。

王宮の部屋は豪華すぎて落ち着かないから好きじゃない。



「ケイ様ーーーーーーー!!稽古つけてくださーーーーーーーーーーい!!!!」


さらに俺の怠惰な生活を邪魔する存在がこの女………。


「ケイ様ケイ様ケイ様!!今回は10日間王宮にいるんですよね?自分前回の勅令の時から鍛錬を積んだので是非見てください!!!」


こいつの名前はカルア。

王宮を守る騎士団の団長の1人だ。

団長はカルア含めて3人いる。


「やだね。めんどくさいし。大体騎士団の団長なら人の力に頼るなよー。」

「えーいいじゃありませんかー。どうせケイ様10日間暇人でしょ?ププッ」


見ての通りこいつはやかましいしうざい。


「あーそうだ暇だ。だが俺は暇が大好きなんだ。暇なことが幸せなんだ。わかったら俺の暇を邪魔するな。」

「それ完全にボッチがする発言っすよ〜(笑)

そんなこと言ってるからケイ様は友達が1人もいないんすよ〜キャハハハハッ!!」


普通にイラっときたから王都から10km離れた魔物だらけの森に転送してやった。



「強くなりたいって上昇志向はいいんだけど俺以外に頼んでくんないかなーまったく。ほんとに迷惑な奴だ…顔は結構いいけど(ボソッ)」



ドタドタドタドタドタドタドタドタ



「ハァハァ…。ケイ様、失礼致します。ここにカルアが来ませんでしたでしょうか?」

「来たけどすぐどっか行っちゃったなー(棒)

まあそれはいいとして、あんまり女性が足音たてて走り回るもんじゃないよ。」

「はっ……申し訳ございません。私としたことが……。」


今俺と話してる女はレイラ。

カルアと並んで騎士団の団長の1人だ。

レイラはカルアと違って品性があるし、いかにも騎士団長って感じのしっかり者である。



ただ…………、


「…それはそうとケイ様。今回は10日間王宮内で過ごすと耳にしました。」


おい、それ以上なにも言わないでくれ。


「お時間がございましたら稽古をつけていただけませんでしょうか。」


はぁ…やっぱりか……。

こいつもこいつで厄介なんだよなぁ…。


「あのー……俺じゃないとだめ?」

「はい。ケイ様は私の目標であり、憧れであり、夢です。私はダワンカ国のため、ケイ様のような強い人間になりたいのです。」

「ぐっ……。」


綺麗に整った顔と澄みきった目をこちらに向けてくる。

レイラはカルアと違って真面目な奴だから断りづらいんだよなぁ…。

毎回俺の良心に訴えかけてきやがる……。



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