01話 桃から生まれたモモコです!
「おはようございます! おじいさん、おばあさん♪」
朝の挨拶をすると、おじいさんとおばあさんがこちらを向いて、にっこりと微笑みました。
「おお、モモコ! 今日も可愛いのぅ」
「おはようモモコ。いい朝だね。うん、本当にあなたは可愛いわね!」
ふふっ。可愛いですよね!
そうですよね。自分で見たって、私は可愛いんですから!
洗面台の鏡の前には、髪の毛が寝ぐせでぼさぼさで、まだ眠そうに瞼が半分落ちているにも関わらず、この世のものとは思えないほどの美少女が鏡に映っていました。
栗色の髪はふんわりとボリュームがあるのに触ってみるとサラサラで、顔はちょっとあどけないけどそれそれのパーツは精緻に整っており、完璧に配置されています。
肌は陶磁器なんていうレベルじゃない、ミルクそのもののように真っ白でみずみずしくてもう美味しそうで食べてしまいたいくらい!
身体はまだまだ10代になったばかりかなってくらいで、まだまだ成長途上だと思うけれど、すでに腰の高さがすごく上にあって、神スタイルになる片鱗みたいなのが見えちゃってますね。
はー。美しすぎて溜息がでちゃう。
これがこの世界の私。桃から生まれたモモコなんです。
しかし、いけないいけない。
「えー。全然そんなことないですよ。寝ぐせもひどいし、恥ずかしいです」
顔を赤らめ、恥ずかしそうに身をくねらせて上目遣いにおじいさんとおばあさんの方を見ます。
二人はハートを撃ち抜かれたような顔をしていますね(笑)
そうそう。どんなに可愛くても、性格や言動が謙虚で可愛らしくなければ女の子って魅力半減ですもんね!