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美少女の猫である  作者: 赤座タナ
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VS新教皇

 村を要塞化させてから一日後……。

 敵の大軍が進行してきた。


 しかし、敵は要塞化された村を見て唖然としているようだった。


「なんだ、これは!? こんなんじゃ攻められないぞ」

「この村は前までこうじゃなかったぞ」

 兵士達のうろたえる姿が手に取るように分かる。



「あ、悪魔め! 出てこい! 我らは新教皇様の兵であるぞ」

 敵の大軍の代表らしき人物が叫んだ。


「嫌だね! 誰が出ていくもんか」

 俺はきっぱりと言い放ってやった。


「な、ならば、村に攻めいるぞ! 容赦はせん」

 敵は強がって吠えているようだった。


 こちらはそれに応じ、創造した手のひらサイズの岩を投げ放つ。

 高度数十メートルから放たれる岩の威力は、かなりの物であった。


 岩が落ちたところは、ドンと耳を潰すかのような鈍い大きな音を立てて、地面に大きな穴を作っていた。

 敵兵の何割かが怯んでいた。


 一方の敵兵はと言うと、鉄の塊に登ろうとするが、滑って上手くいかないようだ。



 もはや戦いにすらなっていない。

 こちらの攻撃は当たれば致命傷なのに対し、敵の攻撃は届くどころか、こちらに侵入する方法すらないのだから。



「くそ、これではどうする事もできない……。」

 敵は呆然とするのみだった。


「降参するか? 認めてやるぞ」

 と俺が強気に言うと、


「やはり、ワシ自ら行くしかないか」

 と大軍の中から一人の男が、こちらに向かって飛んどきた。



「奴は、新教皇ゲネシス! 直接この村に来ていたのか」

 アルムは怒りに手を握らせながら、叫んでいた。


「神獣……いや悪魔を倒すのにこの軍では不十分とは考えていたが、ワシもまさかここまでとは思わなかったよ」

 新教皇は拍手をしながら誉めるように言った。


「貴様、やはり神獣様と知りながら攻めてきたのか。教皇様をやったのも貴様だな」

 アルムは顔を真っ赤にして叫ぶ。


「はてはて、なんのことやら? と、今更とぼける必要もないか。ああそうだ。ワシらがやったことだ」

 新教皇はヤレヤレと言った様子で返答する。


「よくも教皇様を!」

 アルムは激怒し、敵に向かって飛び、刀を振りかざす。

 しかし、あっさりとかわされてしまう。


「ワシにその程度の攻撃は通用せんよ」

 敵はニヤリと笑みを浮かべると、アルムの腹に拳を一撃いれた。


「グッ……」

 アルムは涎を垂らして、その場で倒れ込んでしまった。


「アルム!?」

 俺は、アルムがこうもあっさりとやられてしまったのを見て驚愕した。


「今私が治療するから!」

 マナちゃんがアルムに向かって回復呪文を唱えようとする。

「レスレクション」


 しかし、それと同時に

「ディスレスレクション」

 と新教皇が唱える。


 新教皇の呪文にかき消されたのか、何も起こらなかったようだ。


「そんな、回復呪文の無効化なんて、タイミングが難しいはず……。それをいとも容易くするなんて」

 とマナちゃんは驚いている様子だった。



「回復されたら厄介だな! 次はお前だ」

 新教皇はマナちゃんに狙いを定めたようだ。


「瞬間移動で逃げるんだ! マナちゃん!」

 俺は叫んだ。


 マナちゃんは、先の戦闘で手に入れた刃物で瞬間移動を試みた。

 無事、傷を付けておいた村の端に瞬間移動できた。


 しかし、そこに先回りしている新教皇。


「いくら瞬間移動が強くても、移動先が分かってたら弱いんですよ」

 新教皇はそう言うとマナちゃんのお腹に殴打を入れる。


「うっ……。」

 マナちゃんはピクピクと痙攣し気絶してしまったようだった。


「マナちゃん!」

 俺はマナちゃんが傷つけられたのを見て、ショックを受けた。


「よくもアルムとマナを!」

 ディアリーも同じ様子であった。

 怒りを拳に込めて、敵に猛攻をしかける。


「こっちを見ろ!」

 ディアリーは新教皇の目の前で、魅了をしかける。


 新教皇はそれが分かっていたかのように、目を瞑る。


「はっ、目を瞑っちまえば、こっちの攻撃はかわせないだろう!」

 ディアリーは勝ちを確信し、言い放った。



 しかし、新教皇は目を瞑ったまま、ディアリーの猛攻を紙一重の所で次々とかわしていったのだった。


「なっ!? 馬鹿なアタシの攻撃を目を瞑ったままかわすだと!?」

 ディアリーは困惑している様子であった。



「私には分かるんですよ。どこに攻撃が来るのかがね。」

 新教皇はそう言うと、ディアリーのお腹に数発拳を入れた。鈍い音が辺りを駆け巡る。


「ガハッ、そんなアタシがこうもあっさりと……。」

 ディアリーもその場に倒れ込んでしまう。



「聞いたことがある。ゲネシスには未来予知の能力があると」

 アルムはお腹に手を当てながら、弱々しい声で俺に教えてくれた。


「未来予知だって!? そんなのどう倒せば良いんだ」

 俺は戸惑った。




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