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美少女の猫である  作者: 赤座タナ
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武器をコピーしまくるぜ!!

 俺達は、武器屋に入った。

「なぁ、お金はどのくらいある?この武器屋で一番高い武器は買えないか?」

 俺はマナちゃんやアルムに問いかける。


「一応そのくらいならあるけれど……」

 アルムは答えた。


「それなら、この武器屋で一番高い武器を買ってくれ。やってみたいことがあるんだ」

「えぇ…でも僕のお金が、ほとんどなくなっちゃうよ」

 アルムは心配そうにそう言う


「お金ならすぐに返すからさ。たぶん……」

「……。分かった」

 アルムは渋々お金を出すと、武器屋で一番高い武器を購入した。


 俺はその武器を手に取り、武器屋の外に出る。そしてその武器とまったく同じものを創造してみせた。


「やっぱり、触っているものは簡単に創造してコピーできるみたいだ。」

 俺はそう言うと、同じ武器を十個程創造してみせた。


「すげーな、ワッセは」

 ディアリーは驚いたような表情を浮かべる。


「これを他の店で売れば金になるだろう?同じ店だと不審がられるだろうけどさ」

「なるほどね、それで一番高い武器を僕に買わせたのか」

「でもそれならお金をコピーした方が早いんじゃねーの?」

 ディアリーがそう言う。


 た、確かにそうだ。思いもしなかった。しかし、そんなことを正直に言えば、俺のせっかくの威厳が落ちてしまう。


「い、いやぁ、お金を創造するのは良くないよ。貨幣の信用が低下し、そのなんだ、ハイパーインフレとか起きちまうだろうよ」

「ハイパーインフレなんだそれ?」

ディアリーは不思議そうに問いかける。


「ワッセちゃんは、色々ちゃんと考えてるんだもんね」

マナちゃんが頭を撫でながら、そう言ってくれた。


「そうそう、そうなんだよ」

 俺はなんとか誤魔化せたかと思い、一安心する。


 その後も、武器屋で高そうな物をコピーしては売るを繰り返し、結構な額のお金が集まっていた。


「凄いよ!元のお金が何十倍にもなってる。」

 アルムは嬉しそうに言う。

「これで資金面では困らないな」

 俺は得意げになる。



 俺たちはその後、武器だけでなく、高い防具や道具を買ってコピーし、それを売るを繰り返した。一度コピーしてしまえば、後からは好きなだけ出せるし、資金調達にもなるからだ。



「こんだけやれば十分だろう」

「そうだね、私達も最強の武器や防具を装備できたみたいだし」


 マナちゃんやアルムやディアリーの武器と防具はこの町で買える物の中で、一番高級な物になっている。


 俺は猫や人の姿を行き来するため、装備品を付けることはしなかった。

 いざとなれば、戦闘中に武器などを創造してしまえば良いので、大した問題にはならないが。

 これで戦闘面でもだいぶ楽になるはずだ。


 ただ、武器や防具の持つ特殊能力まではコピーできないらしい。特殊能力まで欲しいときは、万物創造ではなく、直接その武器や防具を購入する必要があるみたいだ。

 もっともこれだけ資金面も豊富になったのだから、買うことに困ることはなかった。



「さてと、そろそろ出発するか」

 俺がそう言うと、ディアリーが飛行魔法を全員にかける。体が空に浮き、早いスピードで前進する。

 最高の装備を付けたせいか、ディアリーも嬉しそうだ。






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 暗闇の中、数人の者達の声が聞こえる。どうやら会議をしているらしい。


「神獣とやらが現れたと言う噂は本当か?」

「どうやらそのようで」


「厄介なことに異世界転移者な上に、未知の技術力と、万物創造のスキルを持ってるようで」

「それはいかんなあ。技術力が台頭してしまえば、我ら魔法使いが軽視されかねぬ」

「そうなれば、我らへの信仰は死活問題となるだろうなあ」


「教皇はこのことに気づいているようで、奴に使いを出したとか」

「厄介だなぁ……いっそ消えてくれればありがたい」


「ですので、奴に刺客を仕掛けました。世界最高の暗殺者を」

「ほお、それはありがたいことよ」


「我ら魔法使いの権威を守り、世界に安定と平和を」

「それを打ち壊そうとする者の存在は許されぬのだ」


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