4月25日 午後 決闘・決着
武瑠は走っていた、場所は勿論星乃とクレアが決闘をしているであろう会場に。
「頼む、頼むぞ星乃!」
武瑠は恐れていた、どんな時でも一緒に居てくれた友達が、悩んでいる時一緒に居てくれた友達が、いつも笑ってくれてる友達が…消えるのが怖かったのだ。
「星乃ぉ!無事か!?」
会場内に入った瞬間、異様な空気に襲われていた。
「皆…気絶してる?」
見てる人の殆どが白目を向き気絶していた、気絶の様子を見る限り…何かに刺された様に見える。
「じゃ、じゃあ!」
「」
「がっ…かふっ…」
戦闘場にあった光景、それは、血塗れ星乃が刀を収めた後倒れ、それに対するクレアは、斬れてないのに斬られた時の鮮血が戦闘場にこべりついていた。
「武……瑠か……勝った…ぞ、俺…は…」
「お、おい星乃!?大丈夫か!今行くぞ!」
よく分からない、正直な所、星乃が勝てる予定何て見えなかった、だが勝てている…つまり使ったのだろう…
だが今は、戦闘場で瀕死ではあるが親友が生きている事に喜ぼうと思った武瑠。
「星乃、保健室に運んでやるからな!死ぬなよ!?」
「死ぬ…訳…ねぇだろうが。」
星乃は武瑠におぶられ、そのまま戦闘場から出ていった。
「まさか…私が負けるとは…な。」
その一方で、戦闘場に置き去りにされたクレアはというと、腹部を痛そうに撫でながらこう呟いた。
「しかし、あいつの動き…速すぎて見えなかった…」
と、一つの疑問に耽っていた。
そのクレアが持つ疑問点、それは武瑠が来るまで時間、大凡にして10分程前に遡る。
「行くわよ…覚悟しなさい…たぁあああ!」
クレアは地面を蹴り、星乃に急接近し、確実に一発当たる間合いに入り、鎌を振りかざし、斬りかかる直後だった。
「龍の渦潮」
そう微かに聞こえた瞬間、クレアは宙に浮いていた。
「えっ…ちょっと!?」
宙に浮いたクレアはそのまま急接近した時のスピードの赴くまま正反対の方向へ飛んで行くが、クレアは急旋回し、星乃と向き合う。
「な…何が…」
「それを解くのがクレアさんの仕事です。」
星乃は優しく、不気味に見える笑みをして、再び構え直した。
「だったら、徹底的にあなたが崩れるまでやり続けるまでよ!」
そう言い、クレアはまた星乃に突っ込んだ。
………
………………
………………………
………………………………
………………………………………
あれから数分が経ち、クレアは少し息切れしている所が見えたが、星乃からは、全く息切れしているようには見えなかった。
「はぁ…はぁ…はぁ…」
「クレアさん、何が原因か、分かりましたか?」
「主観だと全く分からなかったけど、そうね…私は恐らく、高精度な『受け流し』と予想するわ。」
「流石、正解…っとなると、もう使えないな。」
星乃はそう呟き、次は刀を抜き、両手で柄を持ち、刀の刃先を下に下ろす。
「風雷」
「っ!?」
風雷と聞こえた瞬間、星乃はまさに雷の如くクレアに急接近して、まさに風の如く速く、重い連打を叩き込んで来る。
「ぐっ…攻撃が、詠めない!」
その攻撃は、また不規則に荒れ狂う風のように襲いかかった。
「ぐっ…くそっ!」
流石にガードし続けたクレアも、このままではまずいと察したのか、星乃の一撃を躱し、バックステップで距離を置く、すると周りの見ている側から批判の言葉が飛んできた。
「人間がクレア様に剣向けてんじゃねぇよ!」「クレア様!本気でやっちゃってください!」「とっとと負けろぉ!」「死しんじまぇえ!」
「」
星乃にとって、そのブーイングは苦行でしか無かった、下を向き、泣きそうになった瞬間だった。
「るっさいわねぇ…『滅びを知らぬ者よ…』」
クレアが血の鎌を上に掲げ、何かを唱え始める、その瞬間、観客側からは、動揺の雰囲気が取れた。
「ク、クレア様!?駄目です!それは我々にも!」
「『死に絶えろ…そして…』」
それでもクレアは何かを唱え続ける。
「クレア様!話を聞いてください!」
「『その命が朽ち果てるまで…』」
「に、逃げろ…っ!あ、脚が…」
「む…無理だ…こ、腰が抜けて…」
星乃にもわかった、雰囲気を感じた…この人は…
「『己の行、命を恨み呪うがいい!』」
「ま、まずい!」
星乃のために怒っていたのだ。
「『生者を恨む不滅の刃!』」
星乃は上を見て、すぐに上から何かが来ると察し、直ぐに別の構えをして、攻撃に備える、そして降ってきたのは…
「雨?いや…槍!?」
空に赤黒い雲が一瞬にして現れたかと思った直後、雨のように高密度で降ってきた赤い何かは、紛れも無く槍だった。
「さぁ!星乃唯一!あなたはこれを、耐えられるかしら?」
「くっそぉおおおおおおおおお!!!!」
星乃は声をあげ、刀を構え、そして
「ぐっゔぅぅぅぅぅぅぅう!!」
「全て受け切るのね、今の技、当たれば最後、槍があなたを襲うわ!さぁ…貴方は耐えられるかしら!?」
そして、槍が降り止むと、周りはしん………としており、席にいる奴らも全員倒れている。
「制御して席にいる奴らは気絶程度にしたわ、跡は残るでしょうけど…ま、あなたには手加減するつもりは無かったもの、生きてる?」
「……はぁ……はぁ………」
星乃は瀕死だった、既に立っていることすら間々ならないだろうがふらつきながらもしっかり立ち、目には闘志がまだ漲っていた。
「……認めるわ、貴方は強い、私が保証する、そして死になさい。」
そういい、クレアが鎌を構えた瞬間だった、
「っ………」
星乃は足を肩幅程度に開き、右足を後ろに下げ、居合いの構えを取る
「………?」
しかしクレアは分からない、その構えの恐ろしさが、星乃が構えた時、既に勝負は決まっていると言うことに。
「居合い………抜刀!」
虫の息で発した為、ほとんど聞こえなかったが、気付いた瞬間星乃は既に。
「はぁぁぁ」
納刀しており、その一方でクレアには斬られた感覚があったのだが、クレアは自信の身体を見て、ある異変に気づく。
(何故…斬れていない?)
斬られたであろう場所には何も後もなく、服が破れていただけであったが次の瞬間、その斬れていない謎は直ぐに解けた。
「がっ!かふっ!?」
斬られていない場所から、身体は大量の鮮血を浴び、そのまま倒れ、その謎に気付く。
(斬れてないのではない…斬れたが、斬るまでが速すぎて細胞がくっついてしまったのか!だが傷口からは血が出る………ありえない…訳が分からない…)
痛みはあった、言うなれば斬られたという感覚もあったにも関わらず、斬れていないのに斬れていると言うのはこう言う感覚なんだなぁ…などとクレアが考えている時に、会場に一人の男が入ってきた。
「星乃ぉ!無事か!?」
帝 武瑠だった、武瑠が星乃の無事を確認したのに反応し、星乃はボロボロの状態で武瑠に反応、武瑠は慌てて星乃のもとへ向かい、現在に至ると言うわけである。
―星乃 唯一 対 クレア・ヴラド― 勝者 星乃 唯一




