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刀使いは、今日ものんびり学園生活を楽しみながら修行します。  作者: 永怛 みなと
1幕 最弱と呼ばれる男
2/6

4月25日 午前 決闘

 保健室にて、とある声が響いた。

「はぁああああああああ!体に力が漲るぅうううううう!」

「星乃ちゃん辞めて?」

 保健室にて、輸血をし、身体に新たな血を入れ、劣化した血を取り出す際、星乃は身体に力が漲るような感覚がすると言う。

 ⚠星乃は赤血球減少症の為、体内に赤血球が増えると、血中酸素濃度が急上昇し、これまでにない感覚に襲われてしまうだけです。

「いやいや高梁(たかはし)先生、星乃のこれは仕方のないことじゃないっすか。」

 そして保健室の先生『高梁=チアキ』女性でこの人も異世界人、魔女であり、通常は皆「さん」付けなのだが…何故か星乃にだけは「ちゃん」付けするのである。

「武瑠さんも…龍子さんと言う彼女さんが出来たのに、他の女性に興味を持つのはちょっと…」

「仕方ないですよチアキ先生、武瑠は今までに多くのナンパをして失敗してますから、俺の場合は…聞かないでください。」

「ふふふっ、大丈夫よ星乃ちゃん、星乃ちゃんが30歳になっても一人だったら私が貰ってあげるから…ね?」

「は、ははは…」

 苦笑いをして受け流す、理由は簡単…目が本気(ガチ)だからである、正直言って高梁先生のガチは控えめに言って恐ろしい、え?控えめ無しで?それを言ったら放送事故になるから想像に任せるよ。

「あ、そうそう、クレアさんなんだけど。」

 星乃はクレアという名前を聞き「はい」と答えた。

「クレアさん一家は我々の世界でも名のある吸血鬼一族で、彼女はその一族の長女であり、とても巧妙よ。」

「そうなんですか…」

「正直言って剣術を使うことになるわね。」

 その言葉に星乃は「大丈夫ですよ」と言い、高梁先生に顔を見せこう言った。

「俺は武道の道を歩んだ男です、剣術を使わないといけないのなら関係なく使いますよ、それに()()です、()()ではありません。」

「それもそう…だけれど…」

 この世界には2つの戦いのスタイルがあり、一つはある一定の空間で戦う『決闘』であり、もう一つは単純に殺し合う『死闘』のことなのだが…死闘はあまり使われないのが事実で、決闘の頻度は割と多く地区に一つは存在している。

「ならば、本気でやるのみです。」

「そう…でも良いの?」

 その質問に星乃は「はい?」と質問を返した。

「剣術…見せたくないのでしょ?」

「はい、ですがやります、売られた戦いは本気(ガチ)戦う(殺る)ってこの学園に入って決めました。」

「……妹さんのためにも…でしょ?」

 その言葉に星乃はピクリと反応し、少し考えた後に「そうかもしれませんね」と笑顔で答えた。

「では行ってきます、またしんどくなったら輸血しに来ます。」

 星乃は保健室から出る前に「失礼しました」といい保健室から出て行った。

「さて…と…後は武瑠さんを起こさないと…武瑠さん、起きて下さい。」

 高梁先生は武瑠に起きるように呼びかけるが、武瑠は熟睡している、そんな時は基本的にこう言うと起きる。

「星乃ちゃんもう行っちゃったよ?」

「星乃!?置いてかないで!」

 武瑠は涙目になりながら起き上がった。

「武瑠さん、星乃ちゃんは今決闘場へ向かいました、急いで行ったほうが良いかもしれません。」

「ありがとうございます!星乃待ってくれ!」

 武瑠は大慌てで保健室から出て行った。

「……武瑠さんも星乃ちゃんに救われたのね…」

 高梁先生はそう呟いた。


「ついたついたっと…」

「遅い、あと5分で9時じゃないの。」

 軽い歩みで指定された場所に行くと、スポンサーもとい、狼男ならぬ狼女がそこにいた、名前は『ウォルフ』と言い、狼族の純血だ、ウォルフとは小学校からの(のち)に言う幼馴染と言うやつなのだが、幼稚園の時から仲が良かった武瑠と一緒に居たことが多かったものの、武瑠が休んだ時はいつもウォルフといた。

 ちなみにウォルフは、星乃と一緒にいる時に限って、凄い尻尾を振る、理由を聞くと「暑いから」とか「虫がいる」とからしい、星乃はウォルフに嫌われてるのか?とたまに思うこともしばしば…

「そいつは悪いことをした、まぁ間に合ったから許してくれ。」

「まぁまだ紹介はされてないし良いでしょう…でもそろそろ始まるから、頑張りなさい星乃。」

「ありがと、ウォルフ。」

「べ、別に礼をしなさいって言ってない!」

 そう言い怒りながら尻尾をこれまでにないくらい振るウォルフであった。

『さぁ!今日は人間と我々亜人族と言う、何とも人間が可哀想な組み合わせになりましたぁ!』

 と、放送では完っ全に人間(星乃)のことを小馬鹿にしてるようだ、それもそうだろう、この学園は亜種族優先…的な決まりと言うようなものがあるらしい…が、星乃は関係無しに突っ込むから先生達から指導………()()()()

 逆に褒められるが…なぜか高梁先生に至っては「危ないからやっちゃ駄目!」って怒られる程の常習犯の星乃であった。

『西門からは!我らの国では有名な吸血鬼一族のこの方!クレア・ヴラド様です!皆さん!盛大な拍手を!』

 西門から素晴らしい実況でクレアが入場をすると、周りからは盛大な拍手が飛び交う…正直うるさい…

『東門からは人のほしのでぇ〜す』

 オイコラ…もうちょい真剣にやってくれないかなぁ…と思いながら入場する。

『ではクレア様!お願いします!』

 実況がやる気満々でクレアに話すと、クレアはナイフを取り出し…()()()()()()()()()()

「わぁお…グロいな。」

「正直ね、人間でも正直な人間ばかりが良いのだけれど…」

「……血が…鎌に。」

 動脈から激しく出血した血は、吹き出すことなく手に集中し始め、紅くドス黒い鎌に成り果て、動脈の傷は塞がり、綺麗に無くなった。

「私クレア・ヴラドは星乃唯一、貴方と全てにおいて全力で闘うことを誓います。」

 星乃はクレアの言葉に嘘偽り無いか確認したかったが、ただ剣に全てを注ぎ込んできた人間には分からなかったが「はぁ…」と誰も聞こえないような軽くため息をして、背中に縛りつけた刀を腰に当てた。

「………以下同文だ。」

『すいませぇ〜ん、聞こえなかったのでもう一回、もっと大きな声でお願いしますぅ〜!』

 実況者は完全に聞こえてる、周りの亜人族は笑いをこらえてるし…全く嫌になる、だがこの状況を()()に取ることが可能である。

「………亜人族の耳は亀よりも悪いのか…」

 亀…一般的な動物だが、亀の聴覚は普通の人の20分の1の悪さである、人よりも能力が長けている亜人族にしては、亀と言う動物に例えられる…人にバカにされるのが何よりも許せなかったのだろう。

『はぁ!?何言ってんだよ!ふざけんな!』

「聞こえないって言ってる癖に、この声は聞こえるんだな、都合の良い耳だこと。」

 このように論破をすることぐらい、ただの人にも容易いことなのだ。

『ゔぐっ…クレア様!この男を還付無きまでに殺っちゃってください!』

 クレアは「うるっさいわねぇ…」と言うような反応をしながら鎌を構える、星乃も刀を構えるが。

「あら、剣を構えなくていいの?」

「これは『刀』って言うやつさ…僕みたいな非弱な自分は、速さと技術が無いと、補えないからね…」

 そう言いながら軽く刀を抜こうとするが、刀身が半分程出た当たりで()()()()()()が、その状態でまるで牙突の用に左手を鞘に添えて。

「まず俺は、クレアさんが味わったことのない受け流しをご堪能させましょう。」

「面白いこと言ってくれるじゃない…行くわよ!」

「」

 こうして決闘が始まるのだった。

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