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序章 転生するきっかけ
別に、何か嫌なことがあったわけじゃない。
それなりにいい家庭に生まれ、両親にはそれなりに愛され、それなりに友達はいて、それなりに信頼できる人がいる。
すべて、それなりの人生。模範解答と全く同じ道を通う人生。
そんな人生に、少し飽きてしまったのだろう。
だから俺、碧ヰ 巳影は身投げという形で、それなりの人生に幕を下ろすんだ_____
「サヨウナラ。それなりの俺。」
「来世では、模範解答とはずれた人生を送りたいな」
『その願い、このアルム=ランツが叶えて差し上げます。』