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はち。陽平くん

そろそろ毎日更新がきつくなってきました(笑)


前回、陽平くんがなかったことにご指摘を受けて初めて気づきました(涙) ので、タイトルから再びを外しました。ご指摘ありがとうございました!

 

 陽平くんは千晶さんが大好きである。


 1日一緒でも見ていても飽きないし、あわよくばもっと触れあいたいし、実はデートもふたりきりがいい。


 他ならぬ千晶さんのお願いだし、萌さんは千晶さんの大事なお友だちだから許してるだけ、のヤンデレ一歩手前の溺愛っぷりである。


 その暴れる猛獣の千晶さんをがっちり羽交い締め(役得)にしつつ、この騒ぎにまったく気づかない萌さんを見る。


 彼女は、颯太くんにガードされつつ、ある一点を見たままだった。


「気に入った?」

「かわいいよね」


 萌さんが見てたのは、指輪だった。シルバーのクラウン型のリング。颯太くんに問いかけられて、無意識だろうパァッと明るい笑顔で応えていた。


 その笑顔に、颯太くんは笑い返し、蓮くんは絶望ですな顔になった。そうだよね、ここしばらく蓮くんは萌さんの笑顔見たことないよね。笑顔にさせる努力もなしに、萌さんにばかり求め続けてたんだもの。


「颯太くん?」


 萌さんの驚いた声に、蓮くんから視線を戻す。周りの肉食女子共がさわいでいるが、誰一人相手にしない。雑魚すぎるな、肉食女子。


 颯太くんは店員さんにリングを渡して、値札を切ってもらっていた。もちろん支払いも颯太くんだ。そんな高いやつじゃないし、と萌さんに気を使わせまいとする努力も好ましい。無口系男子、やるときゃやるぜ? みたいな?


 そして、やるときゃやるぜな颯太くん、萌さんの指にリングを嵌めた。するっと、左手の薬指に。わぉ。てか気づいてたんだね。リングのサイズが左手の薬指にしか合わないこと。ためらってた萌さんに、こうゆうのは一期一会で今買わないともうないから、とせつめいしてた。おっとこまえー。


 ボンッと真っ赤になった萌さんは、それでも嬉しそうにお礼を言った。颯太くんも嬉しそうに萌さんの左手にキスした。おっとこまえー。


「はっ、颯太くん!?」

「外さないで?」

「う、うん。わかった、わかったから」

「似合ってる」


 颯太くんがキザになった! ランクアップどころか方向が違うところに飛んだぞ!?


「あー、はっちゃけたふりして牽制とか、やるねぇ」


 呑気に分析してる場合じゃないと思うんだが、陽平くんや。


「そこの女子の皆さーん、蓮連れ出さなきゃいつまでもこの甘々なイチャイチャ見続けることになるよー」

「むしろ、見せ続けてバッキバキに折って粉々に磨り潰してやればいいのに」


 みんなそう思ってるよ、千晶さん。


 が、しかし。ラブラブオーラ全開のあのふたりに、水をぶっかけるべく参戦しようとする肉食さんがいた。ある意味で勇者である。単なるおバカの方が正しいと思うけど。


 その肉食さん、一応肉食さんズのリーダー格らしい。まぁ、かわいいっちゃかわいい顔をしてはいるが、ほらいるじゃん、顔に性格にじみ出てる奴って。あんな感じに性格悪そうに見えて、かわいさ半減である。


「ねぇ、あなた蓮のオトモダチでしょ? これからみんなで遊びに行くの。あなたも行きましょ」


 問いかけではなく、決定ですかそうですか。


「そろそろ出ようか、萌」

「う、うん」


 スルーですね颯太くん。そしてまだ動揺してるんかい萌さん! そんな萌さん眺めてたいんですねわかりますー。


 華麗にスルーされた肉食さんは崩れ落ちた。マジでorzする人がいるとか受けるー。いや、わかるけどね。絶対零度な寒さでしたもんね凍るかと思いましたよねマジ颯太くん人間ですか魔王とかじゃないの? でしたもんね!


「颯太怒らせたら怖いんだよねー」

「目だけで殺されそうだもんねー」

「陽ちゃん全然平気じゃん」

「そりゃ千晶の前でカッコ悪いとこ見せられないでしょ?」


 はいはい、こっちもバカップルですね。さて、ここからは別行動ですよー。


「え? なんで? 颯太が送り狼しないか見張らないとなのに」

「うん。千晶が俺に送り狼されるからに決まってるでしょ」

「えぇー!?」


 決まってるんだ、それ。あ、はい決まってますよねそうですよね! あれ? なんで敬語。てか、語り手の突っ込みに睨まなくてもいいだろうに。


「さ、行こうか」


 実は陽平くん最強説。

 普段尻に敷かれてる風を装って千晶さんを掌で転がす男。陽平くんスッテキー。


「うるさいよ」


 すみません。



陽平くんも陰で色々やってくれちゃうのになにも悟らせないタイプです(笑)

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