第6回 新方針のその先へ
お久しぶりです。前回システムの練り直しが必要であるという結論に至りましたが、そう簡単にひらめくものでもないので、外堀を埋める形で書きながら構想を進めていこうかと思います。
一つ思いついたのがシナリオの「シナリオの一本道化」です。「自由度が売りのTRPGという媒体において一本道化とはどういう了見か」と思われるでしょうが、これ実は「アルシャードガイア」(以下ALG)というTRPGで行われているものです。ALGは「劇」としての要素が強い設計で、GMの用意した流れに沿って物語が進んでいきます。
こう書くと自由度がまるでないように思われますが、腕のいいGMなら作中の行動をアドリブで反映してくれたりします。実際、PC1(♂)を巡ってPC2(♀)とPC3(♀)が取り合いをするというシナリオ(実はこれが結構複雑なシナリオだったのですが)で私はPC4(5だったかも知れません。いわゆる脇役枠ですね)を担当したことがあるのですが、女性PCだったこともありせっかくなのでヒロインレースに参加してみたところ、GMがそれを拾ってくれて第三ヒロインに昇格したことがります。あれは楽しかった。
私の思い出話はさておき、なぜTEで一本道化に考えが至ったかという話をします。
TEはテーマ上どうしてもウィルダネスアドベンチャーが主体になります。ウィルダネスの基本構成はダンジョン物に近く、マップを格子状に区切り、そこにPTが突入すると各マスに対応したイベントが起きる、というものが多いです。しかし、これをやっていくと2つほど大きな問題があります。
まず、手間がかかること。たとえば5×4のマスを持つマップを作ったとしたら、20のイベントを用意しなければいけません。全マスにイベントを用意しなければいけない決まりはないのですが、だったらイベントが起こるマスだけ抽出した一本道でいいんじゃないかと考えたわけです。
そして2つ目が、メリハリを付けにくいこと。ダンジョンだといろいろなトラップ・仕掛けを用意できますが、ウィルダネスだとそうは行きません。だったら、一本道の中で起こる様々なトラブルを乗り越えていくような話が面白いのではないかと考えました。
たとえばGMが荒野、川、森、村などとイベントを大雑把に並べてシナリオに書いておけば、サイコロをちょいと振ってルルブを見て楽にランダムイベントを導き出せるようにしておくという感じでしょうか。
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他には、必要性から考えられる設計方針があります。
ひとつは少人数プレイに対応したいというもの。プレイ人口が伸びないというのがTRPG界隈の昔からの悩みのタネでして、実際私が属している卓も一時期GM含め3人で回さなければいけないことがありました。こういった少人数プレイですと、壁役・アタッカー・シーフ枠・回復役・魔法攻撃役……などといった感じで役割分担が明確なゲームは遊びづらい。
これに関しては、特定の判定の成功率を49にする特殊隊員をGM権限で貸与できるようにすることで対処します。
もうひとつが、GMが事前準備でカロリーを使うようなものは億劫だというのがあります。前述のイベント配置もそうですが、戦闘バランス調整も地味に辛い作業です。GMのなり手が少ないのはだいたいこのせいです。SW2.0にはモンスターレベルという指針があるのですがこれがあまり当てにならない代物で、実際にはテスト戦闘を回してみないとなんとも言えないものがあります。
TEでは戦闘バランスを目分量で測りやすくするため、敵味方に「戦闘力」という数値を設けたいと考えています。どんなものかといえば、まんまド○ゴン○-ルのアレです。公式敵はもとよりオリジナル敵の戦闘力の算出方法を載せることができれば、ぐっとGMの負担が減ります。
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新たな方針が見えてきました。ついでなので悪帝国の名称も「アーク帝国」にしようかと思います(私が名前をつけるとだいたいこういうノリになります)。ドイツ語っぽくするなら「アーヒェ」なんですけど、語感が悪いので……。
それではまた次回。