第5回 世界観について考えを改める+ゲームの楽しさの本質とは
ずいぶん間が空きました。お久しぶりです。前回世界観についてやれウーマンリブがどうだとか服装がどうしたとかあれこれ考えていましたが、ひょんなきっかけでこれらに対する解答を得ました。
大航海時代Vという文字通り大航海時代を扱ったゲームが有るのですが、時代性がありつつもわりと現代的な服装で、女性がバリバリ社会進出してる世界観なんですね。これを遊んでいるうちに、「TEでもそこまで複雑に考えなくてもいいんじゃないだろうか」という考えに至りました。
問題は悪帝国ですが、これもわりとテキトーでいいような気もしてきました。ただ、世界観については文明や文化をはっきり決めておかないとGMの負担になるのでここは可能な限りリサーチしたい所存です。
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世界観はとりあえず以上で一時保留。私は基本ゲームはストーリーや世界観よりもシステムの人なので、例によってシステムの話に移ります。
しばらく色々なゲームを遊んで分析してみたのですが、非対人ゲームの場合、「今までできなかったことができるようになると、人間は面白さを感じる」のではないかという結論に至りました。
たとえばアクションゲームなら難所をパターン化してクリアする。RPGなら、いままで「ギラ」や「ファイア」ぐらいしか使えなかったのが「ギガデイン」や「アルテマ」などが使えるようになっていく……という寸法です。
言い換えると、プレイヤーは「変化」を感じると面白いと感じるということです。ゲームに変化を感じなくなった時がプレイヤーがゲームに飽きるときです。そのようなわけで、「変化」を小出しにプレイヤーに与えていくのが、息の長いゲームを作るコツなのだと考えました(本当は、変化が手軽かつ際限なく訪れるのが最良ではあるのですが)。
また、プレイヤー徐々にできることを増やしていくというスタイルは、プレイヤーが不慣れなうちはできることが少ない代わりに覚えることも少なく、慣れていくに従い選択肢が増えていくという点で非常に理にかなっています。
翻ってTEですが、システム的な「変化」を与えられる部分は、能力値の上昇とスキルの増加です。基本TEのスキルは数値を上昇させるもの(バフ)が多く、敵を眠らせたり、透明になったりという魔法的な使い方はできません。これはかなり一本調子で、変化に乏しいものとなります。
「クトゥルフの呼び声」(以下、「CoC」)のように近い形式のものもありますが、あちらは相当古いシステムです。TEは現代のゲームなのでもう一捻りしないと、「これならCoCのシステム使えばよくね?」などと言われかねません。TRPGデザイナーにとって最大のダメージは「これなら○○(別の既存作品)でよくね?」と言われることです。替えが効かないものでないと振り向いてもらえないのです。
対人ゲームは頻繁に変化が起こるので飽きが来にくいようになっていますが、それにすがるようではゲームデザイナー失格というものです。
とは言うものの、名案というものはすぐに思いつくものでもないので、このへんはおいおい考えていきたいと思います。
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なんだか雲行きが怪しくなってきましたが、工夫を盛り込んでいきたいところです。