第3回 ついに「秘境探検」をテーマにタイトルと世界観を決める
さて、ちんたら進めておりますこちらの企画、ふと思いついた世界観があります。
「探検をテーマにしたらどうだろうか?」というものです。
「冒険する作品とか山ほどあるじゃん」とか言われそうですが、ちょっと違います。探検です。未知の大陸を探索し、博物誌に様々な新発見生物を書き加え……という感じです。時代的には19世紀ぐらいでしょうか。迷信と科学が微妙に入り混じった、いい塩梅の時代なのではないかと思います。多分、このテーマを扱ったTRPGはまだないはずです。
このテーマにしようと思ったのは、システム的に銃がメインでないと面白くないというのもありますが、昔プレイした、あるいは話に聞いたいくつかのゲームを思い出したことによります。
うちひとつが「大航海時代外伝」という作品です。この作品ではカモノハシやポロロッカ、はてはコンガマトー(あまり馴染みのない名前ですが、UMAの一種です)などを発見すると、パトロンから名声や報酬が手に入ります。
さらに、「ラプラスの魔」という作品も参考にしてまして、このゲームでは心霊写真を売却することが収入源になっています。
そして、もう一つ強く影響を受けた作品が「デザーテッド・アイランド」で、こちらは無人島を探索し、博物誌を埋めていくのが目的のゲームです。オシツオサレツ(ドクター・ドリトルが原典)や、ハナアルキなどの、元ネタを知っているとニヤリとできる珍妙な生物が多数出現するのが面白い作品でした。
さらに、ダメ押しにもう一つ影響を受けたのが、「探検道」というゲームです。これははっきりとしたストーリーが存在するマルチエンディング作品で、「探検TRPGは行ける!」と確信させてくれた存在です。
別の方向で影響を受けた作品では、「永い後日談のネクロニカ」というTRPGがあります。この作品の作者は「部位破壊ルール思いついたけどロボットものはもうあるから、PCをゾンビ少女にしよう」と思ったそうで、結果として独特な世界観が生まれました。
これを聞いて私も、「たしかに今更生半可な銃撃TRPG作っても、メタルヘッドとかシャドウランやろうぜって話になるよなあ……」と、頭を悩ませ、「探検」に解答を見出した次第です。
そのようなわけで、博物誌を書くことで報酬を得る探検ゲームという骨子と、「秘境探検TRPG ジ・エクスプローラーズ!」というタイトルが決まりました。略称も、TEにしようと思います。
ただ、少し悩んでいる部分もありまして、銃がメインですから、野生動物ですとか槍や弓で襲ってくる原住民がメイン敵というのではいまいち話が盛り上がらない。また、現代人の感覚だと、余所の土地に押し入って原始的な武器で向かってくる原住民を銃殺するようなゲームは気がとがめます。
なので、いくつかギミックを考えてみました。
1.原住民がそもそも居ない設定にする。
デザーテッド・アイランドがまさにほぼこれだったのですが、洋上に突如現れた無人大陸を舞台にするのはどうかと考えました。理由は前述のとおり、原住民の殺戮を扱うのは気がとがめたためです。異文化交流も面白そうな要素ではあるのですが、多分面白さより難しさのほうが際立つ要素だと考えたので除外となりました。
2.入植者と、探検のライバルとなる悪の帝国を出す。
かといって、完全に無人では面白くないので、入植者とライバルポジションの悪の帝国を出すことにします。モデルはどこぞの第三帝国ですね。唯一悪役にしても問題がなさそうな近代国家というとこれぐらいなので。ただ、舞台は19世紀なので、当然第三帝国そのものではなく、あくまでもモデルです。
これを成立させるためには当然歴史改変が必要なので、「ストライク・ウィッチーズ」のように、地球に似た歴史をたどっているどこかの星を舞台にしようかと考えています。
上記以外にシステム的なアイデアとして(すいません。世界観よりシステムを考えるのが好きなもので……)、「食料や衛生の管理をゲームとして成立させる」というものがあります。
これを取り込もうとしたのは、「シヴィライゼーション」というゲームの影響です。このゲームは都市の要素(農場や鉱山など)に市民を配置・管理し、リソースをやりくりすることが面白さのひとつなのですが、これをTRPGに落とし込んだら面白いのではないかと思った次第です。
当然、TRPGなので複雑な計算はさせられませんが、なにぶんマジックアイテムとか存在しない世界ですから、こういったリソースの強化が一番の報酬になると考えました。
考えうるリソースとしては、食料・衛生・モブ隊員・探索犬・燃料や弾薬などでしょうか。ただ、細かい管理をすると非常に面倒なので、F.E.A.R.作品の「常備化」のように、ざっくり財産ポイントで管理するようなシステムにしたいと考えています。
次回は、シナリオフックについて考えてみたいと思います(……考えられるといいなあ)。