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第1回 「トライガンTRPG」だった頃のルール骨子

 どうにも連載小説の筆が捗らず、例によってエッセイに逃げます。TRPGの概念や専門用語については「TRPGとは? および用語解説」(https://ncode.syosetu.com/n4614eq/)をご参照ください。


 私の趣味の一つにTRPGがあるのですが、昔「トライガンTRPG」(以下、TT)なるものを自作したことがあります。トライガンというのは、SFガンアクション漫画なのですが、それをTRPG化してみたくなったのですね。


 TTは一応の完成を見たのですが、昔のワープロで作ったこともあり当時のルールやデータ(特に後者)が散逸しています。また、サイバネ関係のルールがなかったなど、課題も多くありました。


 そんなTTのシステムの骨子を取り出し、オリジナルな世界観でリブートしてみたいという思いに最近かられ、こうして筆を執った次第です。



 ◆ ◆ ◆



 TTで重要視したのは、一般人に毛が生えたようなモブと人外化してるメインキャラたちの、あまりにも強弱の差がある能力を一つのシステムで扱うことと、銃による「基本当たれば死」の感覚を再現することでした。


 前者は能力値+出目の達成値を求めるタイプの判定だと楽ではあるのですが、その方式はいまいちオリジナリティが出せなかったので、能力値以下の出目で成功するタイプと達成値を求めるタイプをミックスしたものを考案しました。


 具体的には、「出目が能力値以下だったら一次成功。10の位が達成値。達成値が目標値を以上だったら最終的な成功」というものです。


 命中判定を例に取ります。


 器用度が48のとき、D100で出目が48以下だったら一時的な判定が成功します。このとき、例えば出目35だったら、達成値は3になります。


 相手も敏捷度で同様の判定を行います。敏捷度62で出目78(達成値すら出ず失敗)や12(達成値1)だったら攻撃は命中。出目が45(達成値4)や60(達成値6)だったら攻撃は失敗です。


 能力値10刻みで期待できる達成値が大きく変わってくるので、能力値を成長させる際は「上げたい能力値の10の位の自乗の経験値消費が必要」というシステムにしました。能力値28から29に上げるには2×2=4で4点の経験値が必要です。29から30に上げるには、3×3=9で9点の経験値が必要です。28から30に上げたい場合は、4+9で13点の経験値が必要という塩梅です。能力値20台と80台では、能力値を1点上げるのに必要な経験値が16倍違うので、成長には大きなカーブがかかります。この手法により、D100で判定する世界でありながら、一般人から超人まで混在する世界に対応させました。


 なお、上記の命中判定では回避側もダイスを振っていますが、実際は回避のダイスロールはなくて、敏捷度÷10がHPにプラスされるシステムだった気もします。何ぶん、ルールが散逸していますので……。


 ◆ ◆ ◆


 続いて、銃による一発の威力の大きさをどうしたかという話です。


 通常、TRPGのシステムというのは命中後大きくダメージが上下しますが(例えば、最古のTRPG「ダンジョンズ&ドラゴンズ」では、普通の長剣だと1D8+筋力ボーナスとかそんな感じです)、私はダメージ決定までに振るサイコロの回数を減らしたかったので、固定値の威力と防御力でダメージをやりとりするファイアーエムブレムに着目しました。


 具体的には、命中時の達成値+武器威力がHPに達していたら生死判定。生死判定に至らなければ、ダメージの10%(端数切り捨て)をHPから減らす。というものです。命中判定の達成値がそのままダメージに直結するというのが、前述のシステムとこのシステムの味噌です。HPが大きい敵で30ほど、武器の威力が最低で10(素手)、パニッシャークラスで20台とかだった気がしますので、威力1の違いが大きく物を言います。このアイデアは元々「スーパーロボット大戦TRPG」なる物のために考えたのですが、それがボツったので流用したものだったりします。


 銃の威力について考える際、TTではHPの減少を「負傷」ではなく、「死の運命が近づいている」と捉えました。数値上はHPが減ってても、表面上はピンピンしてるわけです。回復魔法などない世界ですから、そういう表現になったわけですね。我ながら、やや詭弁臭い気もしますが。


 ただ、ダメージの10%しかHPが削れないというのはあまりにも小回りが利きかなすぎたので、今回のリブートでは、20%にしようと思います。人間の計算力だと、1/10、1/5、1/2の順ぐらいで暗算がし易いんですね。ちなみに、能力値の上限は99なのですが、これは小学校で九九を習うので、10までの自乗なら基本的に一瞬で暗算できるという利点があることから、前述の消費経験値の算出方法を決めた次第です。


 銃のクリティカルヒットを演出するシステムとして、「ギャンブラーズ・チャンス」というシステムも有りました。これは、出目がゾロ目で命中すると生まれる権利でして、まずゾロ目が出た時点でダメージ+1。さらに、もう一度サイコロを振るかどうか選択でき、続行する場合は片方振って、残した方の出目以下が出たらさらにダメージ+1、またさらにもう一度振るかどうか選択でき、小さい方の出目のサイコロを残し、サイコロを振ってそれ以下が出たらダメージ+1……と続けられるものでした。


 ただし、一度でも失敗すると、ダメージボーナスは消滅するという要素もあり、ここが味噌だったわけですが、今思えば、ただでさえチャンスに突入できる確率が最大10%なのに、これは一撃必殺の要素としてあまりにもしょっぱすぎました。リブートではダメージが5刻みで大きい意味を持つようになりますから、ベタに「クリティカルヒット」と名を変え、ボーナスダメージが消滅する要素をなくし、一回成功するごとにダメージ+5でちょうどよいだろうと思います。


 ◆ ◆ ◆


 他に細かいシステムとしては、得意なことを基本的に1つ選べるというものがあります。たとえば、プラント技師になったりとかです。逆に、不得手があると、余分に得意なことが選べます。主人公ヴァッシュは「不殺」という大きなペナルティを負っているので、得意なことが特別に2つ選べる……とか、そんなシステムでした。これは、「GURPS」というTRPGを参考に、すごーく大雑把にした感じです。


 もう一点細かいシステムとしては、経験点を永久消費すると、HPを回復したり、致命傷になる一撃をなかったことにしたり、持っていなかったアイテムを実は事前に用意していたことにしたりというものがありました。これも、前述「GURPS」のサプリメントの一つ、「妖魔夜行」から着想を得ました。というか、ダメージ無効とかそのまんまです。恐縮。


 更に細かいところでは、小数点端数はすべて切り捨てで統一とか、そんなのもありました。


 ◆ ◆ ◆


 以上が、TTのシステムの骨子です。リブートにあたってトライガンという背景世界を捨てるので、この銃でのドンパチに特化したシステムに合う世界観を創らねばなりません。


 次回は、そこについて考えてみたいと思います。

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