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僕の私のヒーロー  作者: 日向 ゆい
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__作った笑顔を今でも浮かべている。by大宮日向

…やっと投稿します本日から始めます新ストーリーです!←

今回は日常系の小説を書こうかと思いまして、少しだけ僕の身の回りの事を参考に書かせてもらっています。

…ま、世界は広いんだってことで、自分の高校時代を思い返していただければと存じます。それではどうぞ…!

__僕の生きている人生に、色や価値はないのかもしれない。小学生の時から親の、大人の、友人の、他人の顔色を見ながら生活していた。中学の時は明るい自分を演じて、周りの雰囲気を見て、話を合わせて、作った笑顔を浮かべていた。

…中3の時に彼女が出来たが、卒業の前に別れた。一度見えた色は、その時と共に消失した。人と接しても得をしないなら、最初から無関係でいようと思って高校に入った。最初はできていたのに、結局失敗に終わってしまった。

「__なぁ、日向(ひゅうが)。」

いつもと同じ日常。いつもと同じクラスの風景。常にうるさいクラスメイトの声。

「……どうした」

何も変わらない、常に同じ色の無い、無価値な人生。これからもずっと歩いていくのかと、ずっと思っていた。

「__どうやったら彼女って作れる?」

「…鏡を見て来い。そしてまた考えたらどうだ」

そんな高2の秋の日。始まりと終わりのカウントダウンはもう始まっていた__

※ ※ ※

「__おわったー…」

放課後になると同時、クラスメイトの一樹がそんな声とともに机に突っ伏してた。

「…おつかれさん」

僕は荷物をまとめたリュックを持ってそいつの元に寄っていた。

「ひゅうがー…今日遊びに行こーぜー…」

「悪いな…今日も部活なんだ」

ぐったりした感じの一樹に遊びに誘われたが、先輩が部活を引退したのもあって2年生が部活を統率しないといけないのだが、人数が少ないのもあって抜けることができない状況だった。だから断ると、まぁそんなもんだろうな…という感じの表情をしていた。

「…ま、分かってたけどさ。頑張れよー」

「…頑張りたくないけどな…」

そんなやる気のない声を出しながら教室を後にして、部活を行う音楽室に足を運んでいた。

「__こんにちは!」

「おう、こんにちは…」

後輩の挨拶にテキトーに返事しながら音楽室に入って準備をする。スティックやら練習台や楽器やら…意外とこれだけで最初のミーティングの時間になってしまう。

「__今日は、__」

…今日もまた始まるのかと。諦めと受け入れの両方を持ったまま、退屈な一ページを刻むのか、とミーティングを受け流していた。

「__大宮先輩。」

「…どうした、山菜。」

大宮先輩、と僕のことを呼んだのは後輩である立山(たちばな) 茉菜(まな)。僕は山と菜を取って山菜って呼んでる。

「今日の練習って…何時間曲の練習をとるんですか?」

「…あの人に聞かないと分かんないけど…多分45分だと思うよ。」

その話をしながら練習場所に歩いていく。

「…茉菜。」

試しにそう呼ぶと茉菜は驚いたのか少し肩がはねた気がした。

「ど、どうしたんですか?」

「…いや、山菜って呼ぶのもどうかと思って試しに呼んでみた。」

どうしたのか聞かれたから思ってることを話したら茉菜は僕には読み取れない複雑な感情の笑みを浮かべた。

「…これからもそう呼ぶんですか?」

「どうだろ…多分そう呼ぶと思うけど…」

茉菜は「ふぅん…そうなんですか…」と答えて少し早足で歩いていった。

…この時は、昔後輩に言われた『鈍感先輩』の意味を深く理解していなかったのかもしれない__

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