表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺はあなたに一途です。  作者: 真室裕利
6/12

リア充(仮)②

美紅ちゃんとの初めての帰り道。やはり俺の予想通り、俺の身長(175cm)と美紅ちゃんの(152cm)という、身長差が丁度いい。



俺がより高く見えて、壁ドンがかっこよくなる。顎クイをして上を向かせた時や、ギュッと抱きしめたときに俺の胸元に顔が当たるのもいい感じだ。











………でもまぁ、俺らは所詮、明日で終わるリア充なんだ。そんな理想を妄想したってなんの意味もない………。はぁ………。より一層、俺の理性が乱れてしまう。



だめだめ俺!いくら好きでもただの片思いのやつが変なこと思ってはだめだ。平常心平常心。



「ねぇ、蒼汰くん。」

「うん?あぁ、明日のために俺らの設定きちんとキメないとだね。」

「設定………か……。」

「ん?何か言った?」

「ううん、なんでもないよ。」



なにかボソッと美紅ちゃんが呟いたがよく聞き取れなかった。まぁ、そんな大したことじゃないだろ。



さぁ、明日のことを決めよう、と思ったらいつの間にか駅に着いてしまった。俺はバス通で美紅ちゃんは電車だ。ここで別れなくてはいけない。


結局なにも決めないまま別れることになった。



「じゃあ、明日のことについてはLIMEで言うね。電車の時間近いから急ぐね!また明日〜。」

「ばいばーい。」

と言って足早に美紅ちゃんはホームに向かっていった。その、小走りした後ろ姿はなぜか、昔好きだった人を思い出させた。美紅ちゃんのことを知れば知るほど好きになってしまう。明日1日限定の彼氏だという事が悔しくなってくる。



俺が美紅ちゃんの中の1番になれたら良いのに……と心の中で思いながらバスに乗って家に帰った。



その30分もしない内に美紅ちゃんからLIMEが届いた。ん、なになに?………






………なるほど。美紅ちゃんが言ってきた設定は全部わかった。



その1.俺は「美紅ちゃん」ではなく「美紅」と呼ぶ。美紅も俺のことを「蒼汰」と呼んでくれるらしい。まぁ、その方がいかにも付き合ってるぽくていいからな。



その2.俺らは付き合って7ヶ月という事らしい。それは、やはり美紅の負けず嫌いな性格から来ていて、相手が今付き合い始めて6ヶ月だからだそうだ。


……7ヶ月って学生にしては結構長めじゃね?俺は1回もリア充になった事がないからよくわからんが。なんか7ヶ月って長いイメージがある。



その3.←これが最後だ。だか、これだけよく意味がわからない。「ちょっとイレギュラーなことがあっても驚かないで欲しい。」………うん、何度読んでもわからん。要は何があっても動揺するなってことだろ?



まあ、そのくらいなら余裕だろう。



そして、美紅からのLIMEの最後に


「よろしくねー♪(*≧∀≦)」


という顔文字があった。なんというか、とてもよく美紅に似ていた。このような些細なものも全て美紅と被せてしまう。



ダメだダメだ!しっかりしないと!俺!明日は美紅のために失敗する訳にはいかない。こういうところでさっきの「その3」に繋がるのかなと思った。



さあ、勉強をしようと思ったその時、俺のスマホが騒ぎ出した!なんだ!?ハッキングされたか!?と思って恐る恐るスマホを開くと…………







なんということでしょう!LIMEの通知が200を超えているではありませんか!



確かに俺にはそこそこ友達はいる方だが、こんなに一気に来たことは初めてだ!嬉し半分、驚き半分で見てみると、それは全て美紅と俺のことについてだった!!!



今日の帰り道に何人かが俺らを見たらしく、すぐさま俺らが付き合っているという噂が流れたらしい…………。今の情報社会って怖ぇぇぇぇ!!



んで、実際俺は20人程度から聞かれていた。どうやら、友達の1人が俺らの関係を知りたくてスタ爆をしてきたらしい。迷惑な話だ。



俺はLIMEが来ていた全員に同じ言葉で返した。




「たまたまだよ。」



俺は明日限定の彼氏なんて事バレたくないので誤魔化した。




気づいたらもう日付が変わっていた。俺は勉強しなければと思ったが、明日遅れてはいけない、という気持ちの方が強く、電気を消した。



はぁ……明日どうなるか本気で心配だ。で、その次の追試も心配だ。なんか心配事だらけで辛いなぁ。まぁ、なるようになるんだから気にしないようにしよう。


おやすみなさい………。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ