表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
98/143

ネコと金箔(後編)

金箔ソフトクリームが気になっていた肉まんは、

食べたくて仕方がありませんでした。


そこで、ご主人様が金箔ソフトクリームの写真を撮っている隙に

狙おうとします。


そのチャンスがおとずれ、金箔ソフトクリーム目掛けて

ジャンプしました。

ところが、金箔ソフトクリームは目の前で消えてしまいました。





「えっ」


 ぼくは、ビックリして、着地がうまくできず、足がもたれて地面に激突。

「痛いにゃん。でも、どうして金箔ソフトクリームが消えちゃったのかにゃ?」


 ぼくは、後ろにいる気配に気がついた。

「気づかないとでも思ったの?」


 ご主人様の声が聞こえた。


「きみが食べたがると思っていたから、きみがジャンプしたときに、

きみが届かない高さにソフトクリームを持ち上げただけだよ」


 だから目の前で消えてしまったんだにゃん。その証拠に、ご主人様の右手には金箔ソフトクリームを持っている。


「ちょっとくらいならいいでしょ~」

「ちょっとくらいないいでしょって目をしてもダメ。

あげたらまた食べたくなるでしょ。それに、きみの身体にはあんまりよくないの。最近、また太ったんだし、なおさらあげられません!」

「だから、ちょっとだけでいいにゃん」


 ぼくは目をキラキラと輝かせながら見つめた。


 すると、ご主人様はなにかひらめいたのか、

「じゃあ”ちょっと”あげるよ」


 ご主人様はスプーンで薄く金箔をすくい、ぼくの口につけた。

ソフトクリームの上に金箔が乗っていたから、

のりみたいにくっつき口にうまく金箔は張り付いた。

そして、写真をパシャリ。


「はい。食べていいよ」


 ぼくは口をなめた。


 すると、ぼくに写真を見せてくれた。そこには、ぼくの口に金箔がついている写真だった。

「かわいいね~」


 とご主人様は言った。


「えっ? コレでおしまい??」

 ぼくはご主人様を見た。


「金箔にちょっとソフトクリームがついていたでしょ?」

「こんなのちょっとと呼べる量ではないにゃん。

ソフトクリームを食べてないと同じだよ。ただ金箔をぼくの口に張りつけただけ」

「だって、ちょっとでもいいからあげたじゃない」

「そんなちょっとじゃ分からないじゃない。味見にもならないにゃん!!」


 ぼくは猛抗議した。


「ちょっとあげました。もっと欲しかったら、ダイエットして下さい!」


 そう言うと、ご主人様は

「パクリ」


 とおいしそうに金箔ソフトクリームを食べた。


「ぼくも欲しいにゃ~。ちょっとじゃなくて、”もうちょっと”欲しいにゃん!!」


 ぼくはご主人様を見つめて鳴いた。

そんなことお構いなしにご主人様は、大きな口を開けて金箔ソフトクリームを食べ続けた。



《終わり》


 


 



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ